サプリメント・健康食品の原価率・利益率!平均・安い?

サプリメント・健康食品の原価率・利益率!平均・安い?

サプリメントや健康食品は身近なもので日常的に摂取している人も多くいます。そのため、サプリメントや健康食品事業を新しく始めたい、その分野で起業したい人もいるでしょう。

今回は、サプリメントや健康食品業界の原価率・広告宣伝費率・利益率等についてデータをもとに説明します。

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目次

サプリメント・健康食品業界の原価率・広告宣伝費・利益率

今回取り上げる会社は、
・サントリーウェルネス
・DHC
・ファンケル
・ファーマフーズ
・ユーグレナ
です。

※決算資料の数値は、事業年度にしています。これは上期に投資を多めにする会社や、事業年度の最後に利益金額を見ながら、投資を調整する会社などがあるからです。

※企業の選別や数値については以下の難しさがありました。
・健康食品通販売上上位企業は上場していない企業が多い
・上場企業では医薬品や化粧品、加工食品なども扱う企業が多く、サプリメントや健康食品のセグメント別数値がわからない

※サントリーウェルネス、DHCは決算公告の数値を参考にしています。

(単位:億円)   ※横スクロールできます

会社名サントリー
ウェルネス
DHCファンケルファーマ
フーズ
ユーグレナ
事業年度2023/122023/72024/32023/72023/12
売上1,1628741,109686465
売上原価243367133147
広告宣伝費132389
営業利益18215912636-15
原価率20.9%33.1%19.4%31.6%
広告宣伝費率11.9%56.7%
営業利益率15.7%18.1%11.3%5.3%-3.1%

サントリーウェルネス

サントリーウェルネスは、サントリーホールディングスの子会社で、セサミンEXやオメガエイドなどのブランドを展開しています。サントリーの研究開発力を活かして、商品開発を行っています。

2023年12月期は、サプリメントの「ロコモア」、男性用化粧品の「VARON(ヴァロン)」が成長。

DHC

DHCは、健康食品の他にも、化粧品・ヘアケア・ファッション・医薬品など多くのジャンルを扱っています。未上場のため、詳細な数値は不明です。2021年7月期で健康食品の割合は56%推計です。参考:通販新聞

オリックスに買収され、競合他社で代表経験を持つ人材を社長に抜擢しています。

ファンケル

ファンケルは、健康食品だけでなく、化粧品の売上も大きい会社です。キリンホールディングスが完全子会社化する予定。

機能性表示食品制度の初期から、制度を活用した商品であるえんきんやカロリミットなどを発売し、売上を大きく伸ばしました。

決算資料

ファーマフーズ

ファーマフーズでは、BtoB事業(機能性素材、健康食品及び医薬品の販売)、BtoC事業(健康食品、医薬品、医薬部外品及び化粧品の販売)、バイオメディカル事業(研究開発、評価試験の受託など)が行われていますが、売上はBtoC事業の占める割合がかなり高くなっています。

グループ内には、2021年8月31日に子会社化した明治薬品株式会社も入っています。

同業種の企業と比べると、広告宣伝費の割合はかなり高い部類に入ります。

決算資料

ユーグレナ

ユーグレナは、「からだにユーグレナ」「CHIKARA」などのブランドを展開しています。健康食品や化粧品の他に、バイオ燃料などの研究開発も行っています。

2021年6月30日にキューサイを子会社化して健康食品企業としてさらに大きくなりました。

決算資料

サプリメント・健康食品企業の原価率平均

売上原価がわかる4社の原価率平均は、26.3%です。

サプリメントや健康食品を販売している会社は、医薬品や化粧品なども扱う企業が多く、決算資料だけでは原価率がわかりづらくなっています。

また、医薬品や研究開発をしている企業の場合、そちらの収益が低かったとしてもその技術や特許をサプリメントや健康食品に転用している場合もあるので、コスト構造を見る時にそのあたりも考慮に入れる必要があります。

サプリメント・健康食品企業の利益率平均

今回取り上げた5社の営業利益率平均は、9.5%です。この5社は業界大手で競争力があるため、利益は比較的高いほうであると考えられます。

サプリメント・健康食品の製造原価は安い?

サプリメントや健康食品の製造原価は、車や食料品などの原価率と比べて考えると、安い傾向にあるでしょう。

ただ、長年の研究開発が活かされた商品もあるため、そのコストを払えば誰でも作れるとは限りません。

サプリメント・健康食品事業は儲かる?

サプリメントや健康食品への参入企業は多く、D2Cも競争度合いが上がってきているため、以前より儲かるためのハードルは上がっています。

OEMを請け負ってくれる企業は多数あるため、異業種からの参入は難しくありませんが、他社が簡単に真似できるような商品を販売している場合は、長期的に儲けることは難しいでしょう。

機能性表示食品の動向が見逃せない

サプリメント・健康食品市場において、機能性表示食品は見逃せない存在になっています。

矢野経済研究所の調査によると、2023年度(見込)の健康食品市場規模は、8,995億1,000万円。そして、2023年度(見込)の健康食品市場における機能性表示食品(サプリメント形状)の構成比は、23.6%。

サプリメント形状以外の機能性表示食品も含めると、健康食品市場において機能性表示食品の割合はもっと高くなります。

機能性表示食品にすることで、効能効果を明記できるようになるため、売上に大きな影響が出ます。

健康食品市場で新商品を考える場合は、機能性表示食品は必ず選択肢のひとつになるといっても過言ではないでしょう。

※参考:機能性表示食品のOEMメーカー一覧

まとめ

サプリメントや健康食品業界の原価率や利益率をまとめました。巨大マーケットですが、他の商品も扱う企業が多く、決算情報だけでは詳しい数値が分かりづらいところがあります。

機能性表示食品の市場規模は拡大傾向で、参入企業や商品数は増え続けています。薬機法、景品表示法、特定商取引法、消費者契約法などの規制が厳しくなっている業界なので、法律を詳しく把握し、事業を行うことが大切です。

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