小顔矯正を続けると顔変わる?危険・嘘?法律違反例5個

小顔ブームは長年続いており、モデルのような小顔に憧れる方も多いのではないでしょうか。小顔効果を謳ったアイテムやサービスが多数ある中で、小顔に近づくための施術としてよく聞くのが「小顔矯正」です。

メディアやネットで、小顔効果を謳った小顔矯正の広告を見かけますが、こういった広告には表現に注意が必要です。

この記事では、小顔矯正の法律違反事例を挙げながら、どのような表現が法律違反なのか説明します。

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目次

小顔矯正は意味ない・ありえない?

小顔矯正は、効果がある施術として人気がある一方で、「実はやっても意味ないのでは?」と考える方も多いようです。

もちろん、一度施術したからといって劇的に顔が小さくなるという魔法のようなことはないと思われます。ただ、全く意味がないというわけではないようです。

実際に、「小顔矯正で小顔になって感動した」、「小顔矯正で顔がすっきりした」などの感想や口コミもあるようです。

小顔矯正の仕組みは?続けると顔が変わる?


※頭蓋骨の各部位を示した図です。

小顔矯正とは骨格矯正で、骨格のゆがみを整えるために、筋肉を矯正するものです。骨が動いたり小さくなったりはしません。

小顔矯正で顔が小さくなるのは、頭蓋骨の上の筋肉や脂肪に圧を加えることで、リンパの流れや血流が良くなり、顔のむくみがとれるのが理由です。

なんとなく骨を矯正するというイメージがありますが、実際は、どれだけ圧をかけたからといって、頭蓋骨などの骨自体が縮んだり動いたりすることは医学的にあり得ないのです。もしも、「小顔矯正で骨が動いて顔が小さく」などと謳った広告があれば虚偽であると考えられます。

小顔矯正のやりすぎは危険?

小顔矯正のマッサージを強くやりすぎるのは危険です。顔には、脂肪を支える靱帯があり、これを強くマッサージし過ぎたり、圧をかけ過ぎると、靱帯が伸びてしまう恐れがあると言われています。

そして、靱帯が伸びてしまうことで、逆に顔がたるんで大きく見えてしまうことがあるようです。そのため、強くやりすぎるのは逆効果であり、オススメしません。特に、自宅でセルフマッサージをされる方などは、つい強くやりがちですが、力加減に注意が必要です。

美容整体やエステサロンで景品表示法違反

過去に、美容整体やエステサロンの表示について、景品表示法に違反するとして摘発された事例があります。

内容としては、小顔サービスを提供する事業者が、ウェブサイト上で小顔効果を謳う表示を行っていました。

消費者庁が、その表示の裏付けとなる根拠資料の提出を求めたところ、事業者から提出された資料は、合理的な根拠があるとは認められず、景品表示法上の優良誤認と判断されました。

結局、小顔サービスを提供する事業者9名が消費者庁から措置命令を下されました。
※措置命令にかんする消費者庁の資料

そこでは、以下の表示内容が違反となっています。
「あたかも、対象役務の提供を受けることで、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、小顔になり、かつ、それが持続するかのように示す表示をしていた。」

以下、具体的な法律違反表現の事例を紹介します。

法律違反表現例5個

ここから紹介する表現は、実際に景品表示法違反となった事業者が表現していた内容です。

①数センチ小顔になる

「1回の施術で顔の横幅を数センチ縮める独自の小顔矯正法です」、「1回の施術でマイナス1.5センチ縮小」など、あたかも、施術を受けることで頭蓋骨の歪みやずれが矯正され、直ちに数センチの小顔効果があるかのような表示を行っていました。

しかし、このような表現は、合理的な根拠が認められませんでした。

②1回の施術から小顔効果を実感

「1回の施術から効果を実感 ほとんどの方が1回で効果を感じています」、「1回で終了」、「瞬間小顔コース」、「1回の施術後、アフターケア2、3回で固定するのが特徴です。何十回も通う必要はありません。」など、あたかもほぼ1回の施術で小顔になり、それが持続するかのような表示を行いました。

しかし、このような表現は、合理的な根拠が認められませんでした。

③骨格が整い、小顔になる

「頭から顔まで骨格をじっくり矯正。顔筋マッサージにより、骨・筋肉を正常な位置に。」、「骨格から小顔をつくる」、「骨格自体が整うことでお顔が小さくなります」、「お顔の骨のズレを整えていきます」など、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより小顔になるかのような表示を行いました。

しかし、このような表現は、合理的な根拠が認められませんでした。

④エラやあごを矯正して小顔に

「特にエラの矯正は頭蓋全体の矯正に必要な矯正です」、「エラ・アゴ矯正 小顔を作るには最も重要な部分です。フェイスラインの左右バランスを整え、エラを内へ整えることで、スッキリとしたシャープなフェイスラインを作ります。小顔造りには欠かせない矯正です!」、「アゴの骨の角度が変わったのが分かると思います」、「突き出していた下顎骨を抑え、小顔になりました」など、あたかもあごやエラを矯正することで小顔になるかのような表示を行いました。

しかし、このような表現は、合理的な根拠が認められませんでした。

⑤小顔矯正後も形状記憶

「他店にはできない、形状記憶する小顔矯正」、「頭蓋全体を複雑に矯正しながら、ねじれを取る矯正方法で、矯正後元に戻らないと好評」、「戻らず固定される小顔ケア」、「(他の技術を比べて)骨の形ごと矯正する技術→元に戻らないたったひとつの技術です。非常にまれに骨ごと矯正することができる技術を自己開発している」、「戻らない方法は1つだけ」など、あたかも小顔矯正後、何もせずとも小顔が形状記憶し、持続するかのような表示を行いました。

しかし、このような表現は、合理的な根拠が認められませんでした。

小顔矯正のビフォアアフター

事業者側が小顔矯正のビフォアアフター写真を掲載するのはリスクがあります。

施術前及び施術後の写真を掲載していた事業者が、2023年3月14日に景品表示法違反で措置命令を受けています。

写真では、「マイナス◯センチ」などの具体的な数値は出していないものの以下が問題となりました。

(1)写真15名のうち、2名は本件役務の提供を始めた当初の従業員であり、残り13名にはモニターが含まれており、顧客ではない人物が含まれていた。

(2)従業員が恣意的に施術後の顧客写真から選定したものであり、統計的に客観性が十分に確保されているとは言えないものであった。

参考:措置命令

まとめ

「小顔」の訴求は大変魅力的ですが、整体やエステサロン、整骨院・接骨院などの事業者側は合理的な根拠なく広告すると、景品表示法違反として摘発される可能性があります。

紹介した違反事例のような措置命令を受けると、課徴金を課されたり、企業のイメージダウンとなり消費者からの信頼を失う可能性があります。

広告するにあたり、最低限正しい知識を持っておくことが重要であると考えます。小顔矯正の広告にあたって、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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