意外と知らない?!化粧品業界の広告宣伝費と原価割合

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化粧品業界は売上に占める広告宣伝費の割合が非常に高く、また、売上に対する原価が低い業界と言われています。

これは、商品の視覚的イメージが重要であるため、実際に商品を使用した例として、有名な芸能人や美しい容姿のモデルを宣伝に起用して、視覚的なイメージ及びブランドのイメージを作り出し、商品価値を高める必要があるからです。

化粧品は、文章や数値的なデータだけでは理解されにくく、見た目が美しいという視覚的な判断や、ブランドの信頼性により、大衆の購買意欲を掻き立てています。この際使われる広告費は莫大で、自動車メーカーや食料品メーカーと比較しても化粧品業界の広告宣伝費率の高さと原価率の低さは歴然です。

今回、化粧品業界のこの広告宣伝費と原価について解説します。

また、広告宣伝費と似た勘定科目に販売促進費があります。販売促進費は広告宣伝費に加えて議論されることもありますが、この販売促進費には販売手数料や販売奨励金などが含まれます。販売手数料、つまり委託販売をした際の手数料等を含んでいるので、今回は除外し、純粋な広告宣伝費に焦点を当てました。

大手化粧品会社の広告宣伝費と原価割合

書類

大手化粧品会社4社の2014年度の売上と原価、広告宣伝費をまとめました。
また、原価と売上及び、広告宣伝費と売上から原価率と広告宣伝費率を算出してあります。花王は連結のみの広告宣伝費のみしかなかったため、グループ全体のデータを記載しています。

そのため、花王の化粧品部門であるビューティーケア事業の原価と広告宣伝費はブランクとなっています。

化粧品会社割合

原価は花王を除きどの会社も売り上げの25%程度でした。原価が25%ということは、ある商品を400円で購入した際、その商品の原価は100円ということです。また、売上と宣伝費の割合は、資生堂とコーセーが7%弱と高かったのに対してポーラは3.9%と低い結果でした。以下にそれぞれの会社について分析しています。

資生堂

資生堂は、日本最大手の化粧品会社です。売上高も一兆円に迫る勢いで、世界中に商品販売を行っています。

国内外での売上を比較してみると、国内が3,656億円に対して海外が4,121億円と、海外での売り上げが国内よりも大きくなっており、グローバル企業であると言えるでしょう。最近では中国での事業がうまくいっておらず、中国事業の立て直しの最中です。

資生堂の系列には70以上ものブランドがあり、それぞれのブランドでブランド戦略を行っています。特に、海外での販路が確立されているために、日本ではなじみの薄い海外向けのブランドも数多くあります。当面の経営目標は、海外市場、特に中国市場の立て直しにフォーカスされており、2013年と2014年の広告宣伝費を比較した場合、国内では減少しているのに対して、海外では大幅に増加していることからもうかがえます。つまり、海外でのブランド定着のために多額の広告宣伝費が使用されているのです。

参照:資生堂HPの決算書

花王(ビューティーケア事業)

花王はビューティーケア事業の他にヒューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業のコンシューマープロダクツ事業と化学薬品を扱うケミカル事業があります。今回のデータは、これら事業の連結のデータです。

ビューティーケア事業のみでは5,899億円もの売上があり、化粧品業界では資生堂に次ぐ国内第2位のシェアを誇ります。ビューティーケア事業の売上の約7割が国内であり、国内向けの化粧品がメインです。

グループ全体での原価率は45.1%と高く、これは化粧品以外の原価率が高いために、全体的に高くなっていることを意味しています。

参照:花王HPの決算書

コーセー

コーセーは世界的には知名度は低く、商品の80%以上は日本国内市場で販売されています。しかし、近年では、欧米の化粧品会社であるタルトの買収を始めとし、欧米市場の開拓を行っており、徐々に売り上げを増やしています。2014年の3月期の欧米の売上は0.3%しかなかったのが、2015年3月期には4.1%にまで増加しています。

特に数年前から実施されている社内改革により、2011年以降業績はV字回復しており、2011年に比べて2014年の営業利益は20%程度増益となっています。国内外ともシェアは拡大傾向にあります。

国内市場では雪肌精などに注力し、テレビCMに様々な人気女優を起用していて話題になっています。世界市場への進出に伴い、ブランドイメージを作り出すことが急務となっており、中期的な経営戦略には、世界に通用するブランドの育成が掲げられており、多額の広告宣伝費が使用されています。

参照:コーセー決算書

ポーラ・オルビスホールディングス

ポーラは売上に対する広告宣伝費が最も低くなっています。この理由は、ブランド数が少ないためであると推測されます。

ポーラの国内外の化粧品関係のブランド数は10です。資生堂の73とは7倍の差があります。かけている広告宣伝費も資生堂が532億に対してポーラが72億と約7倍の差があります。

したがって、1ブランドあたりにかけている広告宣伝費はポーラも資生堂もほぼ等しいことになります。このブランド数の少なさが広告宣伝費を低くしている要因であると考えられます。

また、ポーラは委託販売制度という独特の販売方法も行っています。いわゆるポーラレディーのことです。ポーラレディーに登録することで、個人でポーラ社製の商品の販売が可能となります。あなたの近くにもポーラレディーの方はいませんか?

この費用が販売手数料として計上されており、2014年度では459億円です。売上1,845億円に対して約25%が販売手数料となっています。この個人を介した独特の流通経路に基づき支払われた手数料が原価を下げている一因であると言えるでしょう。

ポーラはその独特のビジネスモデルにより、他社とは少々異なる収益構造をしており、この結果、原価率と広告宣伝費率に他社との差異を形成しています。

参照:ポーラ・オルビスホールディングス決算書

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化粧品業界と他業界の比較

他業種との比較のため、日本最大の会社であるトヨタ自動車と、カップヌードルで有名で、よくテレビのCMで見かける日清食品の原価率と広告宣伝費率のデータを載せます。データは2014年の決算書から引用しています。

他業界比較

トヨタ自動車の原価率を見てみると、76.8%と非常に高いですよね。
自動車を一般家庭でも購入できるように低価格で販売するために、極力コストカットを行った結果であると言えるでしょう。

素晴らしい企業努力の賜物です。
一方の売上に対する広告宣伝費ですが、1.6%と低いものの、広告宣伝費自体は4,351億円と金額は高いです。ちなみに日産自動車は3.0%で3,367億円です。

広告宣伝費の割合は低くても、広告は十分になされており、すでに世界のトヨタとしてブランドイメージも確立されています。しかし、化粧品業界と比較すると、原価率は非常に高く、広告宣伝費率は非常に低いです。

食品会社からは日清食品をのせています。日清食品はカップヌードルに代表される食品メーカーで、テレビCMでもよく見かけますよね。しかし、化粧品業界と比較して原価率は56.4%と高く、広告宣伝費も2.9%と低くなっています。

食品と化粧品を一緒にするのは少々乱暴かもしれないが、両者の製造過程と販売ルートはよく似ています。原料を調達して工場で加工し、検査後に出荷して店頭に並べられます。

この際、同じスーパー内で雪肌精もカップヌードルも購入できます。しかも、両者ともにテレビのCMで見かける商品です。しかし、日清食品の原価率56.4%と、化粧品業界の原価率約25%と二倍以上の明確な差異が出ています。この違いはどこからきているのでしょうか?それはブランドに対する宣伝費や店舗や人件費、商品の回転率です。

カップラーメンは食品なので、化粧品に比べて消費が早く回転率が良いです。スーパーの棚に陳列していても商品はよく売れますので、その分大量生産、大量消費が可能となります。大量に生産し、大量に消費されるので価格が下がります。結果、原価率が上がっても利益が確保されるのです。

一方の化粧品は、一瓶を使い切るのに数週間から数か月かかるので、回転率は低いです。これにより原価率を上げると、採算が取れずに赤字になってしまうので、原価率は低くなります。

化粧品各社は大都市の一等地のデパート等に専用の化粧品販売店舗を持っており、この店舗及び人件費にコストがかかっています。つまり、カップヌードルは出荷すれば後はスーパーやコンビニの店頭に並ぶだけですが、化粧品には顧客に対する説明や相談、実演など出荷後のケアも必要なのです。ケアが無ければ信用は生まれず、客から見向きもされない。この客からの信用を生み出す重要な要素の一つがブランドイメージです。

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なぜ広告宣伝費割合が多いのか?


化粧品業界のみならず、どの業界でもブランドイメージは非常に重要です。
CMで起用されている美しい女優と同じ商品を使っているという連帯感や、理想的な美しさへの憧れ等は購買意欲を掻き立てるので非常に重要です。

さらに、ブランドとして定着すれば商品に対する信用につながります。また、ブランドイメージが良ければ、同じ色と形状のカバンでも有名ブランド名を付ければ、商品の値段はたちまち跳ね上がります。

これは様々な有名ブランドに似せた海賊品が横行していることからも明らかです。人々はブランドという抽象的なイメージに弱いのです。このため、各社ともブランドイメージを定着させるために多額の広告宣伝費を使用します。

人気女優に高額の報酬を支払い、テレビ局にCM料を支払いテレビで宣伝します。そして、話題を作り、人の注目を集め、商品を売るとともに、ブランド自体の価値も上げます。

この商品宣伝のみならず、ブランド育成も行うために、化粧品業界の売上に対する広告宣伝費の割合が高いのです。

大手化粧品会社の具体的な広告例

①マキアージュ ルージュ篇 「レディレッドの唇」

資生堂が展開する大人向けの化粧品を扱うブランド、マキアージュ。

②雪肌精「素肌でいるより」篇

コーセーの人気商品、雪肌精のCM。

③資生堂 シャンプー TSUBAKI「髪切るのやめた」篇

資生堂のシャンプー、TSUBAKIのCMです。
TSUBAKIは、もうお馴染みですよね。

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まとめ

化粧品業界は、原価率が低く、広告宣伝費が高いと言われています。
これは、単純に商品を売るための宣伝のみならず、ブランドイメージの維持向上のために使用される金額が高いためです。

化粧品でビジネスを考えている方・行っている方は、参考にしてください。

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