最近は白く透きとおったような肌が人気であり、「透明感」と謳った化粧品広告をよく見かけます。
「透明感」は、とても魅力的で消費者の購買意欲を掻き立てる表現ですが、広告の表現には法律規制があり、知らないうちに法律に抵触していた・・・という広告主も少なくないようです。
この記事では、「透明感のある肌」という表現について、法律上どのような規制があるのか、どのような表現であれば使用できるのかを説明します。
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透明感ある肌の意味とは?
「透明感のある肌」とは、うるおいのある白い肌のことを表します。透きとおった白い肌に、ハリがあって弾けるようなみずみずしさが特徴であり、誰もが憧れる状態の肌と言えます。
また、透明感には光の反射が大きく関わっており、肌に当たった光が、肌の表面や内部で反射し、反射する光の量が多いほど、透明感があるように見えます。
反射する光の量は、肌の凹凸で決まるため、うるおいがあってキメが整っていることが重要となるのです。こういった肌になるために、日々の保湿や、化粧水や美容液などの丁寧なスキンケアが重要となります。
薬機法で化粧品の透明感ある肌は表現OK/NG?
薬機法上、化粧品の「透明感のある肌」という表現の使用はOKです。
ただし、洗顔やクレンジングなどで肌の汚れを落とす効果や、メーキャップによる物理的な効果、保湿による肌の印象効果などを標ぼうする場合に限ります。
商品の種類 | OK表現 |
洗顔料 | 汚れを落とすことで透明感のあるお肌に |
ファンデーション | シミ・ソバカスをカバーし透明感のあるお肌に |
化粧水 | みずみずしく透明感のあるお肌に |
一方、化粧品により、肌の機能自体が向上するような意味合いでは使用するのはNGです。
商品の種類 | NG表現 |
美容液 | 白く透明感のあるお肌に |
化粧水 | みるみる透明感が増す |
なぜなら、「透明感」には、肌が白いという意味合いがありますが、単に美容液や化粧水を使用することで、「肌が白くなる」という効果を標ぼうすることは、薬機法上承認された効果の範囲を逸脱するからです。
薬機法上、化粧品の効果として承認された「うるおいのある肌」や、「みずみずしい肌」や、「明るい印象に」程度の表現に留める必要があります。
化粧品の効能効果として表現できる56個の範囲を超えないように注意しましょう。
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薬機法でクリアな肌は表現OK/NG?
「クリアな肌」も「透明感のある肌」とほぼ同じ意味合いなので、肌を清浄する効果や、メーキャップ効果を標ぼうする場合に限り、使用できます。
当然、化粧品を使用することで「肌が白くなる」ような表現をすると薬機法違反となる点に注意が必要です。
透明感の化粧品キャッチコピー
「透明感」という言葉が入った化粧品のキャッチコピーや広告文章を掲載します。最近は薬用化粧品の割合が増え、薬用化粧品の広告文章でも頻繁に使われています。
「透明感」を保湿効果による肌の印象として使用しているケースが多く見られます。
化粧品の種類 | 文章 |
化粧水 | みずみずしく透明感あふれる素肌へ |
化粧水 | 豊かなコクのある感触で深く潤う透明感ある肌へ |
美白化粧水 | すこやかで透明感あふれる素肌へ |
リップ | リップカラーの映える、つるんとした透明感のある唇へ |
シートマスク | 透明感をアップしたい方へおすすめのフェイスパック |
透明感を表現する時の注意点
透明感を表現する時の注意点は、以下の2つです。
・薬機法上化粧品として承認された表現を逸脱しないこと
・医薬品的な表現をしないこと
薬機法では、化粧品の効果として承認された範囲内でのみ表現できると定められています。
「透明感」は、透けるように白いという意味合いがあり、一般消費者にもそのように認識させる表現です。
先述したように、肌の清浄やメーキャップ以外の効果として、肌が白くなると表現すると、化粧品として承認された効果の範囲を逸脱します。
また、薬機法上、化粧品の効果について、医薬品のように治療効果があると消費者に認識させる表現の使用は禁止されています。
「透明感」を、「肌が白く変化する」という意味合いで使用すると、肌自体の色を変化させる薬理作用があり、医薬品の効果があるような表現であると判断される可能性があります。
まとめ
「透明感のある肌」のような、とても魅力的で、消費者の購買意欲を高める表現は、法律で厳しく規制されます。
規制があることで訴求力が弱くなってしまうなど、不便なことが多いかもしれませんが、もし規定に違反し、行政の指導を受けてしまうと、企業の社会的信用を大きく損なうおそれがあります。
そういったことを避けるためにも、正しい知識を持っておくことは重要です。化粧品の広告表現を作成する際には、参考にして下さい。
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