機能性表示食品とは?初めてでもわかる法律ガイドラインと商品例を簡単解説

2015年に機能性表示制度は開始されました。制度が開始されてからは、大手企業を始めとして続々と新しい商品の届出が増え、消費者庁の確認がなかなか追いつかないほどの人気を博しています。

それもそのはずで、人気の理由としては機能性表示食品として発売された商品の売上が伸びているからです。

例えば、ファンケルの機能性表示食品「えんきん」はその商品単体で、2016年3月期に35億円の売上高を記録しており、2017年以降も伸びる見込みという販売計画が出されています。

そんな各企業が大注目している機能性表示食品について初めての人でも分かるように詳しく解説していきます。

目次

機能性表示食品とは?

機能性表示食品とは、科学的根拠を基に機能性(=作用・働き)を示した食品のことです。

機能性表示制度が始まるまでは、機能性を表示できる食品は「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」に限定されていました。

それが機能性表示食品の登場によって一変したのです。
機能性表示食品の位置づけがよくわかる図があるので、以下を参考にしてください。

引用先:「機能性表示食品」って何?

図を見るとわかるように、機能性表示食品は「食品」であって「医薬品」とは異なります。

機能性表示食品とトクホや栄養機能食品の違い

先ほどの図からもわかるように、機能性表示食品は、特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品とは違います。

どのように違うのか、まとめていきましょう。

◯特定保健用食品(トクホ)
効果や安全性について国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可しています。

効果を示せる表現は次の11パターンのみです。
①おなかの調子
②コレステロール高め
③血圧高め
④ミネラルの吸収を助ける
⑤骨の健康が気になる
⑥歯を丈夫に
⑦血糖値が気になる
⑧中性脂肪が気になる
⑨体脂肪が気になる
⑩便通改善
⑪肥満気味の方 ⇒部位は骨・歯・腸

◯栄養機能食品
すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定量含んでいる食品であれば、表現できます。
※表示できる成分は限られています。

◯機能性表示食品
効果や安全性について事業者が自身の責任において、消費者庁へ届出を行う。
機能性表示食品では、国は審査を行うのではなく、監視を行う立場になります。

表現できる効果については、広がりを見せており、今後も新しい成分や効果に注目です。

機能性表示制度ができた理由

これまでの特定保健用食品と栄養機能食品だけでは、問題があるとともに時代の変化に追いついていないという状況がありました。

問題点としては以下の通りです。

特定保健用食品・・・許可手続きに時間と費用がかかる
栄養機能食品・・・対象成分が限定されている

これらの問題により、特に中小企業は科学的根拠のある機能性食品を製造しても、効果効能を表示できないという事情がありました。それは企業だけでなく、消費者にも不利益を与えることになります。

機能性表示制度が開始したことによって、表示できる機能性の範囲には限定性があるものの、効果効能を表示できるチャンスが拡大しました。さらに、消費者にとってもストレートな表現から購入を判断できるようになりました。

機能性表示食品の法律

食品表示法に基づく食品表示基準で、機能性表示制度の基本事項は規定されています。
運用にかかわる詳細は、通知やガイドラインなどで示されています。

食品表示法の条文はこちらのページで見ることができます。

機能性表示食品の届出等に関するガイドライン

届出に関する詳細は、下記の構成でガイドラインに詳しく書かれています。

・対象食品となるかの判断
・安全性の根拠
・生産・製造及び品質の管理
・健康被害の情報収集体制
・機能性の根拠
・表示の内容
・届出

ガイドラインは、こちらのページから見ることができますので、参考にして下さい。

機能性表示食品の広告に関するガイドライン

まず機能性表示食品では、商品の容器包装に以下を記載する必要があります。
この表示によって、消費者は機能性表示食品の効果や使用方法を正しく知ることができます。

①機能性表示食品である旨
②科学的根拠を有する機能性関与成分及び当該成分又は当該成分を含有する食品が有する機能性
③養成分の量及び熱量
④一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量
⑤一日当たりの摂取目安量
⑥届出番号
⑦食品関連事業者の連絡先
⑧摂取の方法
⑨摂取する上での注意事項
⑩調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項
⑪その他

機能性表示食品の広告については以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にして下さい。

機能性表示食品の広告を作るときの5つの注意点

機能性表示食品の商品例4つとデータベース

機能性表示食品の商品例について有名なものをいくつか紹介します。
大きく売上を増やしている商品ばかりなので、企業担当者の方は参考にしてみて下さい。

商品例①えんきん

商品名:えんきん
販売企業:株式会社ファンケル

<機能性関与成分名>
ルテイン、アスタキサンチン、シアニジン-3-グルコシド、DHA

<表示しようとする機能性>
本品にはルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3-グルコシド・DHAが含まれるので、手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による肩・首筋への負担を和らげます。

<商品の説明>
冒頭でも説明したように、えんきんはファンケルの商品で、2016年3月期に35億円の売上高を記録する大ヒットとなりました。2017年以降もさらなる売上アップが見込まれており、機能性表示食品の恩恵を受けた成功事例の1つです。

商品例②カロリミット

商品名:カロリミット
販売企業:株式会社ファンケル

<機能性関与成分名>
ギムネマ酸、桑の葉由来イミノシュガー(ファゴミンとして)、エピガロカテキンガレート、キトサン、インゲン豆由来ファセオラミン

<表示しようとする機能性>
本品にはギムネマ酸、桑の葉由来イミノシュガー(ファゴミンとして)、エピガロカテキンガレート、キトサン、インゲン豆由来ファセオラミンが含まれます。本品は、食事の糖と脂肪の吸収を抑えて、食後の血糖値と血中中性脂肪値の上昇を抑える機能があります。本品は糖、脂肪が多い食事をとりがちな方に適しています。

<商品の説明>
カロリミットシリーズで機能性表示食品の届出が出されています。2016年度にシリーズで 75億円の売上を達成している大ヒット。今後もさらなる売上拡大を計画しています。えんきんと並び、機能性表示食品の販売ランキングでもランクインしています。

商品例③カゴメトマトジュース


引用元:カゴメ飲料

商品名:カゴメトマトジュース高リコピントマト使用食塩入り
販売企業:カゴメ株式会社

<機能性関与成分名>
リコピン

<表示しようとする機能性>
本品にはリコピンが含まれます。リコピンには血中HDL(善玉)コレステロールを増やす働きが報告されています。血中コレステロールが気になる方にお勧めです。

<商品の説明>
カゴメトマトジュースシリーズで機能性表示食品の届出が出されています。2016年2月2日に機能性表示食品としてのカゴメトマトジュースが発売され、商品発売後 1 年間の出荷実績が、前年に対して 173%と好調な売上を記録しています。

商品例④ビフィーナ


引用元:ヘルスエイドビフィーナR

商品名:ビフィーナR(レギュラー)
販売企業:森下仁丹株式会社

<機能性関与成分名>
ビフィズス菌(ロンガム種)、同菌(ビフィズス菌(ロンガム種))の別呼称としてビフィズス菌(Bifidobacterium longum)又はビフィズス菌(ビフィドバクテリウム ロンガム)又はビフィズス菌(B.longum)又はBifidobacterium longum 又は B.longum

<表示しようとする機能性>
本品には生きたビフィズス菌(ロンガム種)が含まれます。ビフィズス菌(ロンガム種)には腸内フローラを良好にし、便通を改善する機能があることが報告されています。

<商品の説明>
ビフィーナシリーズで機能性表示食品の届出が出されています。機能性表示食品の届出以降も売れ続け、20年連続シェアNo.1・販売実績累計1000万個突破となっています。

機能性表示食品の最新の届出と内容を確認したい方は、以下のデータベースから見ることができます。

機能性表示食品の届出情報検索

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