薬機法第66条とは?意味と罰則罰金・違反事例

健康美容にかかわる商品を扱うときによく関係してくるのが薬機法です。その中でも薬機法第66条は、注目度が高く、できるだけ知っておきたい条文のひとつです。

今回は薬機法第66条の内容について解説します。

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目次

薬機法とは?

薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。

規制の対象は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品です。

薬機法第66条の条文内容

第66条の条文を掲載します。

第六十六条
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

薬機法第66条の意味

意味としては「誇大広告等」です。

主に薬機法第66条1項が多くの方に関係します。

薬機法第66条に違反したときの罰則や罰金

薬機法第85条4号から、薬機法第66条1項または3項に違反した人は、2年以下の懲役もしくは200万以下の罰金、または併科となります。

罰則や罰金は上記の内容ですが、この他に措置命令、課徴金納付命令が行われる可能性があります。

薬機法第66条に違反したときの措置命令

薬機法第72条の5に、措置命令が定められています。

​​厚生労働大臣又は都道府県知事は、第六十六条第一項又は第六十八条の規定に違反した者に対して、その行為の中止、その行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置をとるべきことを命ずることができる。

措置命令の流れは以下のとおりです。

参照:厚生労働省

措置命令はいきなり行われるわけではなく、弁明の機会が付与されています。

また、措置命令が行われると、そのあとに課徴金納付命令もあります。

薬機法第66条1項に違反したときの課徴金納付命令

薬機法の課徴金制度が開始したのは、2021年8月1日で、薬機法第66条1項に違反した場合、課徴金納付命令が行われます。

第75条の5の2(課徴金納付命令)の条文内容は以下のとおりです。

第七十五条の五の二
第六十六条第一項の規定に違反する行為(以下「課徴金対象行為」という。)をした者(以下「課徴金対象行為者」という。)があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に係る医薬品等の対価の額の合計額(次条及び第七十五条の五の五第八項において「対価合計額」という。)に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。

2 前項に規定する「課徴金対象期間」とは、課徴金対象行為をした期間(課徴金対象行為をやめた後そのやめた日から六月を経過する日(同日前に、課徴金対象行為者が、当該課徴金対象行為により当該医薬品等の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して誤解を生ずるおそれを解消するための措置として厚生労働省令で定める措置をとつたときは、その日)までの間に課徴金対象行為者が当該課徴金対象行為に係る医薬品等の取引をしたときは、当該課徴金対象行為をやめてから最後に当該取引をした日までの期間を加えた期間とし、当該期間が三年を超えるときは、当該期間の末日から遡つて三年間とする。)をいう。

3 第一項の規定にかかわらず、厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、課徴金対象行為者に対して同項の課徴金を納付することを命じないことができる。
一 第七十二条の四第一項又は第七十二条の五第一項の命令をする場合(保健衛生上の危害の発生又は拡大に与える影響が軽微であると認められる場合に限る。)
二 第七十五条第一項又は第七十五条の二第一項の処分をする場合

4 第一項の規定により計算した課徴金の額が二百二十五万円未満であるときは、課徴金の納付を命ずることができない。

課徴金の金額は、売上の4.5%、最長3年です。

ただし、以下の場合には減額されます。

・景品表示法の課徴金納付命令があるとき、または命じられなかったとき(薬機法第75条の5の3)

・事業者が課徴金対象行為に該当する事実を報告したとき(薬機法第75条の5の4)

※景品表示法の課徴金納付命令があるときは、景品表示法の課徴金もあるので、減額されても合計4.5%になります。

薬機法第66条の違反事例

2015年6月12日、武田薬品の高血圧症治療薬「ブロプレス」に関する広告が薬機法第66条1項に違反するとして業務改善命令が行われました。

違反広告の内容は以下のとおりです。

・自社製品と他社製品の脳卒中等の発現率のグラフについて、統計的な有意差がないにもかかわらず、自社製品を長期間服用した場合の発現率が他社製品を下回る(他社製品のグラフと交差する)ことを強調するため、交差部分に「矢印」を用い、これを「ゴールデン・クロス」という最大級の表現で強調した。

・広告で用いたグラフは、正しいグラフに比べずれており、自社製品の脳卒中等発現率が低くみえる。

・「切り札」という強い表現で、「糖尿病」など本来の効能効果でない副次的効果を端的に提示。

参照:厚生労働省

まとめ

薬機法第66条は、課徴金制度も関係する重要な条文です。虚偽誇大広告にならないように、健康美容にかかわる商品の広告を扱う際は、十分に注意してください。

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