ターンオーバーと薬機法!言い換え表現【化粧品広告】

ターンオーバーという言葉は化粧品や美容などの記事でよく目にする言葉です。

ターンオーバーは化粧品や健康食品の広告表現で使うことはできるのか、どんな場合なら使えるのかなどについてOK/NG表現事例をまじえて解説します。

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目次

ターンオーバーとは?

肌のターンオーバーとは簡単に言うと、「肌の細胞が生まれ変わることや新陳代謝のこと」です。より具体的に述べると、「表皮の角質細胞が入れ替わること」です。

人間の皮膚は「表皮」と「真皮」、さらには「皮下組織」からできていますが、この一番表面の表皮については、一番内側から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」と4層の構造になっています。

そして、一番底の基底層で生まれた細胞がだんだんと表面に押し上げられていき、最終的には角化細胞となって死んだ状態になります。この角化細胞が、皮膚の表面にまで上がってきて、最終的にアカになって体外に排出されます。この細胞ができてから排出されるまでの一連の流れをターンオーバーと言います。

ターンオーバーの周期は、諸説ありますがおよそ28日間周期と言われています。

基底層から角質層まで達するのに14日間、角質層で皮膚の内部を保護するはたらきをしていた角質細胞がアカとなって剥がれ落ちていくまでにさらに14日間かかるという仕組みです。

薬機法の対象

薬機法の主な規制対象は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品です。

ただし、医薬品的効能効果を述べると、健康食品やサプリメントにも規制が及びます。

ターンオーバーは薬機法OK?

ターンオーバーは化粧品で表現できる効能効果56個の範囲を逸脱しており、広告などで使うことは基本的にNGです。

化粧品の効能効果で認められる56個のうち、皮膚や肌に関する表現は以下です。

(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。

ターンオーバーの薬機法言い換え表現

ターンオーバーに関わる広告表現のNG表現・OK表現例を説明します。

NG表現例OK表現例解説
ターンオーバーを促進する肌をすこやかに保つ/うるおいを与えて肌のキメを整える「促進」や「周期改善」は医薬品的効能効果になるためNG
肌の再生を助ける肌にハリやつやを与える/肌あれを防ぐ「再生」は医薬品的効能効果を想起させるためNG
古い角質を取り除き、肌を生まれ変わらせる古い角質を取り除き、なめらかな肌へ導く「生まれ変わる」は再生・修復のニュアンスが強くNG
肌のターンオーバーを正常化する肌を整える/すこやかな肌環境を保つ「正常化」は治療を連想させるためNG、ぼかした表現に言い換え
加齢によるターンオーバーの乱れを改善する年齢に応じた肌のケア/肌をみずみずしく保つ「改善」も薬機法上NG表現。エイジングケアの範囲に代替

化粧品広告で薬機法違反をしたときのリスク

化粧品広告で、薬機法第66条の誇大広告等に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科です。

そして、措置命令課徴金納付命令のおそれもあります。

また、法的責任だけでなく、SNSで炎上したり、ニュースになって会社の信頼性が長期に渡って損なわれたりするおそれがあります。

措置命令

措置命令は、薬機法第72条の5、に定められており、違反広告の中止や再発防止などを求められます。

<対象>
・第66条第1項
・第68条

<具体例>
・違反したことを関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・その違反行為を将来繰り返さないこと
など

課徴金納付命令

課徴金納付命令は、薬機法第75条の5の2、に定められており、課徴金の納付が求められます。

<対象>
・第66条第1項

<課徴金の金額>
・課徴金対象期間の商品売上の4.5%(最長3年間)
・225万円未満の場合は課徴金なし

<減額>
・同一事案に対し、景品表示法の課徴金納付命令がある場合
⇒3%を減額して1.5%・自ら報告した場合は、50%相当額を減額

化粧品で薬機法違反しないための対策4つ

1. 医薬品的表現を避けて「化粧品の効能効果」に絞る

ターンオーバーという用語自体はNGではありませんが、「促進」「改善」「正常化」といった言葉と組み合わせると医薬品的な効果を暗示するため違反リスクが高まります。

そのため、「肌のキメを整える」「うるおいを与える」「清潔に保つ」といった、化粧品に認められている範囲内の効能に言い換えることが重要です。

表現を考える際には、化粧品の効能効果の範囲である56項目に基づいて表現を検討するようにしましょう。

2. ターンオーバーを説明する際は「肌の仕組み」として客観的に記載する

ターンオーバーに言及する場合は、広告や販促物で「肌の基礎知識」として紹介するスタイルに留めましょう。

たとえば、「ターンオーバーとは、肌が一定周期で生まれ変わる自然な仕組みのことです」といった説明的・教育的な記載にとどめ、特定の商品がその仕組みに「効果を与える」といった表現は避ける必要があります。

商品の効果と直接結びつける表現は、事実上の効能効果の暗示として薬機法違反に問われるリスクがあります。

3. LPやSNSでの体験談やレビューに注意する

消費者による体験談やレビューに「肌のターンオーバーが早くなった」「肌の再生を感じた」などの記載があると、違反広告と見なされるおそれがあります。

自社が内容を選んだり編集したりした場合、薬機法上の「広告」に該当する可能性があるため、ユーザーの声を紹介するときも、効能効果にあたる文言を削除・修正するか、広告から明確に切り離した構成とする工夫が求められます。

特にSNS広告やインフルエンサーマーケティングでは慎重な対応が必要です。

4. 第三者チェックを実施する

「肌の生まれ変わり」や「古い角質を除去して若返る」など、再生医療や治療を連想させる表現はNGです。

自社で気づきにくい表現もあるため、薬機法に詳しい第三者(薬事コンサルタントなど)に広告文案のチェックを依頼するのが安全策です。

法的リスクを最小限にするには、配布物やLP、SNS広告などすべての媒体で一貫したコンプライアンス確認体制を構築したほうがいいでしょう。

まとめ

ターンオーバーに関する広告表現は、薬機法の範囲を理解し、正しい知識で運用することが重要です。特に「促進」「正常化」などの表現には注意が必要で、違反すると行政処分のリスクもあります。

肌の構造や働きを正しく伝えることは可能ですので、薬機法を守った適切な表現で、信頼される表現を心がけましょう。

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