リカバリーウェアは大人気のウェアカテゴリーとなりましたが、薬機法の規制はどのように関係するのでしょうか。
また様々な効果をうたう広告がありますが、効果は嘘?本当?どちらなのか、エビデンスはあるのか解説します。
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薬機法知恵袋
薬機法知恵袋でリカバリーウェアのQ&Aを多数取り扱っています。
<具体例>
・リカバリーウェアで「ぐっすり眠れる」と訴求できる?
・売れるリカバリーウェアのヒミツは?
・リカバリーウェアエビデンス取得の注意点は?
など
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リカバリーウェアとは
リカバリーウェアとは、着るだけで疲労回復をサポートする機能性衣類のことです。
特殊な繊維や素材を使用し、血行促進やリラックス効果を高めることを目的としています。
主におうち時間や就寝時の疲労回復、快適な睡眠環境のサポートに活用されます。
リカバリーウェアは医療機器?薬機法との関係は?
「リカバリーウェア」と言われる衣類は、基本的に一般医療機器の「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の届出が行われています。
「家庭用遠赤外線血行促進用衣」は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第五項から第七項までの規定により厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器」(平成16年厚生労働省告示第298号)が、令和4年(2022年)10月11日に改正され、新設されました。
「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の届出を行えば、疲労回復等の効果をうたうことができ、訴求力の高い広告を使うことができます。
家庭用遠赤外線血行促進用衣の定義
遠赤外線の血行促進作用により疲労や筋肉のこり等の症状改善を行うことを目的とした、衣類形状の器具をいう。生地に鉱物等による特殊な加工が施されており、一定程度の遠赤外線を輻射する。上半身用及び下半身用があり、それぞれ少なくとも上腕部および大腿部を被覆する。ただし、パーツ形状は含まないものとする。
引用元:厚生労働省
リカバリーウェアの効果は嘘?
リカバリーウェアが「家庭用遠赤外線血行促進用衣」である場合、表現できる効果には制限があります。OK表現内の効果であれば、嘘ではなく、本当と考えていいでしょう。
遠赤外線の血行促進効果による
・血行促進
・筋肉のこり改善
・疲労回復、改善
・筋肉の疲労軽減
・筋肉痛や腰痛の改善
・生理痛や神経痛の改善
・関節炎等の症状改善や消炎効果
・むくみの改善
・代謝の促進
・運動効率の向上
・冷え性の改善
特定の疾病治療、人体の深部への影響示唆、体質改善などの効果は、一般医療機器の定義から逸脱する可能性が高く、効果として表現することはできません。
リカバリーウェアのエビデンスは?
「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の届出が行われているリカバリーウェアであれば、エビデンス(科学的根拠)があります。
評価試験は「家庭用遠赤外線血行促進用衣 自主基準」に書かれてある赤外線放射特性に係る試験を行う必要があります。
赤外線放射特性
ISO19618:2017ファインセラミックス(先進セラミックス,先進技術セラミックス)―FTIRスペクトロメータで黒体標準を使用する垂直分光放射率の測定方法
5~20μmの波長領域において、全放射率が遠赤外線加工を施していない同一形状の対照試料に比べ、5%以上上回ること
引用元:厚生労働省
リカバリーウェアの薬機法Q&A
リカバリーウェア関連のことがもっとわかるように、厚生労働省の資料の「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の取扱いに係る質疑応答集(Q&A)について参考部分をいくつか紹介します。※参考
Q. 遠赤外線の技術を利用した衣類等について、「筋肉痛、腰痛、生理痛、神経痛、関節炎等の症状改善や消炎効果」「むくみの改善」「代謝の促進」「運動効率の向上」「冷え性の改善」等の効果を標ぼうして製造販売したい場合にはどうすればよいか。
A. このような使用目的又は効果を標ぼうする場合には、一般医療機器である血行促進用衣の範囲を逸脱する可能性が高いと考えられる。その場合は、「法令上の位置づけがない新たな医療機器」として承認申請することを前提に、実際にそのような効果があることを示す臨床試験データ等を適切に収集した上で、独立行政法人医薬品医療機器総合機構が行う「全般相談」を受けること。
Q. 血行促進用衣の定義には、「上半身用及び下半身用があり、それぞれ少なくとも上腕部および大腿部を被覆する」との記載がある。長袖シャツ及び長ズボンの場合には、それぞれ上腕部及び大腿部を被覆する条件を満たしているので問題ないが、上半身用の半袖シャツの場合には、想定する使用者において、少なくとも上腕部を被覆できる長さの袖丈が必要であり、また下半身用の半ズボンの場合には、想定される使用者において、少なくとも大腿部を被覆できる長さの股下丈が必要であると理解することで良いか。
A. 貴見のとおり。血行促進用衣として製造販売届書の提出ができるのは、その範囲の製品に限られるものと理解されたい。
Q. 自主基準の「13.添付文書」の「(4)使用方法等」において、「使用に際しては肌着等の上に重ねて着用することを意図するものか、あるいは素肌に直接接触させる形で着用することを意図するものか、その具体的な使用方法を明記すること」とあるが、肌着等の上に重ねて着用することも、素肌に直接接触させる形で着用することも、その両方を許容する製品においては、その旨を説明することでよいか。
A. 貴見のとおり。ただし、その場合には、自主基準の附属書に定める「家庭用遠赤外線血行促進用衣を用いた血流量の変化に係る評価試験方法」に準拠した試験の実施において、肌着等の上に重ねて着用したケースと、素肌に直接接触させる形で着用したケースの二とおりの試験を個別に実施するものとし、双方のデータに有意差がなく、双方ともに基準値を満たしていることをあらかじめ試験によって確認し、その根拠データ等を適正に保管しておくことが前提となる。
一般衣類でも「血行促進」は言える?
医療機器の「家庭用遠赤外線血行促進用衣」ではない、雑品の一般衣類でも「血行促進」は表現可能です。
医療機器でなくても、着用した使用者自身の体温により(衣類等からの遠赤外線の輻射によるものを含む。)血行を促進する使用目的又は効果を有する衣類等(能動型のもの、電動式のもの又は身体への侵襲性があるものは除く。)は、「血行促進」を表現することが可能です(参照:遠赤外線を輻射する衣類等の取扱いについて)
薬機法違反したときの罰則やリスク
薬機法第66条の「誇大広告等」や薬機法第68条の「承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止」に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科です。
そして、措置命令や課徴金納付命令のおそれもあります。
また、法的責任だけでなく、SNSで炎上したり、ニュースになって会社の信頼性が長期に渡って損なわれたりするおそれがあります。
措置命令
措置命令は、薬機法第72条の5、に定められており、違反広告の中止や再発防止などを求められます。
<対象>
・第66条第1項
・第68条
<具体例>
・違反したことを関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・その違反行為を将来繰り返さないこと
など
課徴金納付命令
課徴金納付命令は、薬機法第75条の5の2、に定められており、課徴金の納付が求められます。
<対象>
・第66条第1項
<課徴金の金額>
・課徴金対象期間の商品売上の4.5%(最長3年間)
・225万円未満の場合は課徴金なし
<減額>
・同一事案に対し、景品表示法の課徴金納付命令がある場合
⇒3%を減額して1.5%・自ら報告した場合は、50%相当額を減額
リカバリーウェアの回収事例
株式会社りらいぶが販売する「リライブシャツα」「リライブスパッツα」について、家庭用遠赤外線血行促進用衣の一般的名称の定義に合致しないことが確認され、2025年11月5日までに約48万着の自主回収が公式サイトから発表されました。
厚生労働省のQ&A改訂で「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の定義が厳格化され、衣類の一部分のみにおいて遠赤外線を輻射する機能を有する製品や、当該機能を有するプリントやシール等を部分的に施した製品の場合には、定義に該当しないことが明記されたことが関係しています。
リカバリーウェアの薬機法Q&Aでも紹介しているとおり、少なくとも「長袖シャツ」「長ズボン」「半袖シャツ」「半ズボン」の要件を満たしている場合に認められるとされています。
まとめ
リカバリーウェアは着ることで快適な休養をサポートする新しいカテゴリーの商品ですが、その効果を広告する際には薬機法への配慮が欠かせません。
誇大表現や治療表現をしてしまうと、法令違反となるリスクがあります。
そのため、薬機法の規制を意識したマーケティングが求められます。安心してビジネスを行うためにも、適切な表現を理解して正しく活用することが重要です。





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