精油に販売許可は必要?薬機法は?小分け販売は違法?

近年、リラックス効果や美容効果があるとして、「精油」が注目を集めています。精油は、リラクゼーションや化粧品など幅広く使われており、特に女性から人気で、趣味が高じて自身でビジネスを始める方も多いようです。ただ、精油を販売するには色んなルールがあり、注意すべきことがたくさんあります。

この記事では、精油の販売に関する法規制を分かりやすく説明します。

目次

精油(エッセンシャルオイル)とは?

精油とは、植物の香り成分を抽出した天然のエッセンシャルオイルです。植物の花、葉、果皮、果実、種子、根などを蒸したり、皮を絞ったりするなどして抽出したもので、植物によって特有の香りがあります。

なお、アロマオイルとの違いは、100%天然由来かどうかです。アロマオイルは植物由来の香り成分を希釈したものですが、精油は素材が100%天然由来となります。

精油に販売許可は必要?

法律上、精油自体に販売許可は必要ありません。本来、精油は香りを楽しむもので、薬機法上の「雑貨」に分類されるため、販売に関しては特に規制がありません。

一方、精油を肌や髪に塗布するなど、化粧品的な使い方をする商品は、薬機法上の「化粧品」に分類されるため、販売許可が必要となります。

つまり、精油のキャンドルやルームフレグランスなどは許可なく販売できますが、精油の香水やシャンプーなどは許可がないと違法となるのです。

精油と薬機法の関係

精油が雑貨の場合

薬機法上、精油は、「雑貨」に分類されます。先述したように、そもそも精油は、香りを楽しむものとして扱われることが多く、大半は雑貨に分類されます。精油を人体に使用しないのであれば、化粧品や医薬品のような薬機法上の規制はありません。

精油が化粧品の場合

精油を人体に直接使用し、化粧品的な使い方をする場合、薬機法上の「化粧品」に分類されます。

薬機法上の化粧品は、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚や毛髪を健やかに保つため身体に塗布散布するもの」と定義付けられています。

例えば、精油を香水やトリートメントなどとして扱う場合は、薬機法上、広告や販売をするのに一定の規制やルールがあります。化粧品としての効果の範囲を逸脱した表現を行ったり、許可なく製造販売を行うと法律違反となり罰則を受ける可能性があります。

精油の広告可能表現

精油が雑貨の場合

雑貨としての精油を広告する場合、表示内容については特に薬機法上のルールはありません。ただ、化粧品や医薬品のような効能効果があると、消費者に誤認させるような広告を行うことは規制されます。

例えば、雑貨として販売するにもかかわらず、「髪にうるおいを与える」や「肌をすこやかに保つ」などの化粧品的な表現や、「●●の症状に効く」や「病気が治る」など医薬品的な表現を使うことはできず、「空間の香りを楽しむ」や「香りでリラックスする」程度の表現に留める必要があります。

なお、精油の香りについて、「魅力的な香りを与える」など、香水(化粧品)と認識される効果を謳うこともできないので注意が必要です。

精油が化粧品の場合

化粧品としての精油を広告する場合は、薬機法上、化粧品として認められる効能効果の範囲内で表現する必要があります。

例えば、精油由来の化粧品として、香水やトリートメントやボディオイルなどがあります。
雑貨としての精油とは異なり、「魅力的な香りを与える」や「髪にうるおいを与える」や「肌にツヤを与える」などの化粧品的な広告を行うことができます。

ただし、「シワが消えてなくなる」や「シミ・ソバカスがなくなる」など、化粧品の効果を逸脱した表現を使うと、薬機法違反となるので注意が必要です。

なお、雑貨同様、精油由来の化粧品を広告する場合も、医薬品的な表現を使うことはできない点にも要注意です。

精油の小分け販売は違法?

精油を雑貨として小分け販売する場合

小分け販売とは、あらかじめ精油を小瓶などに小分けに充填して販売する方法です。精油を雑貨として販売する場合は、小分け販売を行っても違法とはなりません。薬機法上の「雑貨」であれば、特に規制がないため、販売形態などは基本的に自由となります。

精油を化粧品として小分け販売する場合

化粧品として精油を販売する場合は、小分け販売を行うと違法になります。なぜなら、小分け販売のように、あらかじめ充填しておくことが、「製造」とみなされるからです。

薬機法上、許可なく化粧品を製造することはできないので、精油由来の香水やトリートメントやボディオイルなどを小分け販売することはできないのです。

そのため、化粧品としての精油を分けて販売したい場合は、顧客からの求めに応じて都度行う分割販売を行う必要があります。

あらかじめ小分けにすると製造になりますが、販売時に都度行うのであれば製造とはみなされないため、許可が不要となります。ただ、「表示義務」や「衛生状態確保」などを必ず行う必要がある点には注意が必要です。

まとめ

化粧品として精油を販売する場合はルールが多く、薬機法の縛りがあります。また、許可手続きや表示義務などの内容も煩雑です。

ルールに則った販売行為を行わないと、法違反となり罰則を受ける恐れがあります。精油の販売にあたって、少しでも不安があれば、専門家に相談すべきでしょう。

参考になったらシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

薬機法や景品表示法の情報発信をしています。
Twitter
Facebookのフォローをお願いします。

コメント

コメントする

目次