届出番号 | G726 |
商品名 | 小麦ブラン |
届出者名 | 日清フーズ株式会社 |
届出日 | 2021/10/11 |
変更日 | – |
撤回日 | – |
販売中 | 販売休止中 |
食品の区分 | 加工食品(その他) |
機能性関与成分名 | 小麦由来アラビノキシラン |
表示しようとする機能性 | 本品には小麦由来アラビノキシランが含まれます。小麦由来アラビノキシランは善玉菌(酪酸菌)を増やすことで、腸内環境を改善することが報告されています。また、小麦由来アラビノキシランは食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが報告されています。 |
当該製品が想定する主な対象者 | 腸内環境を改善したい健常成人、食後の血糖値が気になる健常成人 |
一日当たりの摂取目安量 | 一日1回16gを目安に召し上がってください。 |
一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量 | 機能性関与成分名:小麦由来アラビノキシラン 含有量:2.7g |
保存の方法 | 高温多湿の場所を避けて保存してください。 |
摂取の方法 | 加熱調理してお食事としてお召し上がりください。 |
摂取をする上での注意事項 | 一度に多量に食べた場合、又は体質・体調により、おなかがゆるくなることがあります。多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。一日当たりの摂取目安量を超えての摂取はお控えください。 |
調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項 | 無 |
消費者庁URL | https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42107130740102 |
安全性に関する基本情報
安全性の評価方法
■喫食実績の評価により、十分な安全性を確認している。
■既存情報による食経験の評価により、十分な安全性を確認している。
当該製品の安全性に関する届出者の評価
①喫食実績に基づく安全性の評価
小麦由来アラビノキシランは、小麦由来の食物繊維の主成分であり、食用小麦ブランや小麦全粒粉に天然に含まれている。原料メーカー(日清製粉株式会社)は30年以上にわたって食用小麦ブランおよび小麦全粒粉を販売しており、これまでに重篤な健康被害の報告はない。喫食実績は十分と考えているが、小麦ブランについて既存情報による安全性の評価も併せて実施した。
②既存情報に基づく安全性の評価
小麦ブランの安全性については以下の情報がある。
・適切に摂取する場合、おそらく安全である。摂取により、鼓腸や胃腸の不快感を引き起こす可能性がある。
機能性に関する基本情報
機能性の評価方法
■最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。
当該製品の機能性に関する届出者の評価
1.整腸作用
①標題
小麦由来アラビノキシランによる健常成人に対する善玉菌を増やし、腸内環境を改善する効果(以下、整腸作用)の機能性に関するシステマティックレビュー
②目的
健常な成人に対する、小麦由来アラビノキシランの摂取による整腸作用について、ヒト試験論文のシステマティックレビュー(SR)に基づいて評価するとともに、小麦由来アラビノキシランの有効投与量を推定することを目的とした。
③背景
食物繊維の摂取は、腸内環境を整えることによる便通の改善、血糖値上昇の抑制など、健康にとって良い効果をもたらすことが知られてきた。しかし、近年の日本においては食の欧米化などにより、食物繊維の摂取量が減少傾向にあり、日本人の成人(20-64歳)においては1日男性21g以上、女性18g以上の食物繊維摂取が目標とされている(日本人の食事摂取基準2020年版)ところ、実際の摂取量は、平均15.0g(平成30年国民健康・栄養調査報告)と低く、食物繊維の摂取量を増やすことが健康の維持増進には望ましいと考えられる。
小麦食物繊維の主要成分である小麦由来アラビノキシランは、主に不溶性食物繊維であるヘミセルロースの一種である。食物繊維の中でも特にお腹の調子を整える効果が高いこと、食品としての安全性が高いことなどから、これまで特定保健用食品の成分としても使用されてきた。これまで小麦由来アラビノキシランの整腸作用についての研究レビューは実施されていない。
④レビュー対象とした研究の特性
PubMed、The Cochrane Libraryおよび医中誌Webの3つのデータベースを使用し、健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)を対象に小麦由来アラビノキシランを用いて整腸作用について調査したランダム化比較試験及び準ランダム化比較試験を中心とした臨床試験(ヒト試験)を収集した。そして、3報の臨床試験の文献が採用された。健常成人に小麦由来アラビノキシランを摂取させることで、整腸作用(アウトカム:糞便中の微生物(腸内細菌)、糞便中の短鎖脂肪酸量、排便量、および排便回数、排便日数)に関する機能性において肯定的な結果が報告されていた。採用された3報について、アウトカムを評価し、総合的に機能性の根拠となるかどうかについて検証した。そして、いずれも日本で研究が実施され報告されているため、この結果は日本人への外挿性に問題ないと判断した。
⑤主な結果
小麦由来アラビノキシランを2.1g/日摂取することで、善玉菌に属する酪酸菌が増加、糞便中の短鎖脂肪酸量が増加したことから腸内環境が改善すること、および排便量、排便回数、排便日数が増加することが確認された。よって、一日当たり2.1gの小麦由来アラビノキシラン摂取は整腸作用が期待できるものと考える。
⑥科学的根拠の質
採用した文献は3報であり「糞便中の微生物(腸内細菌)」「糞便中の短鎖脂肪酸量」「排便量」「排便回数」「排便日数」の各アウトカムにおいてプラセボ群と比較して統計学的に有用な効果が確認された。これらの「整腸作用」について、小麦由来アラビノキシラン摂取による機能性が認められた報告における1日あたりの摂取量は1.5g-2.9gであった。これら採用文献のエビデンス総体についてバイアスリスクは「中」-「低」、またエビデンスの強さは「中」とした。評価した文献3報はいずれも、リサーチクエスチョンに対して肯定的な文献であり、プラセボ群との比較で統計学的に有意な効果が確認されていた。以上により、Totality of Evidenceの観点から「整腸作用」に関し、小麦由来アラビノキシランによる有用性は肯定的であると判断した。なお、投与量については、計算値(1.5g、1.7g)を除外し、明確な投与量が判明している2.1gを下限値とした。
本レビューの限界として、サンプリングバイアス(被験者の偏り)があるが、それはシステマティックレビューに共通する限界である。また、文献数が少ないことから出版バイアスは検討していないため完全には否定できないが、後発の報告により本研究レビューの結論が大きく変更される可能性は低いと判断した。以上、本研究レビューの結果から、小麦由来アラビノキシランの整腸作用(善玉菌を増やし、腸内環境を改善する効果)には科学的根拠があると判断した。
2.食後の血糖値上昇抑制効果
①標題
小麦由来アラビノキシランによる健常成人に対する食後の血糖値上昇抑制効果に関するシステマティックレビュー
②目的
健常な成人に対する、小麦由来アラビノキシランの摂取による食後の血糖値上昇抑制効果について、ヒト試験論文のシステマティックレビュー(SR)に基づいて評価するとともに、小麦由来アラビノキシランの有効投与量を推定することを目的とした。
③背景
食物繊維の摂取は、腸内環境を整えることによる便通の改善、血糖値上昇の抑制など、健康にとって良い効果をもたらすことが知られてきた。しかし、近年の日本においては食の欧米化などにより、食物繊維の摂取量が減少傾向にあり、日本人の成人(20-64歳)においては1日男性21g以上、女性18g以上の食物繊維摂取が目標とされている(日本人の食事摂取基準2020年版)ところ、実際の摂取量は、平均15.0g(平成30年国民健康・栄養調査報告)と低く、食物繊維の摂取量を増やすことが健康の維持増進には望ましいと考えられる。
小麦食物繊維の主要成分である小麦由来アラビノキシランは、主に不溶性食物繊維であるヘミセルロースの一種であり、メタボリックシンドローム指標の改善効果があることが知られている。これまで小麦由来アラビノキシランの食後の血糖値上昇抑制効果についての研究レビューは実施されていない。
④レビュー対象とした研究の特性
PubMed 、The Cochrane Library、J DreamIIIの3つのデータベースを使用し、健常成人(妊産婦、授乳婦は除く)を対象に小麦由来アラビノキシランを用いて
食後の血糖値上昇抑制効果について調査したランダム化比較試験(ランダム化比較試験)及び準ランダム化比較試験を中心とした臨床試験(ヒト試験)を収集した。そして、3報の臨床試験(ヒト試験)の文献が採用された。採用された3報について、アウトカムを評価し、総合的に機能性の根拠となるかどうかについて検証した。健常成人に小麦由来アラビノキシランを摂取させると、食後の血糖値上昇抑制効果に関する機能性において肯定的な結果が報告されていた。また、3報のうち1報は日本で実施された研究であり、レビュー結果の日本人への外挿性に問題はないと判断した。
⑤主な結果
本研究レビューにおいて、小麦由来アラビノキシラン2.7g-7.6g/食摂取することで、食後の血糖値上昇を抑制する効果が確認された。よって、2.7g/食の小麦由来アラビノキシラン摂取は、「食後の血糖値上昇をゆるやかする」効果が期待できるものと考える。
⑥科学的根拠の質
採用した論文は3報で、それぞれ評価者の主観の入らない指標が用いられており、「血糖値」のアウトカムにおいてプラセボ群と比較して統計学的に有用な効果が確認された。これらの「血糖値上昇抑制効果」について、小麦由来アラビノキシラン摂取による機能性が認められた報告における1日あたりの摂取量は2.7g-7.6gであった。これら採用文献のエビデンス総体についてバイアスリスクは「低」、またエビデンスの強さは「中」と評価した。評価した文献3報はいずれも、リサーチクエスチョンに対して肯定的な文献であり、プラセボ群との比較で統計学的に有意な効果が確認されていた。以上により、Totality of Evidenceの観点から「血糖値上昇抑制効果」に関し、小麦由来アラビノキシランによる有用性は肯定的であると判断した。なお、投与量については、最小量である2.7gを下限値とした。
本レビューの限界として、サンプリングバイアス(被験者の偏り)があるがそれはシステマティックレビューに共通する限界である。また、文献数が少ないことから出版バイアスは検討していないため完全には否定できないが、後発の報告により本研究レビューの結論が大きく変更される可能性は低いと判断した。以上、本研究レビューの結果から、小麦由来アラビノキシランの「食後の血糖値の上昇を抑制する効果」には科学的根拠があると判断した。