アフィリエイトで捕まる?法律と違法・逮捕事例15個

アフィリエイトで捕まる?法律と違法・逮捕事例11個

アフィリエイトと聞くと、胡散臭そう・怪しいと思う人がいるかもしれません。アフィリエイトをやると警察に捕まる・摘発されるリスクがあるのでしょうか。

アフィリエイトがかかわる法律と違法な行為、逮捕事例について解説します。

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目次

アフィリエイトとは?

アフィリエイトとは成果報酬型広告のことを意味します。広告経由で成果とされる商品購入・無料登録・申し込みなどが行われると、報酬が得られる仕組みです。

自分で商品やサービスを持っていなくても、ASPを通して提携した商品やサービスをアフィリエイトという形で売ることができます。

※動画で見たい方はこちら

アフィリエイターが捕まる可能性がある法律5個と罰則

1. 薬機法

アフィリエイトでよく問題に挙がるのが薬機法です。

薬機法とは正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。改正前は、薬事法という名称でした。

<薬機法の目的>

この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

規制対象は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品です。

ただし、「〜〜という病気が治る」といった医薬品的効能効果を述べると、健康食品やサプリメントでも規制を受けます。

薬機法の広告規制は以下で定められています。

・第66条(虚偽・誇大広告等の禁止)
・第67条(特定疾病用医薬品の広告の制限)
・第68条(承認前医薬品等の広告の禁止)

そして罰則としては以下があります。

第66条に違反した場合、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこれを併科。

第67条に違反した場合、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれを併科。

第68条に違反した場合、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこれを併科。

2. 景品表示法

景品表示法とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」と言います。

<景品表示法の目的>

この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

景品表示法には「景品規制」と「不当表示規制」がありますが、アフィリエイトと主に関係するのは「不当表示規制」です。

不当表示規制には以下の3つがあります。
・第5条1号(優良誤認表示)
・第5条2号(有利誤認表示)
・第5条3号(その他の誤認されるおそれがある表示)

優良誤認表示

優良誤認表示とは、商品やサービスの品質、規格その他の内容についての不当表示であり、次のようなものです。

(1)内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
⇒具体例:カシミヤ100%と表示していたが実際は80%だった

(2)内容について、事実に相違して競争業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
⇒具体例:この技術は日本で当社だけと表示していたが、実際は競合も使用していた

有利誤認表示

有利誤認表示とは、商品・サービスの価格その他取引条件についての不当表示であり、次のようなものです。

(1)取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
⇒具体例:先着10名が割引料金と表示していたが、誰でも同じ料金だった

(2)取引条件について、競争業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
⇒具体例:他社商品の2倍の量と表示していたが、他社と同程度の量だった

参考:表示規制の概要

その他の誤認されるおそれがある表示

5条3項では、以下の表示を規制しています。

・無果汁の清涼飲料水等についての表示
・商品の原産国に関する不当な表示
・消費者信用の融資費用に関する不当な表示
・不動産のおとり広告に関する表示
・おとり広告に関する表示
・有料老人ホームに関する不当な表示
・一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(ステマ規制)

不当表示規制に違反した場合、措置命令や課徴金納付命令を受ける可能性があり、措置命令に従わなかった場合には、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金があります。

3. 著作権法

著作権とは、著作物を創作した著作者に著作権や著作者人格権という権利を付与して、その利益を保護する法律のことです。

<著作権法の目的>

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

著作物には、写真・イラスト・小説・音楽・プログラムなどがあり、権利者に無断で投稿や配信をしたり、複製したりすると著作権違反になるおそれがあります。

そして著作権を侵害した場合の罰則は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または併科となります。

4. 税にかんする法律

税にかんする法律とは、所得税法や法人税法になります。税金を過少申告したり、無申告だったりした場合には、刑罰を科されるおそれがあります。

虚偽の過少申告や無申告をした場合の罰則は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または併科です。

5. 刑法

刑法とは、犯罪と刑罰に関する法律です。教唆や幇助をする者も罰せられます。

罰則は、犯罪の内容により、大きく変わります。例えば、常習賭博の幇助の場合、刑法第186条に「常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。」とあり、正犯の刑である「三年以下」を減軽したものが罰則となります。

アフィリエイトでよくある違法行為

アフィリエイトでよくある違法行為としては以下のようなものがあります。

・化粧品でシワが無くなったと表現して勧める
・健康食品で◯◯の病気が良くなったと表現して勧める
・これを飲めばすぐマイナス◯キロと表現してサプリメントを売る
・画像を違法に利用してサイトやSNSを運営する
など。

ステマ規制に違反すると逮捕される?

ステマ規制の規制対象は、広告主である事業者であり、アフィリエイターは対象ではありません。

しかし、アフィリエイターのステマ規制違反によって事業主が摘発された場合には、事業者とトラブルを抱えたり、成果の承認が降りなかったりする可能性が高くなるでしょう。

参考:PR表記ルールと具体例!義務?PR表記なしはステマ扱い?

アフィリエイトの逮捕・行政処分事例15個

アフィリエイトがかかわった逮捕や行政処分事例を紹介します。

1. ステラ漢方事件

2020年7月20日に健康食品を販売していた会社の社員と広告代理店の社長らが逮捕されました。

大阪府警は20日、体験談を書いたような記事広告を通じて健康食品を販売していたとして、健康食品通販会社「ステラ漢方(株)」(福岡市博多区)の従業員や広告代理店社長ら6人を医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告禁止)の疑いで逮捕した。

ステラ漢方が販売する健康食品「肝パワーEプラス」について、容疑者が医薬品および薬剤師の資格がないにも関わらず、アフィリエイトなどのウェブ広告で「肝臓疾患の予防に効果がある」「無敵の肝臓を手に入れる」と、第三者が語ったような記事広告を掲載・宣伝した疑い。

参照:data-max

2. 健康食品を販売するアフィリエイターが書類送検

2021年3月17日、薬機法違反表現で商品を販売していた男性が書類送検されました。

国の承認がない健康食品が痛風や糖尿病に効くと自身のサイトで宣伝したとして、大阪府警は17日、医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告禁止)の疑いで、神奈川県茅ケ崎市の自営業の男性(51)を書類送検した。

参照:千葉日報

3. 海外医薬品のアフィリエイトで逮捕

2023年2月9日、緊急避妊薬やうつ病の治療薬など、国内未承認の医薬品のアフィリエイト広告を行った男性が薬機法違反(未承認医薬品の広告禁止)で逮捕されました。

逮捕容疑は自身が開設したホームページ(HP)で昨年9月6日~10月2日、厚生労働相の承認を得ていない緊急避妊薬など6点の効能を広告するなどした疑い。

県警によると、男は副業としてアフィリエイト(ネット広告)用のHPを複数開設。月10万円前後を報酬として得ていたが、容疑となったHPでは、香港の個人輸入代行業者が取り扱っている医薬品や化粧品、サプリなど23種類を紹介していた。

参照:Yahooニュース

4. 健康食品・医薬部外品を販売する2社に措置命令

2023年3月28日、東京都はアフィリエイト広告等により不当な広告を行っていた事業者2社に対して、景品表示法にもとづく措置命令を行いました。

広告代理店やアフィリエイターが作成したページでの表示でしたが、広告主の責任となりました。

⑴ツインガーデンは、「B.B.B(トリプルビー)」と称する 食品を一 般消費者に販売するに当たり、アフィリエイトサイト等において、別表 のように表示すること等により、 あたかも、トリプルビーを摂取することで、筋肉の増加が促進され又は筋肉の減少が抑制され、代謝能力を高め太りにくく痩せやすい体質に変えることができ、運動をしなくても、顕著な痩身効果を得られるかのように示す表示等 を行っていました。

⑵エムアンドエムは、「アンリンクル」と称する医薬部外品を一般消費者に販 売するに当たり、広告代理店に制作させたウェブページにおいて、別表 のように表示すること等により、 あたかも、アンリ ンクルを使用することで、数秒間等の極めて短い時間で、目や口の周辺等について、いわゆる美容医療と同様のシワ改善効果を得られるかのように示す表示等 を行っていました。

参照:東京都の指導

5. 育毛剤で措置命令

2021年3月3日に消費者庁は、育毛剤「BUBKA ZERO」(ブブカゼロ)を販売している会社に景品表示法違反で措置命令を行いました。

問題の広告は成功報酬型のアフィリエイト広告。同庁によると、アフィリエイト広告で同法に基づく措置命令を出したのは初めて。

消費者庁によると、同社は2018年6月からブブカゼロを販売。「たった2カ月で髪がフサフサになった」などと書かれた広告がニュースサイトに表示された。

今回の広告は掲載される前後に会社側が内容を確認しており、消費者庁は「販売会社が広告内容の決定に関わった」と判断した。

参照:日本経済新聞

6. 健康食品などを販売する会社に措置命令

2018年6月15日、消費者庁は健康食品や化粧品等を販売する会社「ブレインハーツ」に景品表示法違反で措置命令を行いました。

対象商品は5商品で、例えば、健康食品では7日間摂取するだけで、その後1か月間にわたり痩身作用が持続し、容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示を行っていました。

この事件では、対象の表示媒体にアフィリエイトサイトが含まれることが示され、アフィリエイトサイトの内容が優良誤認表示や有利誤認表示に当たると判断されました。アフィリエイトに初言及した事件とされています。

参照:消費者庁

7. 豊胸サプリ販売会社に措置命令

2021年11月9日、豊胸サプリメントを販売する株式会社アクガレージおよびアシスト株式会社に、景品表示法に基づく措置命令が行われました。

優良誤認表示が認められた表示媒体に、インスタグラムの投稿とアフィリエイトサイトが含まれていました。

参照:消費者庁

8. 著作権法違反で逮捕

2007年5月14日、書籍の内容を無断でアップロードしていた男性が著作権法違反の疑いで逮捕されました。

学習研究社が発行する書籍「最新版 香水の教科書」の文章のほぼすべてとなる109章分を無断で複製し、自身が運営するウェブサイトに掲載していた。不特定多数のインターネットユーザーに対して自動的に送信できる状態として、同書の作者である榎本雄作氏の著作権(公衆送信権)の侵害にあたる。

警察の調べによると、男性はアフィリエイト収入を得るために、無許諾で本の文章を複製・掲載していたことを供述しているという。

参照:CNET Japan

9. ネタバレサイトの運営で逮捕

マンガ雑誌に掲載されたワンピースや東京喰種などのイラストやセリフ、あらすじなどを無断で公開していたため、運営者ら5人が著作権法違反の疑いで逮捕されました。

参照:INTERNET Watch

10. リーチサイトの運営で逮捕

2022年11月15日、海賊版サイトに閲覧者を誘導するリーチサイトを運営していた男性が、著作権法違反の疑いで逮捕されました。

リーチサイトは2020年10月施行の改正著作権法で刑事罰の対象になっていました。

参照:読売新聞

11. リーチサイトの運営で逮捕(2)

2023年5月8日、人気映画の海賊版へ利用者を誘導するリーチサイトを運営していた男性が、著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で逮捕されました。映画の海賊版4本をネット上にアップロードして、自身が運営するリーチサイトにリンクを掲載していたようです。

リーチサイトのアクセスは500万回以上で、広告収入は1000万円以上だったとのことです。
参照:読売新聞

12. フェイク広告で書類送検

2023年3月13日、育毛サプリのネット広告で、京都市内の発毛サロンのホームページに掲載されていた写真を無断で使用していたため、男性が著作権法違反の疑いで書類送検されました。

13. 廃業病院のウェブサイト復元で書類送検

2024年9月、千葉県内にあった廃業病院のドメインをオークションで購入してサイトを復元し、写真事務所が撮影した院内の画像などを無断で使用したとして、大阪市北区に住む広告会社の男性役員が著作権法違反の疑いで書類送検されました。

復元した病院のサイトに健康食品やサプリメントなどの広告を掲載し、その売り上げの一部を報酬として得ていました。

14. 脱税容疑で告発

FXのアフィリエイト広告で得た収入を申告せず、約5400万円を脱税した男性が所得税法違反容疑で、国税局から静岡地検に告発されました。

参照:朝日新聞

15. 常習賭博幇助で逮捕

2024年9月19日、海外のオンラインカジノに利用客を勧誘したとして、女性が常習賭博幇助(ほうじょ)の疑いで逮捕されました。

海外で合法な海外オンラインカジノサイトでも、日本国内で利用することは「賭博罪」、常習的な場合は「常習賭博罪」にあたります。

アフィリエイトで捕まらないための注意点3個

1. 法律を理解する

薬機法、景品表示法などアフィリエイトを行うときにかかわる法律は様々ありますが、これらの内容を把握して、違反行為を行わないことが大切です。

すべてを正確に理解することは難しくても概要を把握するだけで変わります。

当サイトでも薬機法や景品表示法の解説を多数行っていますので、アフィリエイト広告で紹介したい商品があれば、どんな規制が絡んでいるのか確認する際に役立ててください。

2. 過度な表現を使わない

売りたい気持ちが強くなって過度な表現を使うのはNGです。その商品が直接的に関係しているか分からない効果を表現したり、大げさにアピールしたりすることは避けましょう。

そういった行為を行うと、その表現が薬機法や景品表示法に違反する可能性が高くなります。

3. 怪しい商品は避ける

怪しい商品のアフィリエイト広告は避けましょう。そもそもの商品販売ページで違反表現が使われていることもあります。海外商品の場合は特に注意しましょう。

例えば、海外のサプリメントを海外のサイトで書かれている内容を使って販売すると、薬機法違反の表現を使ってしまうことも考えられます。

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まとめ

アフィリエイト自体は違法行為ではありません。市場規模が大きく、ビジネスチャンスもあります。アフィリエイトを行うにあたって捕まらないかどうか心配になった人は、今回の内容を参考に、安全に行ってください。

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この記事を書いた人

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