平成28年特定商取引法の改正ポイント9つを解説!2017年施行

特定商取引法は、インターネット上の通販などを中心に広くかかわるので、関係している人たちが多くいます。その法律が改正されましたが、改正内容のポイントについて分かりやすく説明します。

特定商取引法のことを詳しく知らない人のために、まずは特定商取引法とは何かについて説明します。

特定商取引法とは

特定商取引法(以下「特商法」といいます。)は、特定商取引を公正にして、消費者の被害の防止・救済を図ることを目的とした法律です。

そして、特商法の適用される「特定商取引」とは、訪問販売、通信販売及び電話勧誘に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引並びに訪問購入の7類型であり、同法は各取引類型の具体的内容を定義しています。

そして、特商法は、この7類型の取引につき、行政規制、刑事罰、いわゆるクーリング・オフなどの民事ルール等について規定しています。

なお、特商法の規制の多くは,その具体的内容について,同法に関連する政令・省令において定められており、また、その解釈は,多くの通達・ガイドラインにより示されている場合があります。そこで、以下は、平成28年改正特商法及び同法に関連するルール全般についての改正(以下「平成28年改正特商法」といいます。)に関する解説として理解してください。

特定商取引法改正の理由・背景

消費者被害は、私たちの日常生活における様々な取引において発生するものですから、その態様等は、社会事情に影響されるものです。そのため、特商法は、その時々の社会における具体的消費者被害の実態を踏まえ、適宜、その内容を改正する必要があります。

そして、平成28年改正特商法は、近年のインターネット取引の増加、高齢者及び認知症高齢者等による消費者被害の増大、悪質業者の増加等の社会事情を踏まえたものとなっています。

平成28年改正の特定商取引法の内容を理解することの意義

平成28年改正特商法は、平成29年(2017年)12月1日に施行されていますから、基本的に、同日以降の同法の適用の対象となる取引については、改正された内容のルールに従うことになります。
したがって、平成28年改正特商法の内容を理解することは、消費者からすれば、自身の消費者被害の防止・救済、他方、事業者からすればコンプライアンスの遵守ひいては適正事業主として同業他社との差別化による競争力向上という観点において、意義のあることです。

平成28年改正の特定商取引法のポイント9つを解説

1. SNSを利用したアポイントメントセールス等の規制の追加

近時、LINEなどの個人間のコミュニケーションを促進して社会的ネットワークの構築を支援するインターネットを利用したサービスの普及により、SNSを利用した勧誘トラブルは増加傾向にあります。

そこで、平成28年改正特商法では、同法の適用される訪問販売の一形態であるアポイントメントセールス等における誘因方法として、従来規制対象ではなかったSNSのメッセージ機能等により特定の場所に来訪を要請する方法を追加することになりました。

2. 指定権利制の見直し等

近年、未公開株や社債、二酸化炭素排出権取引等の投資商品に関する訪問販売及ぶ電話勧誘販売に関する消費者トラブルが増加しています。

ところが、従来、特商法の適用対象となる訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売につき、権利を取引対象とする場合には、その規制をゴルフ会員権など一定の権利に限定しており、これを指定権利制と呼んでいました。

しかし、このような規制対象の限定により、昨今増加している上述の投資商品に関する訪問販売等のトラブルを規制できないため、平成28年改正特商法では、従来指定されていた権利のほか、社債等の金銭債権、株式等の社員権を規制対象として追加して、これらを「特定権利」と呼ぶとともに、従来の「指定権利」の名称は廃止することにしました。

また、二酸化炭素排出権取引のように、その名称は「権利の販売」でも、実態は、投資スキームの一環であり、最終的には投資事業による収益の配分を約束するようなものについては、「役務の提供」に該当するものとして、特定権利に関する取引には該当しないものの、特定商取引法の適用対象となることを明確化しました。

3. 金銭借入や預貯金の引出し等に関する禁止行為の導入

近時、事業者が、契約の締結に際して、消費者に借金を勧めたり、強要したり、あるいは、預貯金を下させるなどの行為を行うトラブルが増加しています。

そこで、このようなトラブル防止のため、平成28年改正特商法では、訪問販売等に係る売買契約等の相手方に対して、契約に基づく債務を履行させるため、①支払能力に関して虚偽の申告をさせること、②意に反して貸金業者の営業所、銀行の支店等(ATM等)に連行すること、③金銭の借入又は預貯金を引き出させるため、迷惑を覚えさせるような仕方でこれを勧誘する行為を禁止しました。

4. 不実告知・事実不告知についての取消権の行使期間の伸長

事業者が、通信販売を除く各取引における勧誘の際に、所定事項に関する不実告知又は事実不告知により、消費者が誤認して契約した場合、消費者は、その契約の取消権を行使できる。従来、この不実告知・事実不告知に基づく取消権の行使期間については、「追認できるとき」すなわち誤認に気づいたときから6ヶ月間とされていたところ、平成28年改正特商法法では、1年間に伸長されました。

なお、これとは別に、取消権は、契約締結日から5年を経過したときには、追認できるときの到来の有無に関わらず、行使できなくなります。この点は、従前の規定に変更はありません。

5. 通信販売におけるFAX広告に関する規制の導入

通信販売におけるFAX広告に関する苦情相談件数は、2009年度には約500件であったところ、2014年度には、その2倍を超える1257件にまで増加しています。このような実情を踏まえて、平成28年改正特商法では、通信販売におけるFAX広告に関して、以下の規制を導入しました。

すなわち、①請求・承諾のない消費者に対するFAX広告の原則禁止、②消費者のFAX広告に関する請求・承諾の記録の1年間の保存義務、③FAX広告送信を拒否する方法の表示義務及び拒否した消費者に対するFAX広告送信の禁止というものです。

上記の規制のうち、FAX広告に関する「承諾」を取得する際には、FAX広告が提供されるようになる事実につき消費者に認識されるような方法により承諾の取得を行う必要のある点に留意しましょう。たとえば、WEBサイトにおいて「商品サンプル希望のお客様は、FAX番号を入力下さい」との表示だけを行い、当該サンプルの申込者のFAX番号宛にFAX広告を送信する場合には、消費者の承諾を得たものではないとされます。

6. 定期購入契約に関する表示義務の追加・明確化

最近、通信販売の広告やインターネット通販において、頻繁にサプリメントなどの健康食品等の定期購入を勧誘するものを目にします。それに伴い、2015年には3906件ほどの健康食品等の通信販売に関する相談数は、2016年には13129件と飛躍的に増加しており、その70%以上は健康食品の通信販売に関する相談となっています。この種のトラブルにおいて、特に多いのは、初回は通常価格より低価格により購入できることを広告する一方、定期購入を条件としているような場合の取引です。

そこで、平成28年改正特商法では、定期購入契約に関しては、通信販売の広告やインターネット通販における申込・確認画面上において、定期購入契約である旨及び金額(支払代金の総額等)、契約期間、商品の引渡時期、代金の支払時期等を表示する義務を追加しました。

また、通信販売において、意に反して売買契約の申込みをさせようとする行為は禁止されているところ、インターネット通販における当該禁止行為の明確化を図る趣旨から、その判断について一定の指針が示されました。

それによれば、最終確認画面において、定期購入契約の主たる内容の全てを表示して、その画面上において注文確定ボタンを設定することは当該禁止行為には該当しない一方、定期購入契約の主たる内容の全てを表示していない場合あるいは容易に認識できないほど離れた場所に表示されている場合には当該禁止行為に該当するものとされています。

7. 電話勧誘販売における過量販売規制の導入

電話勧誘による化粧品販売等について、実際には既に必要十分であるのに、ついつい電話による勧誘を受けて、更に商品を購入してしまうトラブルの増加に対応するため、平成28年改正特商法では、以下の規制を導入しました。

すなわち、電話勧誘販売における、消費者が、その日常生活において通常必要とする分量を著しく超える商品の売買契約等について、これを行政処分の対象とするとともに、消費者は申込の撤回又は契約の解除を行うことができるようになりました。

もっとも、消費者の申込の撤回又は契約の解除については、親戚に配る目的、一時的に自宅の居住者の人数が増えるなど特別の事情がある場合には、例外として申込の撤回又は契約の解除はできません。

8. 美容医療契約の特定継続役務提供への追加

特商法の適用対象となる特定継続役務提供については、政令により、その具体的役務、期間、金額等を定めています。そして、近年増加している美容医療契約は、従来の政令において、特定継続役務提供として指定されていなかったことから、改正法において、追加されることになりました。

より具体的には、法令所定の方法による、①脱毛、②皮膚に付着しているものの除去又は皮膚の活性化、③皮膚のしわ又はたるみの症状の軽減、④脂肪の減少、⑤歯牙の漂白について、1ヶ月を超え、かつ、5万円を超える契約を締結して行うものを特別継続役務提供として指定しました。

また、特別継続役務提供において、いわゆるクーリング・オフや中途解約した場合には、関連商品の売買契約の解除を同様にできるところ、今回、一定の美容医療契約を特定継続役務提供として指定した関係から、その関連商品として、①いわゆる健康食品、②化粧品、③歯の漂白のために用いられるマウスピース及び歯の漂白剤、④美容を目的とする医薬品、医薬部外品が規定されました。

但し、このような関連商品でも、いわゆる消耗品については、使用又は消費した場合には、もはや売買契約の解除はできません。

9. 業務禁止命令の創設等

特商法は、不公正取引による消費者被害を防止することを目的の1つとしており、同法に違反する業者に対しては、一定期間の業務停止命令を発することができるところ、近時、悪質業者の中には、業務停止命令を受けた後、その会社の役員等が直ちに別の法人を立ち上げて実質的に業務を継続する事案などが発生していました。

そこで、平成28年改正特商法では、このような悪質な事案に対処するため、業務停止を命じられた個人事業主、法人の役員等に対して、停止の範囲内の業務を、新たに法人を設立して継続すること等を禁止しました。

また、平成28年改正特商法において、悪質業者に対する制裁強化のため、業務停止命令の最長期間は、従前の1年から2年に伸長されました。

平成28年改正の特定商取引法の影響

平成28年改正特商法の施行により、各関係事業者は、当然に、改正後の規制内容に対応する必要があります。たとえば、インターネット通販における定期購入契約に関する表示義務については、悪質業者でない業者でも、意図せずして消費者に容易に認識できない部分に契約内容を表示している場合もあり得ますから注意が必要でしょう。

また、FAX広告規制では、承諾取得の表示に加え、その保存義務など相応のコストを要することになるでしょう。

他方、消費者としては、規制の対象拡大及び強化により、救済される場面は増加するでしょう。

まとめ

特商法は、私たちに身近な取引を規律する法律である反面、その適用対象となる取引類型該当性、あるいは取引行為について、非常に複雑かつ細かい内容であるため、消費者及び事業者の双方にとって、実際の具体的対応において困ることも多いでしょうから、そのような場合には、適宜、弁護士等の専門家に相談するようにしましょう。

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