医師だけじゃない!医師法違反で逮捕されたときの刑罰・罰則

みなさんは「医師法」をご存知ですか。
医師法は、医師の任務、免許、試験、業務などについて定める法律です。

この法律は医師以外の者が医業をすることを禁じていますから、医師ではない者も取り締まり対象となります。

実は、医師法違反の行為が内部告発などによって明らかになり、逮捕に至る事案が後を絶ちません。

どんな行為が医師法違反になるのか、
刑罰・罰則にはどんなものがあるのか、
などについて説明します。

医師法の目的を簡単に説明すると

young asian doctor on blue background
まずは、医師法とは何なのか理解しておきましょう。

医師とは、高度な専門知識及び技能を有しており、この知識や技能をもって、国民生命や健康な生活を確保する人たちです。

このように国民の保健上極めて重要な役割を担う医師については、その資格を法律で定め、その業務について必要な規制を行い、場合によっては罰則をもって取り締まることが必要です。

そこで、医師法はこのような目的から、医師の任務、免許、試験、業務、卒後臨床研修、審議会および医師試験委員、義務,罰則などについて規定しています。

医師法の守秘義務・通報義務・届出義務

ひとつずつ見ていきましょう。

守秘義務

刑法134条第1項は、「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、・・・の職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」とし、医師の守秘義務を規定します。

適切な医療を施すためには患者からの通常は人に知られたくないような事実の開示が不可欠ですが、そのためには開示した事実が医師から他に漏らされることがないという医師に対する信頼が必要であることから医師には守秘義務が課せられています

医師法には守秘義務を直接規定していませんが、情報を適切に管理することが求められています。(医師法24条)

通報義務

医師が、その診察や治療の過程で、犯罪があったことを知った場合に、これを通報する義務はあるのでしょうか。

まず、通報することは先ほど述べた守秘義務との関係もありますので必ずしも義務ではありません

しかし、守秘義務があるからといって、一切の通報が許されないわけでもありません。

最高裁平成17年7月19日判決は、「医師が、必要な治療又は検査の過程で採取した患者の尿から違法な薬物の成分を検出した場合に、これを捜査機関に通報することは、正当行為として許容されるものであって、医師の守秘義務に違反しない」と判示しています。

また、薬物検査に関係して、法令によって、通報が義務付けられている場合があります。たとえば、麻薬及び向精神薬取締法58条の2は、医師が診察の結果、受診者が麻薬中毒者であると診断したときはすみやかに都道府県知事に届け出なければならないと規定しています。

届出義務

医師法21条は、医師が異状死体を検案した場合、異状死産児(妊娠4月以上)を検案した場合は24時間以内に所轄警察署に届出なければならない旨を規定しています。

その他、医師に届出義務が課せられる場合としては、特定の感染症について感染症法に基づいてする場合や、食中毒について食品衛生法に基づいてする場合が挙げられます。

医師法違反の刑罰・罰則

ビジネスマン
医師法は、
(1)医師以外の者の医業禁止、名称の使用制限、
(2)試験に対する不正行為、
(3)無診療治療の禁止、
(4)異状死体の届出義務、
(5)処方箋の交付、
(6)診療録の記載、及び保存
(7)再教育研修
(8)処分の際の調査
の条項については、罰則規定を定めています。

1つずつ見ていきましょう。

(1)医師以外の者の医業禁止、名称の使用制限

医師でないのに医業をした者、あるいは虚偽又は不正の事実に基づいて医師免許を受けた者については、3年以下の懲役若しく100万円以下の罰金に処され、又はこれが併科されます。これらの者が医師又はこれに類似した名称を用いた場合には、3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処され、又はこれが併科されます。(医師法31条)

また、医業の停止を命ぜられた者が、当該停止を命ぜられた期間中に、医業を行えば、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処せられ、又はこれが併科されます。(医師法32条)

医師でないのに、医師又はこれに紛らわしい名称を用いた者は、50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33の3第1項)

(2)試験に対する不正行為

医師試験委員その他医師国家試験又は医師国家試験予備試験について、故意若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、1年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条)

また、医師は、2年ごとの年に氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければなければなりませんが、これを怠っても50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条の2第1項)

(3)無診療治療の禁止

医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはなりません。これに違反すれば50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条の3第1項)

(4)異状死体の届出義務

医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならず、これを怠れば50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条の2第1項)

(5)処方箋の交付

医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければなりませんが、これに違反すれば、50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条の2第1項)

(6)診療録の記載、及び保存

医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならず、これに違反すれば50万円以下の罰金に処せられます。また、この診療録は5年間保存義務がこれに違反しても同様です。(医師法33条の2第1項)

(7)再教育研修

処分を受けた医師又は再免許を受けようとする者が、医師としての倫理の保持又は医師として具有すべき知識及び技能に関する研修を受けなかった場合は、50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条の2第2項)

(8)処分の際の調査

処分に当たって必要な陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、物件を提出せず、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、50万円以下の罰金に処せられます。(医師法33条の2第3項)

医師法違反の判例・事例

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医師法に違反したケースにはどんなものがあるのか見ていきましょう。

①無資格医業(医師でないのに医師を装った事例)

平成27年6月22日、医師の資格がないにもかかわらず、実在の眼科医に成り済ました男性が逮捕されたと茨城県警が発表しました。この男は以前、医療関係者向けの人材派遣会社を経営しており、会社に登録していた実在の男性医師の医師免許証や履歴書などをコピーし、自分が、その医師に成り済ましました。各地の病院に派遣され、3年前から23府県で少なくとも2300人を診察し、2000万円近くを稼いだといいます。この男は以前にコンタクトレンズなどのメーカーに勤務しており、その知識で診療をしていたとみられており、健康被害の報告はなかったそうです。

②無資格医業(エステ脱毛の事案)

平成26年4月8日、姫路市のエステティックサロンの経営者と、元店長の女2人が逮捕されたことが報じられました。これは医師免許がないのにいわゆる光脱毛をしたことを理由とする逮捕でした。

経営者の女は、「脱毛行為が悪いこととは思わなかった」と述べたそうです。しかし、平成13年11月8日、厚生労働省医政局医事課長は、各都道府県衛生主管部(局)長宛て通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(医政医発第105号)」を発出しています。

同通知では、「用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」を「医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する」としており、この通知が出て以降、光脱毛で医師法違反が問われ、有罪判決が出ているのでこのような言い訳は通用しないでしょう。

③届出義務違反

平成16年4月13日に、最高裁は、医師法21条の届出義務に関する判決を出ました。いわゆる広尾病院事件です。

この事案は、指の関節リウマチの手術をした女性に対し、生理的食塩水の代わりに、看護師が誤って消毒剤を点滴したため死亡した事件ですが、その後、遺族から「医療ミスがあったのではないか」との抗議があったため、女性が死亡してから11日後に病院は警視庁渋谷署に届出をしたというものです。この結果主治医は医師法21条違反の罪に問われました。

本件では、このような場合の死体の検案が医師法21条の規制するものなのか、このようなことを届け出ることを強制すれば、憲法38条1項の保障する自己負罪拒否特権を侵し憲法違反ではないかが争点となりました。

最高裁は、「医師法21条にいう死体の「検案」とは、医師が死因等を判定するために死体の外表を検査することをいい、当該死体が自己の診療していた患者のものであるか否かを問わないと解するのが相当である」とし、また、医師法21条が、自己に不利益な事実の供述「届出義務は,医師が、死体を検案して死因等に異状があると認めたときは、そのことを警察署に届け出るものであって、これにより、届出人と死体とのかかわり等、犯罪行為を構成する事項の供述までも強制されるものではない。」として医師を有罪としました。

まとめ

これまで見てきたように、医師法は医師ばかりでなく、エステサロンに関わる方、あるいは一般人にも関係する法律なのです。自分の行為が医師法に違反しないか、医師法やその解釈についてしっかり理解することが重要です。

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5 件のコメント

  • 目の手術受けました。医師が指定した処方箋と違う薬を出されていました。両方目が悪くそれにきずきませんでした、一週間で2回でしたので2回目のときにきずきました、院外処方でした、薬剤師のかってな処方でした、違った薬使ってしまいました。薬剤師に対して何なりかの保障を求めて
    もよいのでしょうか

  • 術後まだ日がたっていませんが目が霞がかっています、同じ手術した人に聞きましたらそんなことは無かったといっていました。なにか情報でも有れば教えてください。

    • すみませんが、こちらでは個別の質問にお答えすることができません。
      また、こちらは医療機関ではないため目の手術に対する情報は十分に持ちあわせていません。
      そのようなケースであれば、まずは手術を受けた病院の診察を受けて薬についても聞いてはいかがでしょうか。

  • 医師法違反の事実と証拠があり、医師を罪に問いたい場合、どこにどのような手続きを取ればいいのでしょうか。

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