機能性オートミール
届出番号 H1323
商品名 機能性オートミール
届出者名 西田精麦株式会社
届出日 2023/03/13
変更日
撤回日
販売中 販売休止中
食品の区分 加工食品(その他)
機能性関与成分名 イヌリン
表示しようとする機能性 本品にはイヌリンが含まれます。イヌリンは食後の血糖値の上昇を緩やかにすることが報告されています。
当該製品が想定する主な対象者 血糖値が高めの健常者で(食後の)血糖値上昇が気になる方
一日当たりの摂取目安量 50g
一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量 機能性関与成分名:イヌリン
含有量:4.0g
保存の方法 直射日光・高温多湿を避けて保存してください。
摂取の方法 1日あたり50gを目安に、そのまま、あるいはミルクやヨーグルトなどと一緒にお召し上がりください。
摂取をする上での注意事項 原材料表示をご参照の上、食物アレルギーのある方はお召し上がりにならないでください。万一体質に合わない場合は摂取をお控えください。
摂取目安量を守って、お召し上がりください。
調理又は保存の方法に関し特に注意を必要とするものにあっては当該注意事項 開封後はチャックを閉め、湿気を避けて保存の上お早めにお召し上がりください。
消費者庁URL https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42212200750102

安全性に関する基本情報

安全性の評価方法

■既存情報による食経験の評価により、十分な安全性を確認している。
■既存情報による安全性試験結果の評価により、十分な安全性を確認している。

当該製品の安全性に関する届出者の評価

本届出食品は、一日摂取目安量当たり機能性関与成分イヌリンを4.0g含む加工食品である。食経験(既存情報による評価とイヌリン製品の販売実績)、①~③をふまえ、1日にイヌリン4.0gを含む本届出食品を50g摂取することは安全性に問題がないと判断した。
なお、本届出食品の機能性関与成分イヌリンはチコリの根から抽出・精製され得られたものだが、製造工程でイヌリンの構造が変化しないことを確認しており、人類が長期間にわたって摂取してきたイヌリンと同等である。
<食経験:既存情報を用いた安全性評価>
イヌリンはチコリの他、ごぼう、菊芋、にんにくといった野菜の根や茎などに含まれ、人類は古くからそれら食品、イヌリン含有量が多いチコリ根を煎じて作られるチコリコーヒーなどを介して、一定量摂取してきた。1日推定摂取量は欧米で2.6g、西欧で8gという報告がある。
このように、イヌリンは全世界で人類が食生活の中で、日常的に相当量摂取している食品成分であり、十分な食経験があるが、イヌリンに基づく健康被害に関する報告はほとんどない。
<食経験:同等品の販売実績>
本届出食品に用いたイヌリンはオランダのSensus社で製造されるイヌリン製品と同等品であるが、この製品は全世界で25年以上販売され、2018年9月現在までの総販売量は数十万トンに達する。また同等のチコリ由来イヌリンは全世界の製造販売が100万トンに達するが、健康被害は報告されていない。
①国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の「健康食品」に関するデータベースにイヌリンを短期間、適切に用いれば安全性が示唆されている。
②Sensus社が製造するイヌリンは米国医薬品食品局(FDA)でGRAS(一般に安全と認められる食品)認証を取得しており(No.118)、届出書類の中で臨床試験結果として、健常人による毎日40-70gのイヌリン摂取では重篤な副作用が見られないと結論付けられている
③腸内での発酵に伴い腸内にガスがたまるという報告があるが、臨床的な関連性は否定されている

医薬品との相互作用に関する評価
イヌリンはカルシウムなどのミネラルの吸収を促進することが確認されているが、「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)に定める摂取推奨量や耐容上限量から考え、イヌリンとカルシウムやマグネシウムといったミネラルの同時摂取によりミネラルの吸収が促進されても、過剰摂取に至る可能性が極めて低い。

機能性に関する基本情報

機能性の評価方法

■最終製品ではなく、機能性関与成分に関する研究レビューで、機能性を評価している。

当該製品の機能性に関する届出者の評価

(ア)標題
イヌリンによる食後血糖値上昇を緩やかにする作用に関する定性的研究レビュー
(イ)目的
「イヌリンを含む食品を疾病に罹患していない者または空腹時血糖値が境界型の者が経口摂取することにより、食後血糖値の上昇を緩やかにするか」を検証するため研究レビューを実施する。
(ウ)背景
イヌリンは、自然界では、チコリやゴボウ、玉葱等に多く含まれている水溶性食物繊維の一種、果糖の重合体(フルクタン)の一種である。デンプンと異なりヒトの消化器では分解不能で大腸の腸内細菌叢によってはじめて代謝されるため、栄養成分表示では糖質ではなく食物繊維として扱われる。血糖に直接的に作用することはないが、食後の血糖濃度上昇を抑制することに加え、腸内細菌による代謝産物がインスリン感受性を向上させることにより、糖尿病患者の血糖値を適切な水準に調節することが報告されている。
イヌリンの単回経口摂取による食後血糖値の上昇抑制作用については多数論文化されているが、健常者のみを対象としたイヌリンの当該効果に関する研究レビューの報告はまだ少ない。
(エ)レビュー対象とした研究の特性
「医中誌」「JDreamIII」「PubMed」「The Cochrane Library」を用いて論文検索を行った。対象(P)が疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦は除く)、または空腹時血糖値または 75 g OGTTが境界型の者、または食後血糖値が高めの者、介入(I)がイヌリンの経口摂取(食品形態は問わない)、アウトカム(O)が食後血糖値の上昇を緩やかにするかとし、臨床試験文献を収集し、イヌリンの単回経口摂取は食後血糖値の上昇を緩やかにするかを検討した。
(オ)主な結果
557報の文献から選択・除外基準により文献の選抜を行った結果、最終的に最終製品を用いた 7 報の文献を採用した。この文献は、5 報が外国で行われた試験、2 報が日本で行われた試験であった。
本研究レビューの結果、評価した 7 報中 5 報で、境界型を含む疾病に罹患していない健常な成人がイヌリンを摂取(イヌリンとして 0.75 ~ 21.6 g/日)することにより、食後血糖値の上昇の有意な抑制が認められた。
イヌリンの単回経口摂取による食後血糖値上昇抑制作用の作用機序については、直接的な作用として、イヌリンには小腸におけるグルコースの吸収を抑制する作用のあることが報告されている。また、間接的な作用として、大腸においてイヌリンはビフィズス菌などの腸内細菌叢に利用され、代謝産物として短鎖脂肪酸などの有機酸を産生することが報告されている。さらに、短鎖脂肪酸は腸管上皮細胞に発現する L 細胞に作用し、GLP-1 の分泌を促進することで、すい臓β細胞からのインスリンの分泌を促進する結果、食後に上昇する血糖の臓器への取り込みが促進され、血糖値の上昇が抑制されたものと考えられる。
(カ)科学的根拠の質
今回の採用論文の中には二重盲検についての記述が無いものが存在したことから、バイアスリスクが上昇していることは否定できない。また、メタアナリシスを行っていないため、出版バイアスについて定量的に評価することはできていない。しかしながら、評価した論文 7 報のうち 5 報が肯定的であり、バイアスリスクや非直接性などにリスクが高いもの(-2)がないことから、エビデンスの強さを A 「効果の推定値に確信がある」とした。
イヌリンは、直接および代謝産物を介した間接的な作用によって食後血糖値の上昇を抑制したものと考えられる。本研究レビューにより、当該製品の表示しようとする機能性である「イヌリンには食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果のあることが報告されています。」には十分な科学的根拠があると示すことができたと考える。