近年、ペットを飼う人が増えています。そんな中、色んな種類のペットフードが販売されていますが、ペットフードを販売する際は、一定のルールを遵守しなければなりません。
この記事では、ペットフードを販売したい人に向けて、必要な手続きや、遵守すべき法律などについて分かりやすく解説します。
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ペットフード販売は許可必要?
ペットフードを販売する場合、許可を得る必要はありませんが、製造を行う事業者は、農林水産省への届出と帳簿の備付けが必要となります。
届出については、主たる事務所がある都道府県を管轄する地方農政局等に、届出書・登記簿等の写し・担当者の名前や連絡先が分かるものを提出しなければなりません。
帳簿については、例えば、ペットフードの製造業者であれば、ペットフードの名称・数量・製造年月日、原材料の名称及び数量を記載する必要があります。そして、帳簿またはそれを記録した電子データについて2年間の保存が必要です。
ペットフードの届出様式はこちらのページで入手できます。
ペットフード安全法とは?
ペットフード安全法とは、正式名称を「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」といい、ペットフードの製造や販売などについて規制を設けることで、ペットフードの安全性とペットの健康を守ることを目的とした法律です。
先述した行政への届出と帳簿の備付けについても、この法律で定められています。
また、ペットフード安全法では、ペットフードの製造方法や表示の基準、成分の規格などが設定されており、この基準・規格に適合しないものの製造は禁止されています。
さらに、販売するペットフードには、①名称、②賞味期限、③原材料名、④原産国名、⑤事業者名及び住所、を日本で表示することが義務付けられています。
罰則についても定めがあり、基準に合わないものや有害物質を含むものを製造していた場合には、1年以下の懲役または100万円以下(法人の場合1億円以下)の罰金、届出を怠った場合には20万円、帳簿の不備や虚偽記載には10万円以下の罰金となっています。
ペットフード安全法の対象
対象となるペットフードは、総合栄養食、一般食の他に、おやつ、スナック、ガム、サプリメント、ミネラルウォーターなどで、犬・猫が食べるものです。
動物用医薬品等は、薬機法によって規制されます。
動物用医薬品に該当するかどうかは、成分・形状及びその物に表示された使用目的・効能効果・用法用量、販売方法、その際の演述・宣伝などを総合して判断されます。
ペットフード販売の届出事項
届出書に記載する事項は以下のとおりです。
①氏名・住所
法人の場合は、法人名・代表者の職名と氏名を記載し、氏名や住所を確認できる書面(登記簿謄本など)を添付して提出します。
個人の場合は、氏名・住所を記載し、その氏名と住所を確認できる書面(住民票・運転免許証の写しなど)を添付して提出します。
②ペットフードを製造する事業場の名称・所在地
製造する事業場が複数ある場合、届出書に全て列挙します。なお、事業場の名称がない場合でも、「本社工場」など事業場を特定する名称の記載が必要となります。
③販売業務を行う事業場、ペットフードを保管する施設の所在地
販売の事業場や保管施設が複数ある場合も、届出書に全て列挙します。なお、「販売業務を行う事業場」とは、売上げが計上される事業場のことで、「ペットフードを保管する施設の所在地」とは、保管する倉庫のことであり、自己所有の施設だけでなく、第三者が所有している施設も含まれます。
④ペットフードを使用する動物の種類
犬用のペットフードを販売する場合は「犬」、猫用の場合は「猫」と記載します。
⑤製造または輸入の開始年月日
事業を開始する予定の年月日を記載します。
⑥輸出用として製造するペットフードについてはその旨
輸出用がない場合は「輸出用はなし」と記載。輸出用のものがある場合、一部が輸出用であれば「輸出用を含む」、全てが輸出用であれば「全て輸出用」などと記載してください。
ペットフード販売の届出時期
ペットフード安全法に基づく届出は、製造や輸入の事業を開始する前に行わなければなりません。
また、届出事項に変更が生じた場合や、事業を廃止した場合や、事業譲渡などにより他の事業を承継した場合には、その日から30日以内に、登記簿等を添付して、届出を行う必要があります。
ペットフード販売に資格は必要?
ペットフード販売に必要な資格はありません。ただし、先述したとおり、届出や帳簿付けが必要な点には注意が必要です。
ペットフードの自宅製造は?
ペットフードの自宅製造は禁止されていません。ただ、製造場所として届出に自宅住所を書く必要があります。
また製造に関しては、製造管理や品質管理を行うことが求められています。
手作りペットフードの販売は?
手作りだから販売できないということはありません。ただ、事業者はペットフードの安全確保について第一義的な責任があり、安全な原材料や方法でペットフードを製造する必要があります。
ペットフードの法律違反事例3個
薬機法違反で逮捕
2023年9月27日、ペット用サプリメントを販売する会社役員の男性が薬機法違反の疑いで逮捕されました。
製品に「筋肉をつけるサプリメント」、「免疫機能を正常化させることでアレルギー症状が緩和」「アトピーやアレルギーの改善にオリゴ糖がサポート力を発揮します」など、医薬品に相当する効能効果を書いて販売していました。
景品表示法違反で措置命令
2023年6月14日、ペット用サプリメントを販売する企業が景品表示法違反(優良誤認表示)で措置命令を受けました。
優良誤認表示とされたのは以下の内容です。
(1)目が白濁している犬のイラストと共に、「年齢とともに不自由になっていくココ・・・ 若々しかった目の輝きもなくなったような・・・」という文言を書いて、そのあとに、目の周りにキラキラした光の加工を施した犬の画像と共に、「クリアで綺麗な透き通った気分に!」などの文言を書いて、犬の白濁した瞳が改善する効果が得られるかのように示す表示をしていました。
(2)アフィリエイトサイトで犬の白内障が治る効果が得られるかのように示す表示をしていました。
※アフィリエイトサイトの内容は広告主の責任になるため。
薬機法違反で書類送検
2023年5月31日、東京都・銀座にあるペットショップの代表の女性ら3人が、無許可で犬用のサプリメントを製造して販売した疑い(薬機法違反)などで書類送検されました。
サプリメントを売るときに、ホームページなどで「認知症予防」や「抗がん作用」などの効果をうたっていたためです。
まとめ
ペットフード安全法は、ペットの安全性を確保し、健康を保護することを目的とした法律です。製造や販売を行う際は、必ずこの法律を遵守する必要があります。よく調べず、軽い気持ちでペットフードを販売すると、法律違反となる可能性があるので注意が必要です。
<参考>
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わんにゃんベスト – 愛犬・愛猫の健康を第一に。
MediaStar_ペット – あなたに、よいもの伝えたい
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