一般用(OTC)医薬品を販売するときの広告規制やガイドライン

一般用医薬品(OTC)のインターネット販売に関する新ルールなどを盛り込んだ改正薬事法が、2013年12月に成立しました。

同年1月、最高裁が第1類医薬品と第2類医薬品のネット販売などを原則禁止した厚生労働省の省令に対し、「いずれも改正薬事法の趣旨に適合するものではなく、改正薬事法の委任の範囲を逸脱した違法なものとして無効」との判決を下しました。その間、続いていたOTCネット販売の無法状態に、ようやく一定の歯止めをかける道筋がつきました。

OTCのネット販売が公に解禁されたことに伴って医薬品の広告のあり方もテレビや雑誌だけではなく、インターネット上でいかに効果的な広告を作成するかに注目が集まっています。

ただし医薬品の広告には薬事法(現:医薬品医療機器法)による厳しい規制があります。ここでは広告戦略の基礎となる医薬品広告規制の基本についてご説明します。

9年で年商150億を突破する医薬品通販のノウハウを有料レポートにまとめました。参考にして下さい。

一般用医薬品とは?


一般用医薬品は法律上、次のようなものだと規定されています。

「効能効果において人体に対する作用が著しくないもので、薬剤師その他医薬関係者から提供される情報によって、需要者が自分の判断で選んで購入するもの」

言い方を少し変えますと、一般用医薬品とは、薬局、薬店で売られている、消費者が、薬剤師などの情報を参考にして、自分で選んで購入する大衆薬(市販薬)を指しています。

そのような一般用医薬品は、作用的にも緩和で、安全性が比較的高く、消費者が自分の判断で購入して使用するものですから安全が第一です。その考え方から、原則として、一般用医薬品は、医療用医薬品として長年使用され、効能効果も確認され、安全性が高いと思われる医薬品が大衆薬として承認されるのが普通です。

一般用医薬品は、しばしばOTC薬(over the counter drug)と呼ばれます。薬局、薬店のカウンターで販売される医薬品という意味です。

一般用医薬品は「一般大衆が直接薬局等から購入し、自分の判断で保健衛生や日常的な軽度の疾病の症状改善などの目的で使用する医薬品」ということであり、この一般用医薬品の性格を踏まえ、次のような原則的な考え方がとられています。
①適応は、おおむね軽疾病の治療または予防、もしくは健康増進など
②有効性・安全性が確認されているものであり、作用の強いものではない
③用法や剤形等が、一般大衆が自ら適正に使用できるものであること

近年、この大衆薬について、「スイッチOTC」という言葉が盛んに使用されるようになりました。
これもまたアメリカから入ってきた言葉で、和製英語ではありません。
「Switched-OTC drug」というのが正確な英語です。どういう意味かといいますと、まず「OTC」というのは既に述べたとおり、over the counter drug、つまり店頭のカウンター越しに直接買える医薬品という意味で、OTC医薬品は一般用医薬品を指します。次に「スイッチ」という言葉ですが、switched from the prescription drug、つまり、医療用医薬品から一般用医薬頻に転用した医薬品という意味です。

最近は高齢化が進むにつれ、自分の体は自分で守るという意識が消費者の間に強くなっていますが、そういう声に応えるよい薬はないかと模索されていました。そんな中で「そうだ、医療用医薬品の中に何かいいものがあるはずだ。長い間使用してきて、副作用も少ないし、作用も緩和なものがあるに違いない。そういう薬を医療用医薬品からスイッチしたらどうか」というわけでスイッチOTCという言葉が出てきたわけです。

一般用医薬品を販売するときの広告規制


それでは、医薬品の広告に関する薬事法(現:医薬品医療機器法)の規定をみてみましょう。

誇大広告の禁止

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号) 抜粋

(誇大広告等)
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

第1項は、虚偽、誇大な広告はいけないということです。
医薬品の広告は、率直にいって、昔からややオーバーというか、大げさなものというのが相場でした。落語に、がまの油売りの話があります。四方に鏡を貼りめぐらした箱の中に「がま」を閉じ込めて脂汗を流させ、それを集めて作ったのが「がまの油」、これが何にでも効く、万病に効くという売り文句が有名です。人は病気のときには弱いものですから、あれにも効く、これにも効くといわれるとつい手を出してしまいます。

しかし、医薬品の効能効果は、動物試験データから臨床試験データまでたくさんの試験のデータに基づいて、薬事・食品衛生審議会の専門家が審査して初めて認められるものです。そう簡単に、あれにも効く、これにも効く、すべての病気を治してしまうというようなものがあるはずがありません。

薬の効き目には限界があるのに、それをオーバーに、ときには嘘も交えて広告する、そういう虚偽や誇大にわたる広告は、はっきり明示しないにしても、暗示的でもいけないと条文では規定しています。

第2項は、医師などの専門家がその効果を保証するかのごとき広告を禁じています。
たとえば、テレビのCMで医師のように白衣を着たタレントが出てきて、「これは大変よく効く薬ですから使いましょう」というような広告です。
専門家が言っているのだからと、消費者は信じこんでしまい、必要もない医薬品を使ってしまうことが考えられます。

第3項は、堕胎を暗示したり、わいせつにあたる広告を禁じています。
医薬品というのは、人が本当に悩み、苦しみがあるからこそ使用されるものです。それを興味本位に広告することは許されませんし、医薬品の信頼性にもかかわる問題です。また、堕胎については、資格のある専門の医師に限られ、場合によっては刑法に触れる可能性もあるものだけに法律でも厳しく禁じているわけです。

なお、薬事法(現:医薬品医療機器法)は製薬メーカーや薬局、医薬品販売業者などに直接関係する法律ですが、条文の冒頭に「何人も」とあるように、この広告に関する規定は、製薬関係者だけに限定されるものではありません。この規定は場合によっては広告を掲載する新聞や雑誌、放映するテレビなどの広告媒体に対してもかかってくることも考えられます。

承認前の広告の禁止

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の二十三第一項又は第二十三条の二十五第一項に規定する医薬品、医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

どんな商品でも、発売前の早い時期から広告を始めて、できるだけ知名度を高めておいたうえで商品を売り出すというのが効果的です。しかし、医薬品の場合は、できるだけ早くから広告といっても、薬事法(現:医薬品医療機器法)の承認を得ないうちは広告をしてはいけないというのがこの規定です。

ときどき、新聞のチラシ広告などで、あたかも万病に効くかのような文句を並べたてて宣伝している怪しげな健康食品がありますが、そうした種類の広告ももちろんこの薬事法(現:医薬品医療機器法)の規制の対象となります。

特定の疾病用の一般への広告の禁止

この条文は、医薬品のうち、特定の疾患に関する医薬品の一般への広告を禁ずる規定です。

(特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限)
第六十七条 政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品又は再生医療等製品であつて、医師又は歯科医師の指導の下に使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、厚生労働省令で、医薬品又は再生医療等製品を指定し、その医薬品又は再生医療等製品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品又は再生医療等製品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。

今日では、「がん」は患者に告知されることが多くなりましたが、しかし、なお、がんを告知されることによって精神的なダメージを受ける人は少なくありません。そして、告知されなくても、自分が使用している医薬品が「抗がん剤」であることを知ったことから、絶望的な思いに陥ってしまう人もいます。

そのような事情への配慮から、この規定が設けられました。現在、政令で指定されている疾患は、「がん」、「肉腫」および「白血病」です。

実は、一般への医薬品の広告は、薬事法(現:医薬品医療機器法)ではがんなどの特定疾病の治療薬の禁止規定しかありませんが、厚生労働省は、すべての医療用医薬品について、行政指導(通達)によって、一般への広告を禁止しています。

医薬品の広告は、その広告の仕方によっては、重大な病気をもつ人が、医薬品の使用を誤ったり、また過大に期待して治療の機会を失って手遅れになったり、思わぬ副作用の被害にあったりしかねません。このため法律ではこのような医薬品の広告に厳しい規制の枠をはめているのです。

一般用医薬品を販売するときの広告(規制以外の情報)

以上の誇大広告、承認前の広告、特定疾病の広告禁止の規定を踏まえ、厚生労働省では、さらに細かな広告の在り方について「医薬品等適正広告基準」という通知(OTC医薬品広告ガイドラインとしての位置づけもある)を定めています(昭和55年10月9日薬発第1339号、改正平成14年3月28日医薬発第0328009号)。

一般用医薬品広告の成功事例3つ


一般用医薬品広告の成功事例を3つほど紹介します。いずれも既に確立したブランドについて製品ラインナップの強化、同じブランドでタイプの違う新製品を打ち出すことで、ブランド力の底上げを図る戦略がとられています。

1.大正製薬

大正製薬はOTC分野で幅広いラインナップを擁しており、OTC事業規模は1,300億円を超える最大手企業です。なかでもドリンク剤は同社の主力分野となっています。医薬部外品を合わせたドリンク剤市場では60%強の圧倒的なシェアを確保しています。

直近の販売状況では、主力の「リポビタンD」で若干の減少で推移が続いたものの、カロリーオフタイプの「リポビタンファイン」や就寝前服用を提案した「リポビタンフィール」が好調な推移を示し、リポビタブランドの強化広告戦略が実を結びつつあります。

2.武田薬品工業

武田薬品は日本最大の製薬企業であり、一般用医薬品では、ビタミン剤・ドリンク剤の「アリナミン」ブランドや感冒薬の「ベンザ」、便秘薬の「武田漢方便秘薬」などを主力としています。

直近では、ビタミンB1B6B12主薬製剤の「アリナミンEX」がプロモーション活動の強化と処方強化品である「アリナミンEXゴールド」の新製品効果により対前年比二桁増の大幅な伸長を示すとともに、ドリンク剤・ミニドリンク剤では「アリナミンゼロ7」や「アリナミンR-off」といった新製品でアリナミンブランドの更なる普及に向けた着実な市場が作られ、実績の底上げに寄与しました。

3.第一三共ヘルスケア

第一三共ヘルスケアの主力ブランドとしては総合感冒薬の「ルル」、解熱鎮痛剤「ロキソニンS」、総合胃腸薬「第一三共胃腸薬」などが挙げられますが、近年の同社の実績を牽引しているのは「ロキソニンS」であり、2011年1月の発売以降、医療用医薬品としての高い認知度と積極的な広告宣伝活動、店頭施策により売上拡大を続けています。

一般用医薬品販売の広告違反における罰則・罰金


一般用医薬品販売の広告違反については、以下のとおりに罰則規定が定められています。

第八十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一から三まで (略)
四 第六十六条第一項又は第三項の規定に違反した者
五 第六十八条の規定に違反した者
六から八まで (略)

第八十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一から十四まで (略)
十五 第六十七条の規定に基づく厚生労働省令の定める制限その他の措置に違反した者
十六から二十四まで (略)

まとめ

医薬品の広告に関する薬事法(現:医薬品医療機器法)の規定
✓誇大広告の禁止
✓承認前の広告の禁止
✓特定の疾病用の一般への広告の禁止

市場全体としてはマイナス基調での推移を強いられていますが、景気の回復、中国旅行者の爆買いに伴って高価格帯製品や保健薬などの一部で好調な販売動向が見受けられます。

広告規制を正しく理解し、その中で効果的なブランド展開をしていくことは市場に活力を与える意味でも大きいでしょう。

創業4年で売上を1億⇒30億へ急増させた通販企業の秘密

薬事法ドットコムでは、多数の成功事例があります。
・やずや様・・・売上30億⇒470億
・サニーヘルス様・・・売上70億⇒500億
・新日本製薬様・・・売上30億⇒200億
・美容液I様・・・創業4年で売上30億
など
このような急成長を遂げた通販企業の秘密を知りたくありませんか?
無料メルマガでは、そのような成功企業の秘密を公開しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です