手作り化粧品販売の許可や資格は?危険?ハンドメイドを売るには?

手作り化粧品販売の許可や資格は?危険?ハンドメイドを売るには?

手作り化粧品を販売するには許可や資格が必要なのでしょうか。ハンドメイド製品の人気もあって手作り化粧品に取り組む人もたくさんいますが、販売は危険な行為なのでしょうか。

無料PDFプレゼント「薬機法OK・NG表現がわかる具体例集148個」

目次

手作り化粧品販売に許可や資格は必要?

薬機法では、化粧品を販売するには許可(化粧品製造販売業許可・化粧品製造業許可)が必要であると定めています。

そのため、人体に使う手作り化粧品を何の許可もなく販売すると、薬機法違反になります。ただ、自分のためだけに使うものであれば、問題ありません。

状況別の必要な許可の要否については以下を参考にしてください。

状況化粧品製造販売業許可化粧品製造業許可
自社で国内製造後、自社ブランドで出荷販売
他社で国内製造後、自社ブランドで出荷販売
自社で国内製造後、他社ブランドで出荷販売
海外製品を輸入し、自社ブランドで出荷販売
海外から他社が輸入し、自社ブランドで出荷販売
海外から自社が輸入し、他社ブランドで出荷販売

化粧品製造販売業許可

化粧品製造販売業許可とは、化粧品を市場へ出荷するために必要な許可です。

製品に対して最終的な責任を負う必要があり、製品の品質・安全性に関して情報収集・分析・評価を行い、必要な措置を講じることが求められます。

化粧品製造業許可

化粧品製造業許可とは、化粧品の製造(包装、表示、保管行為も含む)をするために必要な許可です。

手作り化粧品は雑貨で売れる?

手作り化粧品は許可がなくても雑貨(雑品)として売ることは可能です。ただ、人体への使用目的であれば、雑貨として売ることはできません。

雑貨としては例えば、洗濯用石鹸や台所用石鹸があります。

洗濯用石鹸純石けん分の含有重量が界面活性剤の総含有重量の70%以上
台所用石鹸純石けん分の含有重量が界面活性剤の総含有重量の60%以上

参考:消費者庁

手作り石鹸の販売に許可は必要?

手作り石鹸は人気がありますが、人体に使うものであれば、許可が必要です。自宅で作ってフリマアプリやバザーなどでそのまま販売することはできません。

手作り石鹸の販売では、書類送検事例も出ています。

2021年1月、高級ブランド「シャネル」に似せたロゴ入りのせっけんをフリマサイトで販売した女性が薬機法違反(無許可製造販売)、商標法違反で書類送検されました。

「手作りせっけんコロナ対策」「こんなご時世なので楽しく手洗いできるせっけんを作りました」などとうたって出品していました。

手作りリップクリームの販売に許可は必要?

リップクリームは商品が人体に使用するものであると考えられるため、販売には許可が必要です。

自分で作って販売する場合、化粧品製造業許可と化粧品製造販売業許可が必要です。

手作り化粧品の無料プレゼントで許可は必要?

無料プレゼントであれば許可は不要に思えるかもしれませんが、プレゼントは授与行為であり、規制が及びます。

そのため、無料プレゼントでも許可が必要です。

例えば、自社で経営するエステサロンのお客様に、手作り化粧品をプレゼントするような行為は違法となります。

化粧品製造販売業許可の取得方法

化粧品製造販売業許可を取得するための要件は以下です。

(1)GQP省令に適合

品質管理の方法が、医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(GQP省令)に適合していることが必要です。

(2)GVP省令に適合

製造販売後安全管理の方法が、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(GVP省令)に適合していることが必要です。

(3)申請者が欠格条項に該当しない

申請者(法人であるときはその業務を行う役員を含む)が欠格条項に該当しないことが必要です。

※欠格条項
イ.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から三年を経過していない者

ロ.禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、三年を経過していない者

ハ.イ及びロに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から二年を経過していない者

ニ.成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者

ホ.心身の障害により医薬部外品の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める者

(4)総括製造販売責任者の設置

総括製造販売責任者になるためには、次のいずれかに該当する必要があります。

①薬剤師

②旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者

③旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した者

④厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

化粧品製造業許可の取得方法

化粧品製造業許可を取得するための要件は以下です。

(1)構造設備が規則に適合

製造所の構造設備が、薬局等構造設備規則に適合している必要があります。

(2)申請者が欠格条項に該当しない

申請者(法人であるときはその業務を行う役員を含む)が欠格条項に該当しないことが必要です。

※欠格条項
イ.医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から三年を経過していない者

ロ.禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、三年を経過していない者

ハ.イ及びロに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があった日から二年を経過していない者

ニ.成年被後見人又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚せい剤の中毒者

ホ.心身の障害により化粧品の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める者

(3)責任技術者の設置

化粧品製造業の責任技術者になるためには、次のいずれかの条件を満たす必要があります。

①薬剤師

②旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者

③旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品又は化粧品の製造に関する業務に3年以上従事した者

④厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

まとめ

手作り化粧品を販売するには適切な手続きをとる必要があります。自宅で作ってそのままお客様にフリマアプリ、SNS、ネットショップなどで販売することはできません。

法規制を押さえて、適切な方法で販売しましょう。

参考になったらシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

薬機法や景品表示法の情報発信をしています。
Twitter
Facebookのフォローをお願いします。

コメント

コメントする

目次