届出番号 A93
商品名 ほっと食事の生茶
届出者名 キリンビバレッジ株式会社
届出日 2015/08/13
変更日 2019/09/27
撤回日
販売中 販売休止中
食品の区分 加工食品(その他)
機能性関与成分名 難消化性デキストリン(食物繊維)
表示しようとする機能性 本品には難消化性デキストリン(食物繊維)が含まれます。難消化性デキストリンは、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させるとともに、糖の吸収をおだやかにするため、食後の血中中性脂肪や血糖値の上昇をおだやかにすることが報告されています。さらに、おなかの調子を整えることも報告されています。本品は、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になる方、おなかの調子をすっきり整えたい方に適した飲料です。
当該製品が想定する主な対象者 ■脂肪の多い食事を摂りがちな方
■食後の血糖値が気になる方
■おなかの調子をすっきり整えたい方
一日当たりの摂取目安量 お食事の際に1 本(345ml)、1 日1 回を目安にお飲みください。
一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量 機能性関与成分:難消化性デキストリン(食物繊維として)5g
保存の方法 直射日光をさけて保存してください。
摂取の方法 食事と一緒にお召し上がりください。
摂取をする上での注意事項 多量に摂取することにより、疾病が治癒するものではありません。飲みすぎ、あるいは体質・体調により、おなかがゆるくなることがあります。
調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項
消費者庁URL https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=41909270230301

安全性に関する基本情報

安全性の評価方法

■食経験の評価により、十分な安全性を確認している。
■安全性に関する既存情報の調査により、十分な安全性を確認している。

当該製品の安全性に関する届出者の評価

①喫食実績による食経験の評価
当該製品「ほっと食事の生茶」(緑茶飲料)についての販売実績はないが、当該製品と同じ機能性関与成分を同等量含有する飲料として「キリン午後の紅茶ストレートプラス」、「キリンメッツコーラ」等がある。現在販売している「キリンメッツコーラ」の1日摂取目安量は480 mL(1本)であり、480 mL中に関与成分である難消化性デキストリンを5 g配合している。本製品は2012年4月24日の発売以来、日本全国での流通実績があり、幅広い年齢層のお客様に飲用されており、2014年12月末時点で累計約4億本の販売実績がある。本製品摂取による重大な健康被害は報告されていない。

②既存情報を用いた食経験の評価
難消化性デキストリンはトウモロコシデンプン由来の食物繊維であり、原料であるデキストリンは米国でGRAS(一般に安全と認められる食品)に分類されている。難消化性デキストリンを使用した特定保健用食品は、377品目(平成27年7月22日時点)が許可されおり、清涼飲料水、粉末清涼飲料、味噌汁、ゼリー、米飯等の食品に幅広く使用されている。国立健康・栄養研究所のデータベースにおいて特定保健用食品の安全性に関する情報が開示されている。その中で難消化性デキストリンを関与成分とし、当該製品と同カテゴリーである緑茶飲料として「京優茶緑茶」、「健茶王緑茶」、「緑の力茶」、「クロスタニンのお茶」、「グルコケア粉末スティック」、「グルコケア粉末スティック濃い茶」が収載されている。これらの製品の難消化性デキストリンの1日摂取目安量は4.4~13.2 gであり、当該製品と同等以上である。
以上のことより、難消化性デキストリンには十分な食経験があると評価した。

③既存情報を用いた安全性試験の評価
難消化性デキストリンの安全性は、安全性試験でも確認されている。微生物を用いて発がん性の有無を簡便に評価できる試験において陰性結果が報告されている。ラットを用いた急性毒性試験では、1回に体重1 kgあたり20 g以上(体重50 kgのヒトで1 kg摂取相当)を摂取させても死亡例がないことが報告されている。ラットに難消化性デキストリンを5週間毎日摂取させても異常は報告されていない。また、ヒトに難消化性デキストリンを含む緑茶飲料を摂取させた臨床試験(13.2~27 g/日を12週間摂取)も複数あり、その安全性が確認されている。なお、難消化性デキストリンと医薬品との相互作用に関する報告は、各種データベースを調査したが、当該製品摂取で問題となるような報告は無かった。

機能性に関する基本情報

機能性の評価方法

■最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。

当該製品の機能性に関する届出者の評価

①タイトル:
難消化性デキストリンの血中中性脂肪上昇抑制効果、血糖値上昇抑制効果、及び整腸効果の検証

②目的:
難消化性デキストリン(以下、「難デキ」と示す)が配合された食品を摂取した場合の下記効果を確認することを目的とする。そのため、研究レビューとして、健常な成人男女を対象として、難デキを含まない食品と比較した国内外の論文を広く調査して、下記効果の科学的根拠を評価した。

・血中中性脂肪の上昇を抑制する効果(血中中性脂肪上昇抑制効果)
・血糖値の上昇を抑制する効果(血糖値上昇抑制効果)
・お腹の調子を整える効果(整腸効果)

③背景:
【血中中性脂肪上昇抑制効果、血糖値上昇抑制効果】
生活習慣病の中でも、心筋梗塞や脳梗塞等の動脈硬化性疾患を主とする心疾患や脳血管疾患は、日本人の全死因の約30%を占めており、動脈硬化性疾患への対策を検討することは、国民の健康維持にとって非常に重要であると考える。一方、動脈硬化性疾患の主要な危険因子として、食後高脂血症等の脂質代謝異常症や、食後高血糖が挙げられている(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版、厚生労働省eヘルスネット)。
そこで、これらの抑制に繋がる効果を持つ食品を提供することは、日本人の健康維持に役立つと考えた。

【整腸効果】厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、便秘で悩んでいる人の割合は、男性2.5%、女性5.1%で、1998年の1.9%、4.7%に比べて増加している(厚生労働省国民生活基礎調査2010年 )。
便秘と食物繊維については、一般に関連性があると言われており、厚生労働省の報告においても、食物繊維の摂取が便秘症への対策の一つとして挙げられている。また、国民健康・栄養調査と日本人の食事摂取基準のデータから、日本人の食生活に4~5gの食物繊維が不足していることが確認できる(国民健康・栄養調査平成24年、日本人の食事摂取基準2015年 )。
そこで、食物繊維を摂取できる食品を提供することは、日本人の健康維持に役立つと考えた。

【機能性関与成分(難デキ)の選定】
食物繊維の一つである難デキには、上記の三つの効果を調査した臨床試験の論文が多数報告されていることから、当該製品の機能性関与成分に選定した。
<血中中性脂肪上昇抑制効果:A>
④-A 研究レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年9月25日(和文)、2015年9月25日(英文)
検索対象期間:1966~2015年対象集団の特性:健常人もしくは、血中中性脂肪値がやや高めの方*
最終的に評価した論文数:14
報研究デザイン:臨床試験全般
利益相反情報:キリン株式会社で研究レビューを実施
*やや高めの方:特定保健用食品の試験対象の空腹時血中中性脂肪値が 150~199mg/dlの者

⑤-A 主な結果脂肪を含む食事とともに難デキを摂取した場合に、血中中性脂肪の上昇を抑える効果があると報告した論文が14報であり、効果がないとする論文はなかった。なお、健常な被験者(空腹時血中中性脂肪:150mg/dl未満)のデータに絞って分析した論文については1報あり、その1報は効果があると報告したものであった。

⑥-A 科学的根拠の質評価した全ての論文の研究デザイン(試験方法等)が、血中中性脂肪上昇抑制効果を調査する目的に適合していることを確認した。正確性の観点から研究デザインの質(例:臨床試験のランダム割り付け※1、盲検化※2)を評価したところ、最も質が高いレベルと判断できた論文は14報中12報であり、臨床試験の規模(例:被験者数)は、総じて一般的に実施される食品摂取試験と同等であった。
また、血中中性脂肪上昇抑制効果が確認された論文が14報中14報全てであることから、効果があるという結果には一貫性があると判断した。効果がないという一部の研究成果が、論文として出版されていない可能性はあるが、その点については確認できなかった。
これらのことから、今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した。
なお、健常な被験者(空腹時血中中性脂肪:150mg/dl未満)のデータに絞って分析した論文が1報あり、これを健常な被験者に関する論文として別途定性評価を行ったが、この場合も科学的根拠の質は確保されていると評価した。
※1 ランダム割り付け:試験食品或いはプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)のいずれかを、乱数表等を用いて被験者に割り付ける方法。
※2 盲検化:被験者が摂取する食品が、試験食品かプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)が分からないようにすること。

⑦-A 結論以上のことから、脂肪を含む食事とともに摂取した場合、難デキの血中中性脂肪上昇抑制効果には科学的根拠があると評価した。

<血糖値上昇抑制効果:B>
④-B 研究レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年5月15日(和文)、2015年5月18日(英文)
論文の検索対象期間:1966~2015年
対象集団の特性:健常な成人男女(疾病との境界領域*を含む)
最終的に評価した論文数:56報
研究デザイン:臨床試験全般
利益相反情報:キリン株式会社で研究レビューを実施
*境界領域:特定保健用食品の試験対象の空腹時血糖値 110~125mg/dlの方

⑤-B 主な結果糖質を含む食事とともに難デキを摂取した場合に、血糖値上昇抑制効果があるとした論文は55報であり、効果がないとする論文は1報であった。

⑥-B 科学的根拠の質血糖値上昇抑制効果の検証という目的に、1報を除き評価した全ての論文の研究デザイン(試験方法等)が適合していることを確認した。正確性の観点から研究デザインの質を評価したところ、最も質が高いレベルと判断できた論文は56報中27報であり、臨床試験の規模(例:被験者数)は、総じて一般的な食品摂取試験と同等であった。
また、血糖値上昇抑制効果が確認された論文が56報中55報であることから、効果があるという結果には一貫性があると判断した。効果がないという一部の研究成果が、論文として出版されていない可能性はあるが、その点については確認できなかった。
これらのことから、今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した。
なお、被験者の空腹時血糖値が110mg/dl未満と明記されている論文が4報あったことから、これら論文を健常な被験者に関する論文として別途定性評価を行ったが、この場合も科学的根拠の質は確保されていると評価した。

⑦-B 結論以上のことから、食事とともに摂取した場合に、難デキの血糖値上昇抑制効果には科学的根拠があると評価した。

<整腸効果:C>
④-C 研究レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年5月19日(和文)、2015年5月19日(英文)
検索対象期間:1966~2015年対象
集団の特性:健常な成人男女
最終的に評価した論文数:31報
研究デザイン:臨床試験全般
利益相反情報:キリン株式会社で研究レビューを実施

⑤-C 主な結果難デキに便通改善効果(整腸効果)があると報告した論文は30報であった。
なお、この中には被験者全体では統計学的に効果が確認できなかったものの、便秘傾向者に限定した場合に統計学的に効果が認められた論文も含まれる。効果がないとする論文は1報であった。

⑥-C 科学的根拠の質評価した全ての論文の研究デザイン(試験方法等)が、整腸効果を調査する目的に適合していることを確認した。正確性の観点から研究デザインの質(例:臨床試験のランダム割り付け*1、盲検化*2)を評価したところ、最も質が高いレベルと判断できた論文は32報中12報であり、臨床試験の規模(例:被験者数)は、総じて一般的な食品摂取試験と同等であった。
また、定性的評価に供した論文31報の内、整腸効果が確認された論文が30報であることから、効果があるという結果には一貫性があると判断した。効果がないという一部の研究成果が、論文として出版されていない可能性はあるが、その点については確認できなかった。
これらのことから、今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した。
*1 ランダム割り付け:試験食品或いはプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)のいずれかを、乱数表等を用いて被験者に割り付ける方法。
*2 盲検化:被験者が摂取する食品が、試験食品かプラセボ食品(機能性関与成分が含まれない食品)が分からないようにすること。

⑦-C 結論以上のことから、難デキの整腸効果には科学的根拠があると評価した。

(構造化抄録)