美食家の知恵 プレーン
届出番号 I702
商品名 美食家の知恵 プレーン
届出者名 クラシエホールディングス株式会社
届出日 2023/09/14
変更日
撤回日
販売中 販売休止中
食品の区分 加工食品(その他)
機能性関与成分名 イヌリン
表示しようとする機能性 本品にはイヌリンが含まれています。イヌリンは血中中性脂肪を下げること、食後の血糖値の上昇をゆるやかにすることが報告されています。さらに、イヌリンは善玉菌として知られているビフィズス菌を増やすことで、お腹の調子を整えることが報告されています。
当該製品が想定する主な対象者 血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方
一日当たりの摂取目安量 血中中性脂肪を下げたい方は一日2袋を目安に、食後の血糖値が気になる方は1回1袋を目安に一日2回まで、お腹の調子を整えたい方は一日1袋を目安に、お召し上がりください。
一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量 機能性関与成分名:イヌリン
含有量:1袋当たり5.4g、2袋当たり10.8g
保存の方法 直射日光、高温、多湿を避け常温で保存してください。
摂取の方法 飲み物に溶かしてお召し上がりください。
摂取をする上での注意事項 本品は多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。また、摂り過ぎ、あるいは体質・体調により、お腹が張ったり、ゆるくなる可能性があります。血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が気になる方、お腹の調子を整えたい方それぞれの一日摂取目安量を守ってお召し上がりください。
調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項
消費者庁URL https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42307070410102

安全性に関する基本情報

安全性の評価方法

■既存情報による安全性試験結果の評価により、十分な安全性を確認している。

当該製品の安全性に関する届出者の評価

①喫食実績を用いた安全性の評価
当該食品(商品名:美食家の知恵 プレーン)は、機能性関与成分イヌリン を 1 袋当たり 5.4g 配合した粉末食品であり、一日摂取目安量は 1 袋(イヌリンとして 5.4g)もしくは 2 袋(イヌリンとして 10.8g)である。
当該食品と同一の配合の食品の喫食実績としてはあるものの、未だ販売個数としては十分に多いとは言えないため、(下記参考情報 1)、喫食実績による食経験の評価は不十分と判断した。

参考情報 1)子会社であるクラシエフーズ株式会社では、当該食品と同様の配合で、1食あたり機能性関与成分「イヌリン」を1 本当たり5.4 g 含有し、一日に2 本の摂取を推奨している製品を2019年1月から2023年6月までに約11万食を販売しており、幅広い年齢層の男女に飲用されているが、重大な健康被害等の報告は寄せられていない。

②既存情報を用いた安全性試験の評価
国立健康・栄養研究所等のデータベースでイヌリンの8~14 g/日及び40 g/日までの摂取は問題ないと評価されている。さらに、いくつかの臨床試験から総合して、70 g/日までのイヌリン摂取においても問題がないと評価されている。このことから、当該製品を一日摂取目安量摂取した場合、人の健康を害するおそれはないと判断できる。

③イヌリンのアレルギーに関する評価
国立健康・栄養研究所等のデータベースでイヌリンのアレルギー性に関する記載があり、イヌリン製品中に残存する原料由来のタンパク質の関与が示唆されているが、当該製品の原料であるイヌリン(製品名:Fuji FF)は、アレルゲンフリーである砂糖から製造しており、製造工程中にアレルゲンになるような原料は使用していないことから、当該製品では報告されているようなアレルギー反応は起こらないと判断できる。

④医薬品との相互作用に関する評価
国立健康・栄養研究所のデータベースにおいて、イヌリン摂取によってカルシウムの吸収が促進されることを示唆している。カルシウムは、保険適応となる薬剤などがあり、厚生労働省の食事摂取基準で耐用上限量が定められている。このことから、イヌリンの摂取によりカルシウムの吸収が促進されることで、カルシウムの過剰摂取につながる可能性を検討したが、耐容上限量を上回るカルシウムの吸収量増加は起こらないと考えられる。

機能性に関する基本情報

機能性の評価方法

■最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。

当該製品の機能性に関する届出者の評価

【イヌリンの血中中性脂肪を下げる機能について】
(ア)標題
イヌリンの血中中性脂肪低下作用に関する研究レビュー(定性的レビュー)
(イ)目的
「イヌリンを含む食品を、疾病に罹患していない者または血中中性脂肪値がやや高めの者が摂取することにより、血中中性脂肪値を下げるか」を明らかにすることを目的とした。
(ウ)背景
イヌリンの生理機能性に関しては、様々な報告があり、血中中性脂肪低下作用についても多数、論文化されている。研究成果全体をまとめたレビューに関しては、イヌリンの血中中性脂肪低下作用について、15報の文献を対象にメタ解析が実施され、血中中性脂肪値の有意な減少が報告されている(Brighenti F., J Nutr. 2007 Nov;137(11 Suppl):2552S-2556S)。しかし、このメタ解析では疾病に罹患している者を対象とした試験などが含まれており、機能性を表示するための研究レビューとしては適格ではないと判断し、新たに研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
『PubMed』『CENTRAL』『医中誌』をデータベースとして用い文献検索を2017年2月に実施した。検索対象期間は制限せず、言語は英語および日本語とし、対象集団は疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)または血中中性脂肪値がやや高め(血中中性脂肪値150~199 mg/dL)の者とし、イヌリンを含む食品の摂取による血中中性脂肪値の変化を検討した介入試験を対象にして、研究レビューを実施した。加えて正常血中中性脂肪値を示す被験者のみを対象に試験を実施した文献を別途定性評価した。なお、成人の基準が国によって異なるため、成人か未成年者の判断は実施国における成人の基準に則ることとし、採用の可否を判断した。
(オ)主な結果
抽出された6報の文献を用いて定性的レビューを行った結果、6報中4報の論文が肯定的であった。その際のイヌリン摂取量は8.1~11.0 g/日であった。また正常な血中中性脂肪値を示す被験者のみを対象とした文献は6報中4報で、そのうち2報で有意な血中中性脂肪低下作用を示したが、その他の2報では血中中性脂肪値の低下は認められなかった。更に、低下作用の認められた2報の論文においても、その低下度は小さく、正常範囲内に維持されていた。このことより、正常血中中性脂肪値を示す者がイヌリンを摂食した場合、血中中性脂肪値は正常範囲内に維持されるものと判断された。
(カ)科学的根拠の質
研究デザインの質を評価したところ、6報中4報は研究の質が最も高いレベル(バイアスリスクが低い)と判断した。研究の限界に関して、評価した6文献はいずれも外国人を対象としていることから、日本人への外挿性が懸念されたが、日本人の糖尿病患者を対象にイヌリンを摂取させた試験においても、本研究レビュー結果とほぼ同様な結果が認められることより、日本人への外挿性については問題ないと考えられた。これらのことから、本研究レビューの科学的根拠の質は確保されていると判断した。以上、本研究レビューの結果から、イヌリンの血中中性脂肪低下作用には科学的根拠があると判断した。

【イヌリンの食後血糖の上昇を抑える機能について】
(ア)標題
イヌリンの食後血糖値上昇抑制作用に関する研究レビュー(定性的レビュー)
(イ)目的
「イヌリンを含む食品を、疾病に罹患していない者または空腹時血糖値が境界型の者が摂取することにより、食後血糖値の上昇をゆるやかにするか」を明らかにすることを目的とした。
(ウ)背景
イヌリンの生理機能性に関しては、様々な報告があり、単回経口摂取による食後血糖値の上昇抑制作用についても多数、論文化されている。しかしながら、イヌリンの当該効果に関するシステマティックレビューの報告は確認できなかった。そこで、今回新たに研究レビューを実施した。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
『PubMed』『CENTRAL』『医中誌』をデータベースとして用い文献検索を2017年1月に実施した。検索対象期間は制限せず、言語は英語および日本語とし、対象集団は疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)または空腹時血糖値が境界型(空腹時血糖値110~125 mg/dL)の者とし、イヌリンを含む食品の単回経口摂取による食後血糖値の上昇抑制作用を検討した介入試験を対象にして、研究レビューを実施した。
(オ)主な結果
抽出された3報の文献を用いて定性的レビューを行った結果、すべての論文が肯定的であった。その際のイヌリン摂取量は5.2~10.8 gであった。また、これら3報は正常血糖値者を対象とした試験で、上記食後血糖上昇抑制効果は正常血糖値範囲内であったことより、血糖値正常者がイヌリンを摂取した場合には血糖値は正常範囲内に維持されるものと考えられる。
(カ)科学的根拠の質
研究デザインの質を評価したところ、3報全てが研究の質が最も高いレベル(バイアスリスクが低い)と判断した。研究の限界に関しては、評価した3報のいずれも小規模の試験であることや出版バイアスなどについて研究の限界が考えられるものの、その他の要因を含め、重大な影響ではないと判断した。これらのことから、本研究レビューの科学的根拠の質は確保されていると判断した。以上、本研究レビューの結果から、イヌリンの食後血糖値上昇抑制作用には科学的根拠があると判断した。

【イヌリンの整腸作用について】
(ア)標題
イヌリンの整腸効果に関するシステマティックレビュー
(イ)目的
イヌリンの整腸効果について明らかにすることを目的とする。
(ウ)背景
イヌリンは腸内で善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内フローラを良好に保つことからおなかの調子を整えることが知られている。しかし、イヌリンのみを摂取した時の整腸効果に関する研究をまとめて評価したものがなかったので、その効果を検証するため本研究レビューを行った。
(エ)研究レビュー対象とした研究の特性
論文の検索日:2015年8月10日(PubMed、医中誌)、2015年8月11日(CENTRAL)
検索対象期間:全期間(2015年まで)
対象集団の特性:健常者(未成年者、妊産婦、授乳婦を除く)および疾病に罹患していない者
最終的に評価した論文数:17報
利益相反情報:研究レビューは静岡県産業振興財団 フーズサイエンスセンター、フジ日本精糖株式会社、静岡県立大学との共同研究により実施した。
(オ)主な結果
イヌリンの整腸効果に関して、各アウトカム指標ごとに評価した結果、糞便中ビフィズス菌数に関しては、14報18試験のうち15試験で有意に増加し、2試験で増加傾向、1試験で減少傾向であった。糞便中乳酸菌数に関しては、9報13試験のうち5試験で有意に増加し、4試験で増加傾向、4試験で減少傾向または差なしであった。排便回数に関しては7報10試験のうち2試験で排便回数が有意に増加し、4試験で増加傾向、4試験で減少傾向または差なしであった。排便量に関しては6報7試験のうち2試験で排便量が有意に増加し、4試験で増加傾向、1試験で減少傾向であった。
(カ)科学的根拠の質
評価した全ての論文の試験デザインが、整腸効果を調査する目的に適合していた。正確性の観点から研究デザインの質を評価したところ、最も質が高いレベルと判断できた論文は17報中11報であった。採用された論文において、試験デザインや結果の妥当性、各研究間の一貫性等を検討した結果、大きな問題はなく、科学的根拠の質は高いと評価された。研究の限界に関して、日本人を対象とした論文は1報しかなかったが、他の論文と同様の成績であり、日本人への外挿性に関しては問題ないと考える。また、排便回数および排便量の増加について、明確に有意差の認められるものは多くなく、増加傾向が認められる文献が多かった。この点は、適切に層別解析された試験において、中程度の便秘傾向の被験者の排便回数および排便量について有意な増加が認められていた。よって、本研究レビューにおける排便回数および排便量に関するアウトカムの評価は本品の機能性には影響しないと考えられる。今回評価した論文全体を通して、科学的根拠の質は確保されていると評価した。以上を総括し、イヌリンの整腸効果について肯定的な根拠があると判断した。