医薬品、医薬部外品、化粧品など薬機法上の言葉は難しく、違いが分からないと感じている人もいるでしょう。
ここでは表なども用いてわかりやすく医薬品、医薬部外品、化粧品の違いを説明します。
医薬品・医薬部外品・化粧品の違い

医薬品、医薬部外品、化粧品はどれも薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に定められています。それぞれの違いをまとめると以下の表になります。
| 種類 | 定義 | 承認・届出 | 表示できる 効能効果 | 購入方法 |
| 医薬品 | 疾病の診断、治療又は予防を目的とするもの、 または身体の構造・機能に影響を及ぼすことを目的とするもの | 原則として厚生労働大臣の承認が必要 | 疾病名や症状改善の表現が可能 | 処方薬は医師の処方が必要。 一般用医薬品(OTC)は薬局・ドラッグストアで購入可能 |
| 医薬部外品 | 人体に対する作用が緩和なもので、 ①吐き気その他の不快感又は口臭・体臭の防止、 ②あせも・ただれ等の防止、 ③脱毛の防止・育毛・除毛、 ④ねずみ・はえ・蚊等の防除を目的とするもの等 | 有効成分と効能について 厚生労働大臣の承認が必要 | 承認された効能効果のみ表示可能 (例:肌荒れ防止、ニキビ予防) | ドラッグストア・量販店・EC等で 一般購入可能 |
| 化粧品 | 人体に対する作用が緩和なもので、 清潔にする、美化する、魅力を増す、容貌を変える、 又は皮膚・毛髪を健やかに保つことを目的とするもの | 製造販売届出で販売可能 (承認不要) | 56項目の効能範囲内 (例:保湿、肌を整える) | ドラッグストア・量販店・EC等で 一般購入可能 |
医薬品とは?
医薬品とは、薬機法第2条において、「疾病の診断、治療又は予防を目的とするもの」や、「身体の構造又は機能に影響を及ぼすことを目的とするもの」と定義されています。
病気の改善や症状の緩和といった具体的な効能効果を持ち、人体に対して明確な作用を示す点が特徴です。
製造販売には原則として厚生労働大臣の承認が必要で、安全性・有効性が厳格に審査されます。
処方箋が必要な医療用医薬品と、薬局などで購入できる一般用医薬品(OTC)があります。
医薬品の種類
| 種類 | 主な内容 | 販売・購入方法 | 情報提供義務 |
| 医療用医薬品 (処方薬) | 医師の診断に基づき使用する医薬品 | 医師の処方箋に基づき薬局で交付 | 薬剤師による服薬指導が必須 |
| 要指導 医薬品 | スイッチ直後品目など、特に注意が必要な一般用医薬品 | 薬剤師による対面販売のみ | 薬剤師による対面での情報提供が義務 |
| 第一類 医薬品 | 副作用リスクが比較的高い一般用医薬品 | 薬剤師が販売 | 薬剤師による情報提供が義務 |
| 第二類 医薬品 | 副作用リスクが中程度の一般用医薬品 | 薬剤師または登録販売者が販売 | 情報提供は努力義務 |
| 第三類 医薬品 | 副作用リスクが比較的低い一般用医薬品 | 薬剤師または登録販売者が販売 | 情報提供義務なし(相談対応) |
医薬品は大きく「医療用医薬品」と「一般用医薬品(OTC)」に分かれます。
医療用医薬品は医師の診断と処方が前提で、専門的な管理のもと使用されます。
一方、一般用医薬品は消費者が自ら選択して購入するため、副作用リスクの程度に応じて「要指導医薬品」「第一類」「第二類」「第三類」に分類されています。
リスクが高いものほど薬剤師の関与が強く求められ、販売方法や情報提供義務が厳格になります。特に第一類医薬品は、薬剤師による積極的な情報提供が義務付けられています。
このように、医薬品は作用の強さや安全性リスクに応じて細かく区分され、購入方法や説明義務が法的に定められている点が大きな特徴です。
医薬品の表現できる効能効果
医薬品は、薬機法に基づき承認された範囲内で、具体的な疾病名や症状の改善・予防効果を表示することができます。
例えば「頭痛・生理痛の緩和」「かぜの諸症状の緩和」「胃痛の改善」など、効能効果として認められた内容を明確に記載できます。
ただし、承認内容を超える表現や、科学的根拠のない効能をうたうことは虚偽・誇大広告として禁止されています。一般用医薬品であっても、添付文書や承認事項に基づいた正確な表現が求められます。
医薬部外品とは?
医薬部外品とは、薬機法第2条第2項で定義される区分で、人体に対する作用が緩和なもので、特定の目的のために使用されるものを指します。
具体的には、吐き気や口臭・体臭の防止、あせも・ただれの防止、育毛・除毛、ねずみや蚊などの防除などが法律上の目的として定められています。
厚生労働大臣が認めた有効成分を一定濃度で配合し、その効能効果について承認を受けた製品のみが医薬部外品として販売できます。一般に「薬用」と表示される製品がこれに該当します。
医薬部外品の種類
| 種類 | 定義 | 主な目的 | 承認・表示 |
| 指定医薬部外品 | 医薬部外品のうち、厚生労働大臣が指定し、有効成分の名称および分量の表示が義務付けられているもの | 吐き気・不快感の防止、口臭・体臭防止など | 承認が必要。有効成分名・分量の表示義務あり |
| 医薬部外品(一般) | 人体に対する作用が緩和なもので、法で定める予防・衛生目的に使用されるもの(指定・防除用を除く) | 肌荒れ防止、あせも防止、育毛、除毛など | 承認が必要。承認された効能のみ表示可 |
| 防除用医薬部外品 | 人又は動物の保健のためにする、ねずみ、はえ、蚊、のみ等の防除を目的とするもの | 害虫・害獣の防除 | 承認が必要。用途が限定される |
医薬部外品は、薬機法第2条第2項に基づき「人体に対する作用が緩和なもの」として定義され、指定医薬部外品、一般の医薬部外品、防除用医薬部外品に分類されます。
一般の医薬部外品には、いわゆる薬用化粧品も含まれ、肌荒れ防止やニキビ予防、美白※など、厚生労働大臣が承認した有効成分と効能効果の範囲内で表示が可能です。薬用化粧品は化粧品と同様に日常的に使用されますが、効能が国に認められている点が特徴です。
いずれの医薬部外品も承認が必要であり、表示できる効能は承認内容に厳密に従わなければなりません。
医薬部外品の表現できる効能効果
医薬部外品は、厚生労働大臣が承認した有効成分とその効能効果の範囲内で、具体的な効能を表示することができます。
例えば「肌荒れを防ぐ」「ニキビを防ぐ」「フケ・かゆみを防ぐ」「育毛」「むし歯の予防」などが該当します。
ただし、疾病の治療や改善を直接うたうことはできず、あくまで予防や衛生目的に限定されます。承認内容を超える表現や誇張した表示は、薬機法違反となります。
医薬部外品の効能効果
医薬部外品の効能効果の範囲は、概ね次表のとおりです。
| 医薬部外品の種類 | 使用目的の範囲と原則的な剤型 | 効能又は効果の範囲 | |
| 使用目的 | 主な剤型 | 効能又は効果 | |
| 1.口中清涼剤 | 吐き気その他の不快感の防止を目的とする内用剤である。 | 丸剤。 板状の剤型、トローチ剤、液剤。 | 口臭、気分不快。 |
| 2.腋臭防止剤 | 体臭の防止を目的とする外用剤である。 | 液剤、軟膏剤、エアゾール剤、散剤、チック様のもの。 | わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗。 |
| 3.てんか粉類 | あせも、ただれ等の防止を目的とする外用剤である。 | 外用散布剤。 | あせも、おしめ(おむつ)かぶれ、ただれ、股ずれ、かみそりまけ。 |
| 4.育毛剤(養毛剤) | 脱毛の防止及び育毛を目的とする外用剤である。 | 液剤、エアゾール剤。 | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、 ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。 |
| 5.除毛剤 | 除毛を目的とする外用剤である。 | 軟膏剤、エアゾール剤。 | 除毛。 |
| 6.染毛剤(脱色剤、脱染剤) | 毛髪の染色、脱色又は脱染を目的とする外用剤である。 毛髪を単に物理的に染毛するものは医薬部外品には該当しない。 | 粉末状、打型状、エアゾール、液状又はクリーム状等。 | 染毛、脱色、脱染。 |
| 7.パーマネント・ウェーブ用剤 | 毛髪のウェーブ等を目的とする外用剤である。 | 液状、ねり状、クリーム状、エアゾール、粉末状、打型状の剤型。 | 毛髪にウェーブをもたせ、保つ。 くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ。 |
| 8.衛生綿類 | 衛生上の用に供されることが目的とされている綿類(紙綿類を含む)である。 | 綿類、ガーゼ。 | 生理処理用品については生理処理用、 清浄用綿類については乳児の皮膚・口腔の清浄・清拭又は授乳時の乳首・乳房の清浄・清拭、目、局部、肛門の清浄・清拭。 |
| 9.浴用剤 | 原則としてその使用法が浴槽中に投入して用いられる外用剤である。 (浴用石鹸は浴用剤には該当しない。) | 散剤、顆粒剤、錠剤、軟カプセル剤、液剤。 粉末状、粒状、打型状、カプセル、液状等。 | あせも、荒れ性、打ち身(うちみ)、くじき、肩の凝り(肩のこり)、神経痛、 湿しん(しっしん)、しもやけ、痔、冷え性、腰痛、リウマチ、疲労回復、ひび、あかぎれ、産前産後の冷え性、にきび。 |
| 10.薬用化粧品(薬用石けんを含む) | 化粧品としての使用目的を併せて有する 化粧品類似の剤型の外用剤である。 | 液状、クリーム状、ゼリー状の剤型、固型、エアゾール剤。 | 別掲(次表参照) |
| 11.薬用歯みがき類 | 化粧品としての使用目的を有する 通常の歯みがきと類似の剤型の外用剤である。 | ペースト状、液状、液体、粉末状、固形、潤製。 | 歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉炎の予防。歯石の沈着を防ぐ。 むし歯を防ぐ。むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防止、タバコのやに除去、歯がしみるのを防ぐ。 |
| 12.忌避剤 | はえ、蚊、のみ等の忌避を目的とする外用剤である。 | 液状、チック様、クリーム状の剤型。エアゾール剤。 | 蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ)等の忌避。 |
| 13.殺虫剤 | はえ、蚊、のみ等の駆除又は防止の目的を有するものである。 | マット、線香、粉剤、液剤、エアゾール剤、ペースト状の剤型。 | 殺虫。 はえ、蚊、のみ等の衛生害虫の駆除又は防止。 |
| 14.殺そ剤 | ねずみの駆除又は防止の目的を有するものである。 | 殺そ。ねずみの駆除、殺滅又は防止。 | |
| 15.ソフトコンタクトレンズ用消毒剤 | ソフトコンタクトレンズの消毒を目的とするものである。 | ソフトコンタクトレンズの消毒。 | |
薬用化粧品の効能効果
薬用化粧品は承認された範囲内で広告することが原則ですが、次の表現を併せて標榜することが可能です。
| 種類 | 効能・効果 |
| 1. シャンプー | ふけ・かゆみを防ぐ。 毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。 毛髪・頭皮を清浄にする。 毛髪・頭皮をすこやかに保つ。 毛髪をしなやかにする。 |
| 2. リンス | ふけ・かゆみを防ぐ。 毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ。 毛髪の水分・脂肪を補い保つ。 裂毛・切毛・枝毛を防ぐ。 毛髪・頭皮をすこやかに保つ。 毛髪をしなやかにする。 |
| 3. 化粧水 | 肌あれ・あれ性。 あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。 油性肌。 かみそりまけを防ぐ。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 日やけ・雪やけ後のほてり。 肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。 皮膚をすこやかに保つ。 皮膚にうるおいを与える。 |
| 4. クリーム、乳液、ハンドクリーム 、化粧用油 | 肌あれ・あれ性。 あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ。 油性肌。 かみそりまけを防ぐ。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 日やけ・雪やけ後のほてり。 肌をひきしめる。肌を清浄にする。肌を整える。 皮膚をすこやかに保つ。 皮膚にうるおいを与える。 皮膚を保護する。皮膚の乾燥を防ぐ。 |
| 5. ひげそり用剤 | かみそりまけを防ぐ。 皮膚を保護し、ひげをそりやすくする。 |
| 6. 日やけ止め剤 | 日やけ・雪やけによる肌あれを防ぐ。 日やけ・雪やけを防ぐ。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 皮膚を保護する。 |
| 7. パック | 肌あれ。あれ性。 にきびを防ぐ。 油性肌。 日やけによるしみ・そばかすを防ぐ。 日やけ・雪やけ後のほてり。 肌をなめらかにする。 皮膚を清浄にする。 |
| 8. 薬用石鹸(洗顔料を含む) | <殺菌剤主剤のもの> (消炎剤主剤をあわせて配合するものを含む) 皮膚の清浄・殺菌・消毒。 体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。 <消炎剤主剤のもの> 皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。 |
化粧品とは?
化粧品とは、薬機法第2条第3項において、「人体に対する作用が緩和なもので、清潔にする、美化する、魅力を増す、容貌を変える、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことを目的として使用されるもの」と定義されています。
疾病の治療や予防を目的とするものは含まれません。
スキンケア、メイクアップ、ヘアケア製品などが該当し、製造販売には承認ではなく届出が必要です。表示できる効能は定められた範囲内に限られます。
化粧品の表現できる効能効果
化粧品は薬機法により、人体に対する作用が緩和な範囲での効能効果のみ表示できます。
具体的には、清潔にする、肌を整える、うるおいを与える、乾燥を防ぐ、皮膚を健やかに保つなど、厚生労働省が定めた56項目の効能の範囲内に限られます。
疾病の治療や予防、構造・機能の改善を示す表現は認められていません。医薬品的な効果を想起させる表示は薬機法違反となります。
頭皮や毛髪
(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。
皮膚や肌
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
芳香
(38)芳香を与える。
爪
(39)爪を保護する。
(40)爪をすこやかに保つ。
(41)爪にうるおいを与える。
口唇
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
歯・口の中
(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
皮膚
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。
注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
まとめ
医薬品・医薬部外品・化粧品の違いを正確に理解することは、薬事関連のビジネスを行う上で非常に重要です。
分類の誤認は、承認要件の不備や違反表示、課徴金・行政指導といった重大なリスクにつながります。
この記事を参考に正確な定義を確認し、あなたのビジネスに活かしてください。












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