YoutubeやTiktokなどの動画広告、Facebook、TwitterなどのSNSやWebサイトの広告には、ダイエットサプリの広告があふれています。なかには漫画広告の形式で配信しているものもあります。
今回は、ダイエットサプリ広告の闇や、どんな広告であれば、法律違反の可能性が高いのか説明します。
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ダイエットサプリ広告がうざい・不快…効果は嘘?闇?
ダイエットは、多くの方が興味があり、ダイエット市場は非常に大きなものです。
ただ、それらの広告の中には、嘘ではないか?怪しい…と感じるものもあります。そして広告の中にコンプレックスを刺激するものや過剰な表現が多いため、「うざい」「不快だ」と感じる人も多くいます。
飲むだけでやせるはありえない?
ダイエットサプリメントや健康食品について、「飲むだけでやせる」「食べるだけでやせる」ということはありえません。
サプリメントや健康食品を摂取する代わりに日常の食事を制限するとともに、適度な運動を行うことでやせることができます。
この基本的な認識を持つことが大切です。
ダイエットサプリの虚偽・誇大広告の具体例8個
1. 飲むだけで10キロやせる
10キロというのはインパクトのある数字ですよね。多くの方が「1ヶ月で10キロやせる」というキーワードを検索エンジンで調べていることからも、10キロはひとつの目安として魅力的なようです。
ただ、飲むだけで10キロやせると表現する広告は、景品表示法違反に該当している可能性が高いです。
まず、「飲むだけでやせる」という表現は認められていません。景品表示法は、消費者庁の管轄になりますが、消費者庁からは適切な食事制限と運動を伴わないと、やせられると表現してはいけないとする資料が出ています。
また、「適度な運動や食事制限をしながら、人が痩せることができるのは、 6か月間で4㎏から5㎏程度です」と資料に明記されており、10キロはその重さを大きくオーバーしています。
10キロ簡単にやせられたら夢のようですが、現実的に考えても難しいことはわかるでしょう。
2. トイレに行ったらどっさり宿便がドバドバ出てやせる
まず、便通改善効果の表現が認められているサプリメントは、トクホ(特定保健用食品)」や機能性表示食品の一部のみです。
そして、トクホや機能性表示食品であれば、そのマークが商品についています。
また、これらはあくまで便通改善効果のみが表現内容として認められており、宿便が出ると表現するのは、薬機法(旧薬事法)違反に該当します。
体の中から溜まっている宿便が出ると体重が一気にやせそうなイメージはつきますが、そもそも宿便がそんなに体の中にあるのか、宿便が出るのか、宿便があるのか、について医療の専門家らから批判の声も多数挙がっています。
3. ビフォーアフターの写真が別人
ダイエット系の広告には、ビフォーアフターの写真が多く使われます。これは見た目にも効果がわかり、消費者への訴求効果が高いからです。
ただ、ダイエットサプリ広告のなかには、ビフォーアフターの写真で、同じ服を着せているだけで別人が撮影されているものもあります。
脂肪がついていると骨格が分かりづらく、本物のビフォーアフターでも別人で嘘のように見えることもありますが、実際に別人が使われていることもあるので、注意が必要です。
別人であることを誰もが分かるようにしていない限り、景品表示法違反になる可能性があります。
4. 痩せ菌を増やしてやせる
※上記は、実際にあったWeb広告のキャプチャです。こちらの広告には、痩せ菌やトイレの脂などの表現がありました。
ダイエットサプリで、痩せ菌(ヤセ菌)を増やしてやせると広告で表現することは、薬機法違反になります。
認められていない体への効果を表現することはできません。
また、痩せ菌というものがそもそも存在するのかを疑問視する声が専門家から挙がっています。
5. トイレに脂が浮いてた!トイレが脂まみれ
「トイレに脂が浮いてたけど何事!?」「トイレが脂まみれ」なんていう表現で、広告をしているダイエットサプリもあります。
サプリを飲んだら、体の中にある脂がたくさん出てくると表現しているのです。
実際にそんなことが起きるなら魅力的な出来事かもしれませんが、健康効果としても薬機法で表現できる範囲を逸脱している可能性が高く、さらに景品表示法違反にもなる可能性があります。
6. 腸内環境がよくなる
腸活が最近は人気です。「腸内環境がよくなる」「腸内環境改善」を表現する商品も多数出ています。
ただ、これらの表現が認められているのは、この表現の機能性が認められているトクホや機能性表示食品だけです。
※トクホや機能性表示食品であれば、認められるのではなく、その効果について臨床試験などを行い、結果が出ている商品のみ認められます。
そのため、トクホや機能性表示食品でもないダイエットサプリで、「飲むと腸内環境がよくなる」と表現していれば、薬機法違反の可能性が高いでしょう。
7. 医師の推薦や学説
広告で「◯◯医師が推薦している」「海外で〜〜〜といったことが発見・証明された」などの言葉を使っているものがあります。
販売ページも見て確認すると、おそらくその医師が言ったわけではないことまで言っているように医師の画像を使って見せかけているものもあります。
また、海外の学説なども、都合のいいものを拾ってきていたり、全くの嘘を書き連ねているものもあります。
ここまでいくと、薬機法や景品表示法以外の法律違反に問われる可能性も出てくるでしょう。
8. 太ってる人は絶対やって
「太ってる人は絶対やって」という文言を使用した広告で、もしこれを飲むだけでやせる、運動しなくてもやせる、食事を変えなくてもいい、などの文言が使われている場合は、法律違反の可能性があります。
基本的にサプリメントなどを飲むだけでやせるという表現は使えません。運動と食事制限がセットであることが必要です。
また、急激にやせるようなイメージ動画も消費者を誤認させるおそれがあり、法律に違反する可能性があります。
ダイエットサプリの法律違反事例
2023年12月5日、スリムサポ(SlimSapo)」と称する機能性表示食品を販売する会社に対して、景品表示法にもとづく措置命令が行われました。違反行為として優良誤認表示が認められました。
ビフォーアフターとしては以下のような2人のイラストにより、
「あたかも、本件商品を摂取すれば、本件商品に含まれる成分の作用により、同表「効果」欄記載のとおりの効果が得られるかのように示す表示」
をしていたとして、指摘がありました。
参照:消費者庁資料
明確にビフォーアフターであることや、何キロやせたなどの表示がなくても実質的にビフォーアフターを表示していると判断されたものと思われます。
他には、2週間でマイナス8キロなどの過剰表現もありました。
参照:消費者庁資料
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まとめ
インターネット上には、魅力的な広告や言葉がたくさん並んでいます。ただ、法律違反している広告が多いのも事実です。
実際に大手企業や上場企業でもこのような法律違反で取り締まりを受けている会社があります。子会社を使ったり、運営者を隠したりして制作したものの、突き止められて景品表示法違反として事件になったことも過去にあります。
あまりに都合のいい広告には注意するようにしましょう。
健康美容商品を販売している企業や、そのような商品の広告を扱う広告代理店は、薬機法や景品表示法のチェックを欠かさないようにしましょう。
コメント
コメント一覧 (2件)
明らかに嘘だろうと思う、でもダイエットしても何故か増えるので体に悪くてもいいから多く減らしたいと思うと引っかかりそうな文言ばかりです。
でも、この手の広告ばかり出るのでうんざりしますね
多くの人が楽に痩せたいと思っているので、引っかかってしまうのかもしれませんね。ダイエットの基本は、適切な運動と食事制限なので、運動や食べ物を意識してみてください。