医薬品のインターネット販売にかんする法律・ルール[改正薬事法]

医薬品を扱う業者であれば、医薬品のインターネット上での販売について関心がある方は多いですよね。
近年、さまざまな分野においてインターネットによる物品の販売が盛んになってきていて、医薬品においてもそのインターネット上での販売が長く議論されてきました。

実際、医薬品のインターネット上における販売については、長年「薬機法(旧薬事法)」という法律による厳格な規制があり、かなり限定された範囲でしか認められなかったのですが、薬機法(旧薬事法)改正により、大幅に規制が緩和されることになりました。この解禁により、一般用医薬品の99%がネット販売可能になるとも言われました。医薬品のインターネット販売については、今後も急激に発展を遂げていくでしょう。
2014年6月12日から主に一般用医薬品を対象にネット販売が可能になり、もうすぐ1年になります

今回は、今後医薬品販売に携わるものであれば必須の知識となる、医薬品のインターネット上における販売に関する薬機法(旧薬事法)の改正について、その改正内容や注意点についてご紹介します。

インターネット販売が解禁された経緯

まずは、医薬品のインターネット販売が解禁された経緯についてご説明します。
そもそも医薬品は、人の健康を守るためのものですが、強い効用があるものであるほど副作用が出るリスクや可能性も高まり、適切な処方や服用方法の遵守が不可欠になります。

そこで、もともと薬機法は、医薬品の販売方法について、かなり厳格に規制しており、具体的にはその大部分を薬剤師等が対面にて販売することが必要であるとしていました。
そのため、対面が不可能なインターネット上での販売については、極めて限定的な範囲でしか認められていなかったのです。

ところがこれに対しては、現実に即していないという批判が強く出ていました。

対面を要すると言っても実際には薬剤師が店舗にいない場合があったり、副作用についてのリスクが不十分なまま店舗にて医薬品が販売されたりしていることもありました。さらに、人々の生活スタイルが多様化してインターネットの利用が一般化していること、人々の健康への意識の高まりから医薬品への需要が高まっていることなどから、インターネット販売規制は現実に即していないとの批判がなされていました。
これを受けて、2009年にケンコーコムとウェルネットが国を相手取って、ネット販売を禁じた厚生労働省の省令を無効と主張して争う裁判を起こしました。
これについて最高裁は、2013年1月に原告側の主張を支持してインターネット規制が無効であると認める判断を下したのです。
その後、この最高裁判決を受けて法改正の検討がかさねられた結果、2013年12月5日、ようやく薬事法が改正されて、医薬品販売のインターネット規制が大幅に緩和されることとなりました。
この改正薬事法は、2014年6月12日に施行されています

医薬品のインターネット販売による問題点と危険性

問題
医薬品のインターネット販売においてはどのような問題点や危険性があるのでしょうか。

そもそも、薬事法がもともと規制していたとおり、インターネット販売が行われるとどうしてもそのリスク等の説明がおざなりになったり、購入者が勝手な服用方法・薬の濫用をして副作用が出たりするおそれがあります。

医薬品においては、他の薬と併用する場合、飲み合わせに注意を要するものも多くありますが、インターネットで個人的に購入する場合、このような飲み合わせの判断も困難になってしまうおそれがあります。

また、インターネット販売においては残念ながら悪質な業者も多く、お金は払わせても商品を送らなかったり、薬剤師ではないものが薬剤師を名乗って医薬品を販売することが容易になったりするなど問題も発生します。

インターネット販売解禁のメリット

このような問題点や危険性があるにもかかわらず、インターネット販売を解禁するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
やはり、一番のメリットは購入者が必要な医薬品を入手しやすくなることです。
たとえば身体が不自由でなかなか自分で薬局に出かけるのが大変な方や、近くに薬局がない方であってもインターネット販売であれば簡単に医薬品を入手でき、家まで送ってもらうことができます。
また、医薬品のインターネット販売を解禁することにより、多数の業者が参入・販売しやすくなり、業者側にとってもメリットがあります。

現代社会においてはインターネットの利用が日常的になっているので、医薬品の業界だけがインターネット販売を認めないのは時代の変化についていっていないとの批判もありましたが、規制を解禁することによってこのような「時代遅れ」の批判も免れることとなります。

薬機法(旧薬事法)改正後の規制内容

次に、薬機法(旧薬事法)改正後の規制内容がどうなっているのか見てみましょう。
薬事法改正によりインターネットによる医薬品販売が解禁されたといっても、無制限に認められるようになったわけではありません。

もともと、医薬品には医師の処方のもと薬局でしか販売が認められない医療用医薬品と、一般のドラッグストアなどでも販売可能な一般用医薬品があります。

そして、一般用医薬品は3種類に分かれています。

医薬品分類購入者への情報提供販売時の対応専門家
第一類医薬品

(特にリスクが高い)
書面を使った情報提供が義務薬剤師
第二類医薬品

(リスクが比較的高い)
努力義務薬剤師または登録販売者
第三類医薬品

(リスクが比較的低い)
不要薬剤師または登録販売者

今回の法改正においては、さらに「要指導医薬品」という概念が導入されました。
これは、一般用医薬品と医療用医薬品の中間の概念です。
もともと劇薬やスイッチ直後品目と言われていた医薬品で、効用が非常に強いものや、医療用医薬品から一般用医薬品に移行されたばかりでリスクが確定していないもの、医薬品としての使用実績が少なくリスクが確定していないもののことです。
これらの要指導医薬品は、3年の間安全調査がなされ、その間に安全性が確認されればその後一般用医薬品に移行します。

次に、上記の医薬品それぞれについての薬機法(旧薬事法)上の規制内容を見てみましょう。

改正前の薬事法上の規制内容はどんなものだったのでしょうか。
改正前においては、第一類医薬品及び第二類医薬品のインターネット販売は認められておらず、この2種類については店舗における対面販売しかできませんでした。
改正前にインターネット販売が認められていたのは第三類医薬品のみでした。

これが、改正後においては、第一類医薬品、第二類医薬品ともインターネット上で販売することが可能となったのです。

もちろん、第三類医薬品については、改正前と同様インターネット上における販売が可能です。
ただし、改正後に新たに導入された概念である「要指導医薬品」(改正前の劇薬及びスイッチ直後品目)については、対面販売を要するとされています。

改正薬事法による販売方法の変化
引用先:政府広報オンライン

薬局インターネット販売のルール

最後に、薬局がネット販売を行う場合における注意点を見てみましょう。
まず、どのような業者にインターネット販売が認められるかが問題になります。
この点、ネット販売ができるのは、「実際の店舗を有する、薬局や店舗販売業の許可を持った販売業者」です。無店舗の業者はネット販売をすることができません。

医薬品のインターネット販売条件

さらに、その実店舗についても要件があります。
①週30時間以上開店していることを要しますし
②実店舗において購入者の見やすい場所に店舗名などの標識があり
③購入者が容易に出入りできて
④常時薬剤師または登録販売者が配置されていることも必要です。

さらに、ネット上で販売が認められる医薬品は
①その実店舗において貯蔵し、陳列している医薬品であること
②ネット以外に、対面や電話での相談体制があることが求められます。

販売サイトのルール

そして、販売サイトにおけるルールもあります。
具体的には、一般用医薬品をネット上にて販売するとき、そのウェブサイトには次の事項を表示・掲載する必要があります。
①トップページに店舗の名称を表示する
②ウェブサイト上に実店舗の写真を掲載する
③ウェブサイト上に、現在勤務中の薬剤師・登録販売者の氏名などを掲載する
④ウェブサイト上に許可証の内容(開設者名、所在地、所管自治体など)を載せる
⑤ウェブサイト上に営業時間外を含めた販売業者の連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を掲載する

情報提供と販売のルール

さらに、ネット販売においては、薬剤師・登録販売者から消費者に適切な情報提供・販売がなされるためのルールも定められています。

①購入者が情報提供内容を理解した旨を確認する
②購入者に再質問がない旨を確認する
③妊娠中など薬の服用に注意が必要な場合を掲示・表示する
④乱用などのおそれのある医薬品(かぜ薬や咳止めなど)は販売個数を制限する
⑤使用期限を表示し、使用期限切れの医薬品の販売を禁止する
⑥オークション形式での販売は禁止されている
⑦購入者によるレビュー、クチコミ、レコメンド(推薦)は禁止されている

上記については必ず守らなければなりません。
なお、上記の禁止ルールは実店舗での販売においても同様に適用されるものです。

医薬品のEコマース市場規模

少し古いデータばかりになりますが、医薬品の市場規模を確認しておきます。
2011年の一般用(OTC)医薬品は、約6500億円の市場規模があります。
医療用医薬品も合わせた市場規模は、年々増えています。

医薬品市場規模

引用先:医薬品産業ビジョン2013

その中でEコマース・通信販売の市場規模はどのくらいなのでしょうか。
2009年の改正薬事法に至ったときに楽天から提出された資料に参考数値が掲載されています。

医薬品の通信販売は、約800億円の市場規模があり、ネットは約900万人弱の健康の維持を支えています!

引用先:医薬品の通信販売規制の問題

2007年時点ですでに800億円が通信販売(カタログ含む)で販売されており、インターネット販売は約360億円と推計されています。
2009年の改正薬事法後、インターネット販売できる医薬品の範囲は拡大していますので、さらに市場規模は伸びているでしょう。

まとめ

以上、改正薬事法におけるインターネットによる一般用医薬品の販売について解説してきましたが、いかがでしたか。
一般用医薬品においては、その99%以上がこの改正薬事法によりインターネット販売が可能になると言われました。
ただし、その場合においても無制限に認められるわけではありません。
新たに導入された概念である要指導医薬品については対面販売しか認められないことや、ネット販売ができるのは薬機法(旧薬事法)上の適格な実店舗を持つ業者に限られること、さらには販売用ウェブサイトにおける表示内容にも厳しい規制があります。

そして、適切な情報提供のためのルールも厳格に定められています。
このような規制をしっかり守らないと、薬機法(旧薬事法)違反となってしまいますので注意が必要です。
今回説明したポイントをしっかり押さえて、インターネット販売で、ビジネスチャンスを広げていきたいですね。

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