解禁!遠隔医療とは?現状・事例・問題点を解説

電子通信システムの発展がめざましい近年、医療においても「遠隔医療」というシステムへの取り組みが行われています。

「遠隔医療」という言葉からは、離れたところから行う医療であることがイメージされますが、法的な制限や実施可能な範囲など、実際、どのような現状なのでしょう?また、問題点等はないのでしょうか?

ここでは、遠隔医療とはどんなものなのか?また、その現状や遠隔医療を取り巻くさまざまな問題点などについて解説します。

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遠隔医療とは

「遠隔医療(Telemedicine and Telecare)」とは、日本遠隔医療学会により、次のように定義されています。

『遠隔医療:通信技術を活用して離れた二地点間で行われる医療活動の全体を意味する。』(在宅等への遠隔診療を実施するにあたっての指針2011年度版:日本遠隔医療学会)

すなわち、医師と医師、または患者さんとが直接面談ではなく、離れたところで、インターネットなどのオンラインシステムを活用して、患者さんのMRIやCT、X線画像などの検査結果を共有したり、診断を行う、面談、診察を行うことを遠隔医療といいます。

遠隔医療と遠隔診療の違い

「遠隔医療」という言葉とともによく耳にする言葉に「遠隔診療」というものもありますが、次のように定義されています。

『遠隔診療:遠隔医療のうち、医師が遠隔地から在宅等で療養する患者の診察およびそれに続く一連の診療を行うことを意味する。いわゆる医師-患者間の非対面診療であり、本指針が対象とするものである。』(在宅等への遠隔診療を実施するにあたっての指針2011年度版:日本遠隔医療学会)

すなわち、先にもふれていますが、「遠隔医療」のひとつとして、「遠隔診療」があるということです。

遠隔医療の変遷

ここで、日本での遠隔医療の変遷についてもふれておきましょう。
1970年代から主に医事会計や臨床検査に関係するところからコンピューターが応用されるようになり、1996年に厚生労働省に遠隔医療研究班が組織され、本格的に遠隔医療への取り組みが始まりました。その当時は、患者さんの検査画像を送信し、遠隔地から診断や指示をする医師間での試みが主でした。

1997年の厚生労働省からの「平成9年遠隔診療通知」にて、遠隔診療についての基本的考え方が示されました。

2005年には、日本遠隔医療学会が発足し、遠隔医療の定義の見直しが行われ、2011年に上記定義となりました。

2013年に1997年の厚生労働省の「平成9年遠隔診療通知」について補足する通知が示され、`さらに、2015年に遠隔診療について適用できる範囲を狭く解釈しなくてよいということを示す事務連絡が出され、2017年7月により明確に基本的考え方と医師法第20条との関係を示す通知が示されました。

遠隔医療の現状

近年、電子情報通信技術は、目覚しい進歩を遂げていて、遠隔医療を行う上での技術的な問題は減少していると考えられます。

遠隔画像診断や病理診断など、地域の病院から専門医のいる病院へ画像を送り診断、指示を仰ぐ、医師間での遠隔医療は、導入が進んでいます。

しかし、遠隔診療は、これまで、医師法第20条に定められている「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診察中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」を抵触するのではないかということから導入に消極的である場合が多くみられました。

しかし、2015年の厚生労働省からの事務連絡により、「医師法第20条等における「診察」とは、現代医学から見て、疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものをいい、遠隔診療についても、現代医学から見て、疾病に対して一応の診断を下し得る程度のものであれば、医師法第20条等に抵触するものではない。」(情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について事務連絡平成27年8月10日)と示されたことや適用となる範囲は、離島やへき地の患者さんや提示した病気の患者さんに限ったものではないことが明記され、事実上、遠隔での患者さんの診察を許可する通知が出され、継続診察の際の遠隔診察が可能になりました。

さらに、今年、2017年7月14日付けの厚生労働省からの「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」について)」の通知(医政発0714第4号)により、遠隔診療の基本的考え方がより明確化されたことで、更なる発展が期待されます。

この2017年7月14日付けの通知により、新たに追加された内容を要約すると、禁煙外来については、定期的に健康診断や健康検査が行われていることを確認して、患者側の要請に基づき、医師の判断で、または、診療が中断して結果として、対面診療が行われず、遠隔診療のみの実施となる場合も可能であることが示されました。

また、医師や患者本人であることが確認でき、対面診療に代替できる程度の患者の心身の状況に関する情報を得ることができる場合、遠隔診療にテレビ電話や電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス等の使用が可能であることも明示されました。

遠隔医療のメリット・デメリット

遠隔医療のメリット・デメリットを確認してみましょう。

遠隔医療のメリット3つ

メリット①:病院まで行かず診察が受けられる

離島や交通の不便なところに住んでいる場合や高齢者など通院がかなりの負担となる人にとって、病院まで行かずともオンラインで専門医の診察が受けられるのは、大きなメリットとなります。

また、毎日忙しいビジネスマンにとっては、病院へ行くと待ち時間が長いことがネックとなり、体の調子が悪いけれど病院へ行かず、悪化してしまうといったケースもあるでしょう。忙しいビジネスマンにとっても、診察を事前に予約し、待ち時間のない遠隔診療は、早期に医師の診察を受けることもできます。スマートフォンのオンラインを利用すれば、診察時間にどこにいても診察を受けることが可能になります。

メリット②:専門医の診断・アドバイスが受けられる

地域の医院や診療所などで、専門以外の症状を認める患者さんが来院した際、遠隔医療のシステムで、専門医へ検査結果をデータ送信し、診断やアドバイスをもらうことが可能です。また、ビデオ会議などで専門医が実際に患者さんを問診し、話し合うことも可能となります。

そのため、患者さんが、専門医の診察を受けるために遠方の病院を再び受診しなければいけないということが減ります。

メリット③:病理の迅速診断が可能になる

大きな病院では、手術中に、切除した患部の検体が悪性であるか良性であるかなど病理医の診断を仰ぎ、それにより最適な手術方法や切除範囲を決める場合があります。

現在、病理医は不足しているといわれており、すべての病院に常駐しているとは限りません。その場合、遠隔診療で、切除した患部の検体の病理画像を病理医に送ることで、手術中の迅速診断が可能となります。

遠隔医療のデメリット3つ

デメリット①:触診による診察ができない

遠隔診療の大きなデメリットは、直接患者さんに触れて状態を把握する触診や聴診器による聴診ができないことです。触診が病気の診断に不可欠な場合は、遠隔診療のみでは不十分となります。

デメリット②:症状を見落とす可能性がある

遠隔診療では、画面を通してみる患部の状態や患者さんの顔色、患者さんからの症状の説明により診断することになるため、モニター画像の精度により、患部の色や顔色に、実際とは微妙な違いが生じる可能性もあり、症状を見落とす可能性は否定できません。

デメリット③:個人情報が漏れる恐れがある

遠隔医療では、患者さんの病状や検査結果などのデータがインターネット通信で、医師間や医師と医療スタッフ、医師と患者さんとの間で送られるため、その情報が漏れる恐れは、リスクとしてあります。

遠隔医療の事例5つ

総務省の「遠隔医療モデル参考書」に掲載されている事例をご紹介します。

<事例①>

遠隔医療を積極的に実施している地域のひとつに香川県があります。
香川県は、離島や山間部がいくつも存在し、診療が必要な場合は、半日もかけて都市部の病院へ通院しなければいけないといったケースが多いことから、地域の診療所と中核病院をネットワークでつなぎ、県下の医療機関間での画像の遠隔診断が開始され、画像の読影医のいない医療機関でも早期画像診断が可能となりました。

現在は、さらに、専門医が診療所医師に指示して、診察を行う、在宅の患者を訪問する看護師がタブレットを持参し、医師の指示のもと訪問看護を行う、医師やケアマネージャーがテレビ電話で患者の指導を行うなど幅広く実施されています。

<事例②>

岩手県の事例では、病理医が偏在しており、慢性的な病理医の不足と偏在への対策として、遠隔で動画による術中迅速病理診断が行われています。術中に病理診断ができることは、切除範囲が小さくなり、手術が1回で済むことで、患者さんへの身体的、経済的な負担の軽減に繋がります。

また、術中に病理診断が必要な手術を受けるために、遠方の病理医のいる病院まで行く必要がなくなります。

<事例③>

岐阜県の事例では、岐阜県は、人口に対する医師の数が少なく、地形的にも山間部が多いため、救急搬送にかかる時間が全国平均より長めであるとされています。このことから、救急搬送時にどの病院のどの診療科が最適か、患者の容態と位置的状況から最適な搬送先を自動判定するシステムが導入されています。

患者情報や容態も救急隊員が発する音声を自動で認識してシステムに取り込み、受け入れ先の病院に送信され、早い段階で患者の状態を把握することができ、十分な受け入れ態勢をとることが可能となっています。

<事例④>

岡山県の事例では、岡山県新見市は中山間地域であり、医療機関は市中心部に集中しているため、通院が困難なケースが多くあります。また、高齢化が進んでおり、独居世帯も多くなっています。

このような状況への対策として、テレビ電話やテレビ電話付き診療支援端末を用いて、訪問看護師を介して遠隔での診察が行われています。患者の通院負担が減り、それまでは入院していた患者さんの自宅での療養が可能になりました。

<事例⑤>

福島県の事例では、医師から循環器系の保険指導が必要と認められた高齢者を中心とした患者さんが家庭で行った血圧・心電図の測定結果が、自動的に保健センターのサーバに蓄積されて、翌日保健師が全データをチェック、問題があれば、電話や訪問をして健康状態を確認する取り組みが行われています。これにより、発作などの発生リスクの回避や早期発見、通院回数の減少などに繋がっています。

遠隔医療の問題点

遠隔医療として、医師と医師の間で行われる画像や病理の遠隔診断については、積極的に進んでいますが、医師と患者間の遠隔診察については、消極的な医師がまだまだ多いのが現状のようです。

遠隔医療の問題点としては、見落としなどトラブルがあった際の責任の所在があいまいなとことがある点や診療報酬上の制限がある点などが挙げられています。

先の遠隔医療のデメリットでも述べましたが、触診による診察ができない、また、オンラインシステムを介した聴診がどの程度の信頼性があるのか不安があるなど直接診察しないことによる診断や治療に自信が無いといった医師の声もあるようです。

診療報酬の点では、現状としては、CTなどの検査画像を他の医療機関の専門医へ送信し、診断結果を受信した場合も診断行為として認められます。また、患者から採取した病理標本画像を他の医療機関の専門医へ送信し、診断結果を受信した場合も診断行為として認められます。

医師と患者間では、電話やテレビ電話などによる再診、心臓ペースメーカーから送信されたデータを確認し、管理指導することが診療報酬として認められています。

しかし、その他にも遠隔医療としては、慢性疾患患者への重症化の予防や健康管理、指導といった取り組みも行われており、今後、診療報酬上の評価に繋がることが望まれます。
2018年の診療報酬改定に向け、さらなるエビデンスの収集が行われています。

まとめ

2017年7月の厚生労働省からの遠隔医療の基本的考え方をより明確にした通知により、遠隔医療は、今後、ますます多くの地域で導入が進んでいくと考えられますが、遠隔医療におけるリスクを回避、軽減するための対策を並行して進めていくことも重要と考えます。

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