治療用アプリ一覧5個!企業・薬事承認・保険適用?

治療用アプリ一覧!企業・薬事承認・保険適用?

新しい治療方法として注目される治療用アプリ。実用化が開始したアプリが増えてきて、今後の市場拡大も見込まれています。

そんな治療用アプリについて紹介します。

目次

治療用アプリとは?

治療用アプリとは、アプリケーションプログラムとして治験などを行い、治療を目的として薬事承認を受けたものです。患者の認知や行動の変化を促し、治療を行います

健康増進を目的としたアプリケーションプログラムとは異なります。

2014年の薬機法改正で、単体プログラム(ソフトウェア)が薬機法の規制対象となりました。

使い方としては、医師がアプリを処方し、患者はアプリをダウンロードして使用します。

医療機器プログラムとプログラム医療機器の違い

治療用アプリは、医療機器プログラムにあたります。

医療機器プログラムとは、プログラム単体として流通する製品のことです。

それに対し、プログラム医療機器とは、上記に加え、プログラムを記録した記録媒体も含むもののことです。

参照:プログラム医療機器について

治療用アプリ・企業一覧5個

具体的な治療用アプリと開発している企業の一覧を紹介します。まだ薬事承認を得ていないものも含まれています。

1. CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ

CureApp(キュアアップ)が開発するCureApp SC(CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー)。国内初の治療用アプリで、禁煙治療としては世界初です。

禁煙外来で治療を受けている患者を対象に、院外での禁煙を支援するアプリです。※COチェッカーという呼気一酸化炭素濃度(CO濃度)を測定する機器も付いています。

スマホ等から得られる日々のデータを、医学的知見を搭載したアルゴリズムが解析して、患者一人ひとりに合わせた治療介入を実施するものです。

会社名:株式会社CureApp
事業内容:医療機器プログラムの開発等
設立年:2014年7月31日

2. CureApp HT 高血圧治療補助アプリ

CureApp(キュアアップ)が開発するCureApp HT(CureApp HT 高血圧治療補助アプリ)。ソフトウェア単体としては国内初、高血圧症では世界初です。

CureApp HTによってスマート降圧療法を行うことができます。​​スマート降圧療法とは、患者に正しい生活習慣の定着を促し、通院時に医師がアドバイスを行う高血圧治療法です。

会社名:株式会社CureApp
事業内容:医療機器プログラムの開発等
設立年:2014年7月31日

3. 不眠障害治療用アプリ

サスメド株式会社が開発する不眠障害治療用アプリ(販売名:サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ)。厚生労働省から製造販売の承認を取得済み。

不眠障害の患者に認知行動療法(CBT-I)を実施するために用いるアプリで、薬物依存度を減らした不眠障害治療を可能とすることが期待されています。

会社名:サスメド株式会社
事業内容:治療用アプリ開発、ブロックチェーンを活用した臨床試験システムの開発、医療データ解析及びコンサルティングサービス等
設立年:2016年2月23日

4. 小児向けVR弱視治療用アプリ

順天堂大学発ベンチャーのInnoJin株式会社、住友商事、バーチャル技術の研究・開発を行うイマクリエイト株式会社の3社が共同で開発を行っている、Virtual Reality (VR)を活用した小児の弱視患者向け治療用アプリです。

会社名:InnoJin株式会社
事業内容:医療及びヘルスケアに関するITを活用した事業等
設立年:2020年12月1日

5. 糖尿病治療用アプリ

三井物産の100%子会社Raxiが開発する、運動量を増やして血糖値を改善する2型糖尿病の治療用アプリです。

会社名:Raxi株式会社
事業内容:糖尿病治療アプリの開発等
設立年:2022年4月1日

この他にもうつ病に対するアプリなど、多くの企業が現在治療用アプリの開発を行っています。

治療用アプリの医療機器クラス分類

現在の治療用アプリは行動変容を促すものであり、医療機器のクラス分類では「クラスⅡ管理医療機器」となります。

医療機器の類型内容具体例
一般医療機器クラスⅠ副作用又は機能の障害が生じた場合、人の生命又は健康に影響を与えるおそれのないものX線フィルム、手術用不織布など
管理医療機器クラスⅡ副作用又は機能の障害が生じた場合、人の生命又は健康に影響を与えるおそれのあるものX線撮影装置、心電計、超音波診断装置、注射針など
高度管理医療機器クラスⅢ副作用又は機能の障害が生じた場合、人の生命又は健康に重大な影響を与えるおそれのあるもの人工透析器、人工呼吸器、人工骨など
クラスⅣ身体に対する侵襲性が高く副作用又は機能の障害が生じた場合に生命の危機に直結するおそれのあるものペースメーカー、人工血管など

以下は、プログラム医療機器に特化した全体像の参考資料です。


引用元:厚生労働省資料

治療用アプリの薬事承認手続きは?

医療機器として製造・販売するためには、以下が必要です。

・医療機器製造販売業許可
・医療機器製造業登録
・認証または承認

また、治療用アプリを含むプログラム医療機器はこれまでの医療機器とは異なるため、それに適した承認手続きに変更する取り組みが行われています。

2023年9月6日に、厚生労働省及び経済産業省は「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略2(DASH for SaMD:DX (Digital Transformation) Action Strategies in Healthcare for SaMD (Software as a Medical Device) 2)」を公表しました。

治療用アプリは保険適用?

治療用アプリは保険適用です。つまり、健康保険からの給付の対象として認められたことを意味します。

患者の支払う金額は3割負担になります。

例えば、「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」の場合、患者の負担額は初月2910円、残り5ヶ月は月々2490円、それに加えて初診料や再診料など別途費用となっています。

まとめ

治療用アプリは今後多くの方に使われることが見込まれています。まだまだアプリの数は少ないですが、多くの企業が開発を行っています。

将来あなたの治療にアプリが処方されることも出てくるでしょう。

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