薬機法NGワード例とOK表現30選!表現チェック・言い換え

薬機法(旧薬事法)がかかわる美容健康商品の広告やマーケティングでどんな言葉や表現を使っていいのか分からずに困っている人も多くいます。

今回は、薬機法のNGワード表現の具体例とOK表現を紹介します。表現チェックや言い換えで迷ったときの参考にしてください。

PDF無料プレゼント「薬事法OK・NG表現がわかる!薬事表現の具体例集148」

目次

薬機法とは?

薬機法がどんな法律なのかは、薬機法第一条に書かれてある目的でわかります。

第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、

指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

薬機法の対象

薬機法の対象は、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」及び「再生医療等製品」です。

健康食品やサプリメントは上記の中に含まれていませんが、医薬品的効能効果を述べると、薬機法の規制が及びます

ここから「化粧品」「健康食品・サプリメント」についてNGワードの表現例とOK表現を紹介します。

薬機法NGワード具体例とOK表現15個[化粧品]

化粧品のNGワードの具体例とOK表現を紹介します。

NG表現OK表現
シミが消える肌を整えて、明るい印象を与える
シワがなくなるハリと潤いを与え、若々しい印象の肌へ
ニキビが治る肌を清潔に保ち、健やかな状態へ導く
アンチエイジング・若返るエイジングケア※で健やかな肌をサポート
※年齢に応じたケアを意味します
肌が明るくなる透明感のある肌へ
※保湿による肌印象
美白になるくすみ※をケアして、明るい印象の肌に
※乾燥による肌の印象を指します
小顔になる引き締まったハリのある肌に
肌荒れが治る肌を保湿し、健やかに保つ
毛穴が完全になくなる洗浄により、毛穴すっきり
かゆみを治す肌を保湿し、健やかな状態を保つ
皮膚再生を促進する肌を整え、潤いを与えることでハリのある肌へ
黒ずみを根本から除去毛穴汚れを優しく落とし、透明感のある肌へ
絶対安全厳選された成分で作られた化粧品
医師の推薦科学的根拠に基づいた処方
肌の疲れを癒やす気持ちのいい使用感で、気分がリラックス

薬機法NGワード具体例とOK表現15個[健康食品・サプリメント]

健康食品・サプリメントのNGワードの具体例とOK表現を紹介します。

NG表現OK表現
腸内環境がよくなる腸まで届く
※腸に作用する表現はNG
飲むだけでやせる体型維持をサポート
便秘解消爽快な毎日をサポート
高血圧の改善健康な毎日を応援
肝機能がよくなる健康的な体を維持するお手伝い
古くから◯◯の薬として愛飲されてきた古くから健康を支える食品として親しまれている
学会で◯◯に効果があると発表された◯◯に関する研究が進んでいる
免疫力アップ体調管理のために
バストアップ女性の健康的な体づくりをサポート
身長が伸びる成長期に必要な栄養を補う
認知症に効く年齢を重ねても活き活きとした生活をサポート
老化を防ぐ美しく年を重ねたい方の栄養をサポート
疲れが一瞬で取れる元気な生活をサポート
花粉症を予防する季節の変わり目が気になる方の健康維持をサポート
ホルモンバランスを整える心と体の調子を整えたい方に

薬機法でNGとなる表現例

ここでは、具体的なワードだけでなく、どんな表現がNGとなるのか、医薬品等適正広告基準を参考に紹介します。

表現説明
製造方法等の優秀性「最高の技術」などの最大級の表現、または「理想的な製造方法」などの最大級の表現に類する表現は、認められない。
安全性の保証や副作用「安全性は確認済み」「副作用の心配はない」など、安全性を保証する表現は認められない。
臨床データ等の例示臨床データや実験例等を例示することは消費者に対して説明不足となり、かえって効能効果や安全性について誤解を与えるおそれがあるため。
併用に関する表現承認など併用を認められた場合を除き、併用に関する表現は認められない。
「すぐれたききめ」「よくききます」の表現キャッチフレーズ等の強調表現として使用することは認められない。
誹謗広告他社の製品の品質等について実際のものより悪く表現したり、事実を表現したりするものは認められない。
比較広告漠然と比較する場合でも禁止内容に抵触するおそれがある。自社製品の範囲で、その対照製品の名称を明示する場合に限定すれば可能。

化粧品の効能効果の範囲

化粧品の効能効果の範囲は以下の56個です。

頭皮や毛髪
(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。

皮膚や肌
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。

芳香
(38)芳香を与える。


(39)爪を保護する。
(40)爪をすこやかに保つ。
(41)爪にうるおいを与える。

口唇
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

歯・口の中
(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。

皮膚
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。

注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。

薬用化粧品(医薬部外品)の場合は、有効成分が配合され、承認された効能効果が表現できます。

健康食品・サプリの効能効果の範囲

健康食品やサプリメントでは、次の3類型の表現はできません。

①疾病の治療又は予防を目的とする効能効果

(例)糖尿病がよくなる、動脈硬化の人に、ガンがよくなるなど

②身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効能効果

ただし、栄養補給、健康維持等に関する表現はこの限りではありません。

(例)疲労回復、体力増強、食欲増進、老化防止、若返り、心臓の働きを高める、血液を浄化する、病気に対する自然治癒能力が増すなど

③医薬品的な効能効果の暗示

種類表現例
名称又はキャッチフレーズよりみて暗示するもの延命○○、不老長寿、百寿の精、漢方秘法など
含有成分の表示及び説明よりみて暗示するもの体質改善、健胃整腸で知られる○○○○を原料、など
製法の説明よりみて暗示するもの植物○○○○を主剤に、△△△、×××等の薬草を独特の製造法によって調製
起源、由来等の説明よりみて暗示するもの○○○という古い自然科学書をみると胃を開き、欝(うつ)を散じ、消化を助ける、などが書かれてある
新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、経験談などを引用又は掲載することにより暗示するもの医学博士の談で「昔から赤飯に○○○をかけて食べると癌にかからぬといわれている」など

薬機法NG表現のチェック方法

①医薬品的な効能効果がないか確認する

よくある違反内容が、医薬品的な効能効果まで表現してしまうことです。

そして「疾病の治療・予防」や「身体の機能を増強、増進する」効能効果を謳うことは禁止されています。

広告文章やバナー、デザインなどに「治す」「改善する」「予防する」などの言葉や、病気の名前を含む表現がないか徹底的にチェックしましょう。

②誤解を与える表現がないか確認する

「絶対安全」「100%効果がある」「必ず痩せる」などの誇大表現がないか確認しましょう。

また、広告内容によって消費者が、事実とは異なる期待を抱く可能性がないかチェックしましょう。

写真、イラスト、グラフなどで暗示している場合もNGなので確認してください。

③ダブルチェックする

1人だけだと間違って覚えていたり、見逃したりするリスクがあります。2人以上でチェックすれば、それらのミスを防ぎ、正しい表現を使える可能性が高まります。

また教え合うことにより、その後のミスを減らすこともできるでしょう。

④専門家に確認を依頼する

知識の不十分な担当者やチェックツールだけでは不安が残ります。

例えば、表現内容が同じでも、商品の種類や前後の文章の意味合いによって、OK・NGが変わることもあります

また、画像や動画などはツールで確認できない場合もあるでしょう。

そのような場合には、知見の豊富な専門家に依頼するのが安心です。

薬機法違反したときの罰則・リスク

薬機法第66条の誇大広告等や、第68条の未承認医薬品に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科です。

そして、措置命令や課徴金納付命令のおそれもあります。

措置命令

措置命令は、薬機法第72条の5、に定められており、違反広告の中止や再発防止などを求められます。

<対象>
・第66条第1項
・第68条

<具体例>
・違反したことを関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・その違反行為を将来繰り返さないこと
など

課徴金納付命令

課徴金納付命令は、薬機法第75条の5の2、に定められており、課徴金の納付が求められます。

<対象>
・第66条第1項<課徴金の金額>
・課徴金対象期間の商品売上の4.5%(最長3年間)
・225万円未満の場合は課徴金なし

<減額>
・同一事案に対し、景品表示法の課徴金納付命令がある場合
⇒3%を減額して1.5%

・自ら報告した場合は、50%相当額を減額

まとめ

薬機法のNGワードはたくさんあります。すべての確認がしきれないことも多いでしょう。

特に広告を多数制作している場合や、広告代理店・インフルエンサーなどを活用している場合には自社だけでチェックしきれず、違反表現が使われていることもあります。

自社だけでチェックできないときは、外部の専門家を利用することも重要です。

また、商品を販売するうえで、薬機法以外に、景品表示法・特定商取引法などの法律も関係します。これらにも配慮しながら、広告を行うようにしてください。

参考になったらシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

薬機法や景品表示法の情報発信をしています。
Twitter
Facebookのフォローをお願いします。

コメント

コメントする

目次