有名・大手企業の薬事法(医薬品医療機器等法)違反事例

薬事法(現:医薬品医療機器等法)に違反した事例は、有名な企業や大手企業にも見られます。
これらの企業の事業内容としては、医薬品や医療機器に関するものはもちろん、それ以外の業種でも薬事法に違反する事例があります。

コンプライアンスについて厳格な態度が採られている昨今で、有名企業や大手企業でもおかしてしまう薬事法違反事例とはどのようなものなのでしょうか。

事例ごとに内容や逮捕・業務停止などに至った理由や経緯について説明します。

具体的な事例を見ていきましょう。

1.ノバルティスファーマの薬事法違反事例

ノバルティスファーマ

ノバルティスファーマ

ノバルティスファーマは、ノバルティスというスイスを拠点とする製薬やバイオテクノロジー企業の中核をなす医療用医薬品部門であり、ノバルティスファーマ株式会社が、その日本法人です。

ノバルティスファーマ株式会社は医薬品の開発、輸入、製造、販売をその事業内容とし、1997年4月1日に設立されました。
資本金60億円の会社で、社員数は2015年4月1日現在で3,940名です。本店は東京都港区虎ノ門にあります。

違反内容

2014年1月9日、厚生労働省は、ノバルティスファーマ株式会社とその社員について、虚偽・誇大広告の禁止を規定する薬事法第66条第1項に違反した疑いで東京地方検察庁に対して告発状を提出しました。

ノバルティスファーマ株式会社で臨床研究データの解析などの業務を担当していたこの社員が、高血圧症治療薬であるディオバンという薬に関して、東京慈恵会医科大学及び京都府立医科大学病院での臨床研究の際に、薬の効果を高くみせるため解析データの一部を改ざんして研究者に提供し、海外の医学専門誌にディオバンの効果について虚偽の論文が掲載されたのです。

この論文や資料を用いて、ノバルティスファーマ株式会社はディオバンの効能・効果について他の治療薬より脳卒中や狭心症の発症を抑える効果があるなどと広告していたのです。これが、虚偽・誇大広告に当たるとされました。

東京地検特捜部による家宅捜索や事情聴収などの捜査を経て、2014年7月1日、ノバルティスファーマ社とその(元)社員は薬事法違反(虚偽・誇大広告)の罪で起訴されました。

2015年6月9日、ノバルティスファーマ株式会社代表取締役社長ダーク・コッシャ氏が記者会見を行い、事件についての謝罪と、企業風土の改革や、新薬開発パイプラインを中心とした今後の展望についての説明をしました。

虚偽の宣伝や誇大な表現について

薬事法(現 医薬品医療機器等法)66条1項は、「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」と、虚偽・誇大広告等の禁止を規定します。

医薬品は、その性質上、有効性及び安全性が確保されていなくてはなりませんし、国民がその選択を誤ることがあってはなりませんから、このような規定が置かれているのです。

同法85条は66条1項に違反した者について、「2年以下の懲役若しくは2百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定しています。

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2.スズケンの薬事法違反事例

スズケン

スズケン

株式会社スズケンは、愛知県名古屋市東区に本社を置き、主として医療用医薬品、試薬、医療用機器、医療材料、食品などの販売を行う会社です。
設立は1946年8月10日、従業員数は2015年3月末で4,787名です。

違反内容

岐阜県総合医療センターの職員互助会が1995年から2007年までの12年間、糖尿病患者が、血糖値を測るために使用する「血糖値測定用チップ」という医薬品1017箱を無許可で販売していたことが発覚しました。

そして、この医薬品を卸していたのが、スズケン岐阜支店だったのです。
2008年8月13日、岐阜県は互助会会長およびセンター院長を厳重注意したほか、スズケン岐阜支店を同日から5日間の業務停止処分にしたと発表しました。

スズケン岐阜支店は、医薬品販売の許可を確認しないまま互助会に卸売りしたことが問題とされたのです。

医薬品販売業許可とは

薬事法、現在の医薬品医療機器等法24条は、「薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。」と規定します。

販売業の許可は、現在では、店舗販売業の許可、配置販売業の許可、卸売販売業の許可に区分されています。
この許可規制に違反した者は、業務停止などの行政処分の他、84条9号で3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれらの併科という罰則が規定されています。

3.島忠の薬事法違反事例

島忠

島忠

株式会社島忠は埼玉県さいたま市西区に本店を置く、家具・インテリア雑貨(カーテン・カーペット・インテリア小物ほか)の小売業、ホームセンター商品(日用品・園芸・ペット・木材・金物ほか)の小売業を営む会社です。設立は1960年6月で2014年8月末現在の従業員数は1,620名です。

違反内容

2009年7月16日、神奈川県警は、株式会社島忠を、「血糖値が下がる」などの効能をうたった、バナジウム入りのミネラルウォーターを販売したとして、薬事法違反(未承認医薬品の販売)の疑いで書類送検しました。

島忠にこの飲料水を売った飲料水製造販売会社イデシギョーとマウントフジビバレッジは、薬事法の無許可販売違反の疑いで書類送検されました。捜査の結果、ボトル自体には効能・効果が表示されていなかったことなどの事情から、この事件は不起訴処分となりました。

未承認医薬品販売

医薬品とは、人又は動物の疾病の診断や治療、予防に使用されることが目的とされる物、人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物で、機械器具等でないものと定義されています(薬事法 現医薬品医療機器等法2条1項)。

このような目的を持ち、医薬品に該当するにもかかわらず、同法14条に基づく必要な承認や許可を受けていない食品などを、未承認医薬品といいます。

本件の水は血糖値を下げるなどの効果を目的としているのに、医薬品としての承認を受けていないことから未承認医薬品となるのです。

4.渡辺薬品工業の薬事法違反事例

渡辺薬品工業

渡辺薬品工業

渡辺薬品工業株式会社は、富山県富山市に所在する会社で、 医薬品、動物用医薬品、健康食品の受託製造加工を行っている会社です。
設立は昭和21年3月28日、従業員数は約50名です。

違反内容

2012年12月26日、富山県は渡辺薬品工業株式会社が製造する風邪薬「ハイベナンV」が、有効成分の含有量が規格を下回っており、承認規格を満たさないとして、同社の2工場を、35日間業務停止処分にしました。

県に情報提供があり、渡辺薬品工業が、80商品について製造業者に義務付けられている品質検査をせずに出荷していた事判明するとともに、この事実が発覚したのです。

渡辺薬品工業は流通したハイベナンV、4万4千個の自主回収することになりました。

製造業者に義務付けられる品質検査

医薬品は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならなりませんが、特定の医薬品については、その物の製造所における製造管理又は品質管理の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合していなければ、この承認を得ることができません。(薬事法 現医薬品医療機器等法14条2項4号)。

この厚生労働省令が、医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令ですが、このなかで品質検査が求められています。

今回の承認規格を満たさないとの薬事法違反は、この品質検査を怠っていることが情報提供されたために発覚したのです。

5.小林メディカルの薬事法違反事例

日本メディカルネクスト

小林製薬の連結子会社「小林メディカル」

小林メディカル事業は、1992年に小林製薬株式会社の医療機器事業部門の1つとして設立され、2010年4月に分社独立しました。
その後2012年に三菱商事株式会社の子会社となり、同年11月に日本メディカルネクスト株式会社に社名変更されました。

日本メディカルネクスト株式会社は医療機器・医療用具の輸入・製造販売をする会社で、大阪市中央区にあり、2015年4月現在で221名の所属員がいます。

違反内容

2011年7月27日、小林メディカルが厚生労働省から薬事法違反により、第一種医療機器製造販売業についての7月28日から8月6日までの10日間の業務停止処分(薬事法75条1項)を受けました。

違反内容は、小林メディカルが、2010年10月に、医療機関向けに開発した「コバメッド ネイルシステム」(体内固定用大腿骨髄内釘)「コバメッド グラスピングピンシステム」(体内固定用ネジ)という2製品について、承認申請資料の中で、繰り返し疲労試験のデータが改ざんされていたことにより、薬事法14条3項に反するというものでした。

第一種医療機器製造販売業

薬事法(現 現医薬品医療機器等法)において、「製造販売」とは、その製造(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を除く。

以下「製造等」という。)をし、又は輸入をした医薬品(原薬たる医薬品を除く。)、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品を、それぞれ販売し、貸与し、若しくは授与し、又は医療機器プログラム(医療機器のうちプログラムであるものをいう。以下同じ。)を電気通信回線を通じて提供すること(2条13項)をいいます。

厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、業として、医療機器の製造販売をしてはなりません(13条1項)。

製造販売業の許可については、第一種医療機器製造販売業許可、第二種医療機器製造販売業許可、第三種医療機器製造販売業許可に分類されており、(23条の2)第一種医療機器製造販売許可は、高度管理医療機器についての製造販売許可です。
高度医療機器の中には、人工心肺装置、人工呼吸器、コンタクトレンズ、除細動器、縫合糸、人工骨などがあります。

6.バイファおよび田辺三菱製薬株式会社の薬事法違反事例

田辺三菱製薬

バイファおよび田辺三菱製薬株式会社

バイファについて

1996年11月1日に、(株)ミドリ十字(現田辺三菱製薬株式会社)の100%子会社として設立されました。
2012年09月05日には田辺三菱製薬株式会社に完全子会社化されています。
医薬品の製造などをする会社で、社名所在地は北海道千歳市です。

田辺三菱製薬について

田辺三菱製薬株式会社は大阪市中央区に所在する会社で、医療用医薬品を中心とする医薬品の製造・販売をする会社です。
2007年10月に田辺製薬と三菱ウェルファーマが合併し、発足しました。

違反内容

厚生労働省は田辺三菱製薬株式会社に対して、薬事法75条1項に基づき、2010年4月17日から5月11日までの25日間、第1種医薬品製造販売業の業務停止(製造販売後安全管理業務及び保健衛生上不可欠な医薬品の供給を除く)および薬事法72条1項・2項に基づく業務改善命令、改善のための是正措置及び再発防止策を講じること等を命じました。

また、株式会社バイファに対しては薬事法75条第1項に基づき2010年4月14日から5月13日まで30日間の医薬品製造業の業務停止・薬事法72条の4に基づく業務改善命令、改善のための是正措置及び再発防止策を講じること等を命じました。

このような厳しい処分がされた理由は、株式会社バイファについては、人血清アルブミン製剤である「メドウェイ注」について、厚生労働省に承認の申請を行った際に、承認申請資料のデータ差し替えるなどして承認を得やすくしたことが薬事法14条3項に反するというものです。

そして、その親会社である田辺三菱製薬株式会社については、製造販売業者として、製造業者である株式会社バイファとの情報共有・伝達などが実務的に機能しておらず、管理監督を十分になさなかった結果、不適切な行為を漫然と見逃し、承認申請資料の信頼性を損ない、適切な製品の製造管理・品質管理を行わせることができなかったとして、薬事法14条2項、第4号違反、薬事法12条の2第1号及び第18条1項違反とされました。

不適切行為と管理監督

今回、直接データの改ざんを行ったのは、株式会社バイファです。
しかし、この株式会社バイファに製造を委託していた親会社である田辺三菱製薬株式会社には、製造販売者として、製造業者を管理監督する責任があります。

また、承認申請データについて不正行為を漫然と見逃し、その結果、薬事法の基準に適合しないデータを提出する結果となったことも、申請基準の信頼性の確保を規定する薬事法の規定に反するのです。

7.テレビショッピング研究所の薬事法違反事例

テレビショッピング研究所

テレビショッピング研究所

株式会社テレビショッピング研究所は、1969年に設立された、生活雑貨などの通信販売会社で、本社は東京都大田区にあります。

違反内容

2007年9月7日、キノコを原料にした健康食品「まるごとはたけしめじ」をがんなどに効能があるかのようにうたって販売したとして、株式会社テレビショッピング研究所の役員と社員が薬事法違反容疑で逮捕されました。

この商品は100カプセル入り1瓶が約1万円で販売されていました。
この商品はがんなどに効果が期待できるとうたっており、疾病の治療に効果があるとして販売されていますので「医薬品」になるのですが、これを医薬品販売の許可を受けずに販売することが薬事法に違反するとされたのです。

医薬品無許可販売

薬事法、現在の医薬品医療機器等法24条は、「薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。」と規定します。

この許可規制に違反した者は、業務停止などの行政処分の他、84条9号で3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれらの併科という罰則が規定されています。

はたけしめじから有効成分を抽出した健康食品のなかには、現在も薬事法の承認を得て販売されているものもあります。
今回の処分は、商品の効能や有効性などが問題ではなく、テレビショッピング研究所が医薬品を無許可で販売したところにあります。

薬事法違反通報先窓口

近年インターネット通販を通した需要が拡大しています。
しかし、医薬品を、インターネットを通して販売するためには、薬局又は店舗販売業の許可が必要です(24条)。

それにも関わらずインターネットでは、そのやり取りの手軽さや、顔を見られず購入できる点から薬事法に違反する商品が販売され、消費者の健康を脅かしています。

そこで厚生労働省は、薬事法に違反している疑いのあるインターネットサイトを発見した場合に、販売サイトの所在地のある地方自治体又は厚生労働省まで連絡するように、ホームページ で呼びかけています。

この通報を機に薬事法違反事例についての調査や捜査が進むことがあります。

まとめ

これまで見てきた事件の中には世間をにぎわしたものもあります。
違反などの態様が人の命に関わることもあることから、厳しい処分が下された事例もありました。一方で、このようなものも違反になってしまうのか、と感じる事例もあったかもしれません。

医薬品や医療機器は人の生命や健康に欠かせないものであるからこそ、薬事法によってさまざまな規制されているのだということが、今回の具体的な事例を見ることによってご理解いただけたのではないでしょうか。

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