リラクゼーションサロンの法律は?開業資格・広告規制

日々のストレスや疲れを癒す場所として人気なのが、「リラクゼーションサロン」です。最近は特に、働く女性が増え、ますます注目されています。リラクゼーションサロンが流行る中で、自分で開業したいという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、リラクゼーションサロンを開業するにあたり、必要な資格や注意すべき法律規制などについて説明します。ぜひ参考にしてください。

目次

リラクゼーションサロンとは?

リラクゼーションサロンの種類は色々ありますが、主に疲れた身体や心を癒し、リラックスすることを目的とした場所です。香りや音楽などでリラックスし、指圧などの施術を受けることができます。

施術方法はサロンによって異なり、手を使ったオイルマッサージや、美容機器や設備などを使ったマッサージや、岩盤浴や酵素カプセルなど行うところもあります。

リラクゼーションの開業資格

リラクゼーションサロンの開業自体に資格は必要ありません。ただ、資格が無いと、営業時や広告する際に表現できる内容が制限されます。

また、顧客によっては、「ちゃんと資格を持った人に施術してほしい」と考える方もいるので、マッサージなどの施術に関連した資格を取得しておくのが望ましいと思われます。

リラクゼーションサロンの種類

リラクゼーションサロンには様々な種類があり、サロンによって施術内容も異なります。

主な種類としては、リンパトリートメント・エステ・もみほぐし・足つぼマッサージ・整体・ヘッドスパ・カイロプラクティック・脱毛などがあります。

リラクゼーションサロンの関連法律4個

1. 医師法

医師法では、医師でなければ医業をしてはならないと定められており、医師以外の者が治療行為を行うことが禁止されています。

そして、この医師以外が行える医療行為として認められているのが、医業類似行為と非医業類似行為です。

医業類似行為は、国家資格が必要な、マッサージ・指圧師・針師・灸師・柔道整復師などのことを言い、非医業類似行為は、国家資格を必要としない医業類似行為のことを言い、リラクゼーションはこの非医業類似行為にあたります。

リラクゼーションサロンを営業することは、職業自由の範囲内として認められています。しかし、医師免許や国家資格を持っていないため、営業時や広告で、「治療」や、「マッサージ」や、「患者」など、一般消費者に治療を目的とすることを想起させるような表現を使用することは禁止されます。

2. 特定商取引法

特定商取引法は、商取引における特定の取引を規制したもので、代表的なものとして訪問販売や通信販売などが規制対象となります。

そして、リラクゼーションのひとつであるエステティックは、基本的に特定商取引法で規制される「継続的役務提供取引」に該当します。

「継続的役務提供取引」とは、エステティックのように、商品を販売するのではなく、役務を継続的に提供する契約のことを言います。エステティックの場合であれば、1ヶ月以上の期間、5万円以上の金額が発生する場合に規制を受けると定められています。

また、エステティックサロンで行われているサービスの中でも、「人の皮膚を清潔にし、もしくは美化し、体形を整え、または体重を減らすための施術を行う」、美顔、全身美容、痩身、体型補正、脱毛などが、特定商取引法の規制対象となります。

3. あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律

リラクゼーションサロンの施術でよくあるのが、手を使った指圧です。たまに、「マッサージ」と謳ったリラクゼーションサロンを見かけますが、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律では、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持たない者が、マッサージを行うことは禁止されています。

例えば、肩や腰の痛みを訴える顧客に対して、治療としてマッサージを行うことはできず、あくまで疲労に対する「もみほぐし」を行うことに留める必要があります。

実際に、近年は、無資格者によるマッサージの事故が多発しており、マッサージ中の捻挫や骨折などの被害が報告されているようです。

4. 柔道整復師法

柔道整復師は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの施術の専門家であり、ケガの治療や治療後のアフターケア、さらにケガの予防などの施術を行うことができます。

柔道整復師になるには国家資格が必要で、柔道整復師法上、無資格者がこういった治療を目的とした施術を行うことは禁止されています。

そのため、リラクゼーションサロンで、捻挫や打撲などを訴える顧客に対して、治療を目的とした施術を行うと違法となります。

リラクゼーションとマッサージの違い

リラクゼーションとマッサージの一番の違いは、施術にあたり、資格が必要かどうかです。

法律上、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を有した者でなければ、マッサージを行うことはできません。無資格者ができるのは、あくまで「もみほぐし」に留まります。

そのため、リラクゼーションサロンで無資格者が、「マッサージをします」と言って施術することは違法となります。

また、マッサージには、血液の循環を良くし新陳代謝を良くする効果があるので、不定愁訴症候群(肩こり・頭痛・腰痛・冷え・だるさなど)や、内因性の疾患(神経痛・リウマチ・脳卒中後遺症など)や、外因性の疾患(関節の変形・捻挫の後遺症など)など様々な症状に効果的であると言われています。

しかし、リラクゼーションでは、上記のような効果があると謳うことは出来ず、広告することも禁止されています。

リラクゼーションサロンの広告規制

マッサージを行えるのは、あん摩マッサージ指圧師だけなので、有資格者がいないリラクゼーションサロンで、「マッサージ」と広告表示することは規制されます。

また、身体に関わる広告で注意すべき法律は、何と言っても景品表示法と薬機法です。

景品表示法では、施術によって実際よりも優れた効果があると表示することや、合理的な根拠が無いにも関わらず、効果を訴求することが禁止されています。

例えば、合理的な根拠なく、「施術を受けるだけで1ヶ月で-10キロ」と、あたかも施術を受けるだけで、短期間で痩せることができるかのような広告は違法となります。

薬機法では、リラクゼーションサロンで美容機器等を使用する場合に規制があります。例えば、美顔器を使って、「むくみを解消する」、「細胞を活性化する」など、医療的な効果を想起させるような表現を行うと違法となります。あくまで、薬機法上化粧品の効果として認められる表現に留める必要があるのです。

まとめ

マッサージとリラクゼーションは混同しがちですが、国家資格の有無という明確な線引きがあります。

そのことを理解せず、施術や広告を行うと、法律に抵触するだけでなく、最悪顧客の身体を傷つけてしまう恐れがあります。

リラクゼーションサロンの開業を考えている方は、正しい知識を持ち、少しでも不安があれば専門家に相談することをおすすめします。

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