コンタクトレンズは販売許可必要?法律規制・個人輸入は?

コンタクトレンズといえば、いまや目の悪い人が視力の補正のためにするイメージだけでなく、カラーコンタクトレンズなど、おしゃれのためのアイテムとしてのイメージも強いですよね。

コンタクトレンズを販売するときには許可や資格が必要なのでしょうか。カラーコンタクトレンズの規制は?さらに、個人輸入の場合の規制や注意点などについて詳しく解説します。

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目次

コンタクトレンズは薬機法(旧薬事法)規制対象?


薬機法(旧薬事法)は、次のようなことを目的とする法律です。

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする(1条)

薬機法(旧薬事法)で「医療機器」とは、「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるもの」(2条4項)のことをいいます。コンタクトレンズもこれにあたることになります。

そして、医療機器は人体に与える影響によってさらに分類されていますが、コンタクトレンズは、その中でもっとも厳格な規制をうける高度管理医療機器に分類されています。

高度管理医療機器とは、医療機器であって、副作用又は機能の障害が生じた場合(適正な使用目的に従い適正に使用された場合に限る。)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、その適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの(2条5項)をいいます。

このような高度管理医療機器に分類されるものとしては他に脳用カテーテル、植込み型心臓ペースメーカなどがあり、コンタクトレンズも人体に与える影響が懸念されるものとしてこれらの物と同じ規制を受けます。

<医療機器の分類>

分類意味具体例
クラスI
(一般医療機器)
不具合が生じても、人体へのリスクが極めて低いと考えられるものメス、ピンセットなど
クラスII
(管理医療機器)
不具合が生じても、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの血圧計、補聴器など
クラスIII
(高度管理医療機器)
不具合が生じると、人体へのリスクが比較的高いと考えられるものコンタクトレンズなど
クラスIV
(高度管理医療機器)
患者への侵襲度が高く、不具合が生じると、生命の危険に直結するおそれがあるものペースメーカーなど

カラーコンタクトレンズは薬機法の規制対象?

平成21年11月4日から、薬事法施行令の一部を改正する政令の施行に伴う関係省令の整備及び経過措置に関する省令(平成21年4月28日厚生労働省令第106号)により、視力補正を目的としないおしゃれのためのカラーコンタクトレンズについても、高度管理医療機器として薬機法の規制対象となりました。

これは、カラーコンタクトレンズも、通常のコンタクトレンズと同じように適正に使用しなければ目に障害を生じさせる可能性があるからです。

コンタクトレンズを販売するときの許可・資格

カラーコンタクトレンズ
このようにコンタクトレンズ、おしゃれ用のカラーコンタクトレンズが高度管理医療機器に分類されていることにより、その製造や輸入、販売にあたっては規制があります。

製造・輸入時の規制

コンタクトレンズを業として輸入する場合は薬機法(旧薬事法)に基づき、医療機器製造販売業許可や、医療機器製造業許可や品目ごとの承認取得等が必要です。

販売時の規制

営業所ごとに「高度管理医療機器等販売・賃貸業許可」を取得する必要があります。輸入後に包装・表示・保管を行い販売する場合は「製造業許可(許可区分:包装・表示・保管)」が必要です。

そして、販売には以下の管理者が必要です。

【施行規則第162条第2項】
・高度管理医療機器等(プログラム高度管理医療機器を除く。)の販売等に関する業務に1年以上従事した後、厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習を修了した者
・厚生労働大臣が上記1.と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
・施行規則第162条第1項の管理者の基準を満たす者
参考:神奈川県薬務課

コンタクトレンズは、処方箋なしでも販売できますが、日本コンタクトレンズ協会が設けている「コンタクトレンズ販売自主基準」により、「眼科医の処方・指示に基づく販売」が推奨されています。

コンタクトレンズを個人輸入する場合の注意点

海外個人輸入
コンタクトレンズは、個人が自分用に輸入することは、認められます。ただし、自分のために使用する量として適切な数量である必要があり、使い捨てコンタクトレンズは、2カ月分以内、1週間使用のもの8ペア、1日使用のもの60ペアまでに限られています。また、他人へ譲ったり、売ったりすることはたとえ家族であっても許されません。

ただし、先ほども述べたようにコンタクトレンズは、目に重大な障害を及ぼすおそれのある医療機器です。自己判断で使用することは危険です。

海外で流通しているコンタクトレンズは、日本国内で正規に流通しているものと異なり、性能や安全性の確認がされていません。日本で流通している製品と同じ効果や着け心地とは限りませんし、目に有害な成分が含まれている可能性もあります。

また衛生面でも不安があります。これによって感染を引き起こし、コンタクトレンズが目に直接触れさせて使用することを考えると、最悪の場合失明する危険性もあるでしょう。

また、広告が虚偽の場合もありますし、外国語が完璧に理解できず輸入の際や使用の際に誤解が生じる可能性もあります。

このような規制や危険性があることを理解した上で、必要性を考えて個人輸入をすることが必要でしょう

まとめ

コンタクトレンズは、視力の補正のみならず、黒目がちに見せたり、瞳の色を変化させるなどおしゃれのために使われるようになって、その需要は拡大しています。

しかし、需要が拡大すればするほど、気軽に使用するようになり、コンタクトレンズが人体に重大な影響を与える可能性がある医療機器であることを忘れて使用してしまいそうになります。

しかし、コンタクトレンズは、目という身体の重要な器官に直接触れさせて使用するもので、医療機器の中でも特に厳格な規制が及ぶ高度管理医療機器であることを忘れてはいけません。薬機法(旧薬事法)に違反しないようにその取扱いに気を付けることが必要です。

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