メルカリ(フリマアプリ)の医薬品の出品販売・転売は違法?

フリマアプリであるメルカリでは、要らなくなったものの中古品を売買することができます。しかし、どんなものでも自由に売買できるということではなく、医薬品などの命にかかわるものや、不当に価格を吊り上げられては困るものの出品は禁止されています。

禁止と違法はまた違うのですが、悪質な転売ヤーに対してメルカリも厳しい態度を取りつつあります。今回はメルカリを例にフリマアプリでの医薬品転売について考えます。また付随して最近問題になっているマスクの転売についても考えます。

目次

薬機法の医薬品の種類と見分け方は?

医薬品の種類には、医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品(第一類医薬品・第二類医薬品・第三類医薬品)があります。

ドラッグストアなどで売られている商品であれば、パッケージにどの種類に当たるかが書かれています。分類は以下の図のとおりです。

医療用医薬品は、病院に行って処方箋をもらい、病院内や調剤薬局で購入する薬のことです。

要指導医薬品と一般用医薬品を合わせて、OTC医薬品と呼びますが、ドラッグストアなどで対面販売されているものです。

要指導医薬品は、インターネット販売が禁止されています。一般用医薬品は、安全性について注意する必要度合いが高いものから、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品と分類されています。

医薬品分類をさらに詳しく知りたい人は、こちらのページを見てください。

医薬部外品とは?

医薬部外品とは、医薬品ではなく、厚生労働省が許可しているもので、効果や効能が確認されている成分が一定の濃度で配合されているものを指します。効果が医薬品に比べてマイルドで「治療」ではなく「予防」するためのものです。

具体的には

・整腸剤
・ビタミン剤
・うがい薬
・制汗剤
・薬用化粧品
・ヘアカラー
・薬用石鹸
・生理用ナプキン

などの中にも「医薬部外品」があります。効果が強い整腸剤やうがい薬によっては医薬部外品ではなく医薬品のケースもありますし、病院で処方されたものは当然医薬品(薬)になります。

パッケージに「医薬部外品」と記載してあるので、それらが対象となります。また、化粧品と医薬部外品も違います。化粧品についてはメルカリのガイドラインに従ってください。

サプリや健康食品と医薬部外品も異なります。サプリはあくまで食品であり、医薬部外品よりも規制の網は緩いのですが、フリマアプリによってはそれらも規制されていることもあります。

医薬品のメルカリ出品販売は合法?違法で禁止?

メルカリをはじめとするフリマアプリでは、「医薬品医療機器等法」(以下「薬機法」)で規定されている医薬品・医療機器の出品にルールを設けています。 簡単に言うと、薬や一部の医療機器は原則として出品することができません。

これは、医薬品をメルカリなどで出品売買することは医薬品医療機器等法に触れ「違法」だからです。

違法なものは許可できませんよね。

・病院で処方された薬の残り
・市販薬
・海外から個人輸入した薬
・海外では医薬品ではなくても日本では医薬品指定されているもの
・漢方薬
・湿布の多くのもの(ピップエレキバン等は除く)
・妊娠検査薬

これらは医薬品なので出品すると罰せられます。

医薬部外品のメルカリ出品販売は合法?違法?

「医薬部外品」と記載があるものについては、フリマアプリで売買しても違法にはならず、メルカリのガイドラインでも

違反にならないケース

・医薬部外品

と記載があるので、合法かつ出品ができます。

ただし、中古の医薬部外品を買いたいという人がどのくらいいるかは未知数です。こういう薬効があり、人の体内に入れるものをフリマアプリで安く買いたいという人がいるかどうかは別問題と考えてください。

医薬部外品について「出品は可能で合法である」というのが結論になります。

マスクや一般医療機器の出品販売・転売は合法?違法?

マスクは通常はメルカリで売買できました。しかし、コロナウィルスの拡散による世界的なマスク不足によって需要が増大し、買い占めや高額転売が横行する中で、マスクの在庫確保のため、政府は国民生活安定緊急措置法等に基づいて、マスクの出品を自粛するようにフリマアプリやネットオークション事業者に要請を行いました。

同法26条には

「政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる」

とあり、マスクが指定されました。高額転売(譲渡)は違反とされ、マスク転売でこちらの法律に違反した場合(高額転売が続いた場合)、「五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金」が課される可能性があります。転売の利益どころではありません。

需給バランスが著しく崩れ社会的に混乱するので禁止という論理だてになります。

出品販売できない医療機器は?

医療機器については「一般医療機器」という記載があれば出品できます。医療機器と聞くと、ハイテクなイメージをする人もいますが実際はそうではありません。

・ばんそうこう
・ガーゼ、脱脂綿
・弾性ストッキング
・医療用ビニール手袋
・体温計
・ピンセット

などです。未使用であれば、特に人体に害はなさそうなものばかりですよね。必ず「一般医療機器」と包装に書いてあることを確認してください。

一方、すべての医療機器がメルカリで出品できるわけではなく、「販売に法律上の許可または届出を要する医療機器」については出品し売買することができません。出品し売買すると違法行為になります。

法律上の許可が必要な医療機器とは

①高度管理医療機器:自己血糖測定器、コンタクトレンズ類(カラコン含む。視力矯正しないものも)

②管理医療機器:家庭用マッサージ器、ピアッサー、補聴器など

などです。

これらは使い方次第で人体に有害なことになる場合があり、個人が勝手に出品し売買することは禁止されています。違法なので注意してください。あと、やはり、中古の絆創膏やガーゼを欲しいという人はあまりいないので一般医療機器だから売れるかどうかはわかりません。

医薬品の空き箱・空容器の転売は合法?違法?

医薬品の箱だけ売っても意味ないのでは?と思われるかもしれませんが、最近はキャラクターとコラボした医薬品が販売されていて、薬目的ではなくキャラクターグッズとして買う人もいます。

もちろん、中身が入っている医薬品を売買することは違法ですが、箱だけ、あるいは容器だけなら薬効成分がないただの入れ物で違法性はないのでは?と思われるかもしれません。

実際に、キャラクターとコラボした医薬品の空箱や容器はメルカリに出品されています。しかし、ここはかなりの「グレーゾーン」と解釈してください。特に容器については、中身を全部使ったり捨てたりしても、薬効成分が残っているかもしれません。

厳密に摘発しようとすると、アウトになってしまう余地があります。

「グレーゾーンである。しかし現実にはメルカリに出品されている」ここを踏まえて、ご自身の責任で判断してください。

メルカリの医薬品販売・転売の逮捕事例

日本で未承認のED(勃起不全)治療薬を販売

2021年2月25日、看護師の女性32歳がメルカリ内で、国内で未承認の医薬品を販売したとして逮捕されました。インドの製薬会社からED(勃起不全)治療薬を個人輸入し、「男性用サプリ」などとして販売していました。

まとめ

医薬品の転売は問答無用でNG。医薬部外品については制限がありものによるというのが答えになります。

またマスク等需要が急激に高くなったものについては、薬機法以外のところから規制の網がかかる可能性があります。法規制されれば、薬機法であれ他の根拠法であれ、違法行為で処罰の対象になります。

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