SNSの薬機法規制!NG表現・インフルエンサーは要注意?

近年、SNSを利用した広告が非常に多くなっています。また「インフルエンサーマーケティング」への注目度も高くなっています。

この記事では、SNS上で広告宣伝をするにあたり、薬機法上注意すべきことや具体的なNG表現例などをお伝えします。

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目次

薬機法とは?

薬機法とは、正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

主な規制対象は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品で、これらの品質、有効性、安全性を確保することなどにより、保健衛生の向上を図ることを目的です。

上記の商品は、人の健康や生死に密接に関わり、また人体に直接的な影響があります。そのため、承認された成分が入っているか、手続きは適切か、効果について不当な広告がなされていないかなど、一般消費者の安全を守るためにルールが定められています。

規制対象となるものの定義や規制内容、罰則が細かく定められており、医薬品などの商品を取り扱う場合は必ず把握しておくべき法律です。

薬機法の対象

薬機法の対象となるのは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などの商品です。

具体的な商品としては、「医薬品」であれば、医療用医薬品・市販薬・検査薬など、「医薬部外品」であれば、うがい薬・栄養ドリンク・殺虫剤などの医薬品に比べて人体への作用が緩和なもの、「化粧品」であれば、一般的な化粧品・シャンプー・スキンケアなど身体を清潔にして美化するもの、「医療機器」であれば、ペースメーカーや人工関節など、再生医療等製品であれば、遺伝子治療用製品などが挙げられます。

また、健康食品やサプリメント、健康器具や美容器具などを扱う際も、薬機法がかかわります。

これらについては、薬機法の定義には書かれていませんが、医薬品や医療機器のような効果があると表現した場合には、規制対象になります。

インフルエンサーやYoutuberは薬機法の対象?

インフルエンサーやYoutuberは薬機法の対象となります。薬機法上、規制対象は「何人も」と定められています。

最近は、個人で活動しているインフルエンサーやYoutuberも多く、企業案件などで化粧品、健康食品やサプリメントなどをPRする投稿や動画をよく見かけます。

その際、例えば健康食品であるにもかかわらず医薬品のような治療効果があると一般消費者が誤認する表現をすると、薬機法違反で摘発される可能性があります。

化粧品の薬機法NG表現例

薬機法では、化粧品の効能効果として謳うことができる範囲が定められており、範囲を逸脱した表現を行うことは禁止されています。NGな表現例をいくつか紹介します。

「肌を白くする美容液」
「シミ・ソバカスの出来にくい肌に」
「白く透明感のあるお肌に」
「毛穴を引き締める(小さくする)」
「毛穴レス」
「美白パウダーでくすみが消えて無くなる」
「くすみを予防する」
など

化粧品の効果として、肌自体が白く変化する、肌の機能自体が向上するなどの表現や、シミやソバカスを予防する表現は、医薬品的な表現であると判断される可能性があります。

ただし、ファンデーションなどによるメーキャップ効果で肌を明るい印象にするという表現であればOKです。

また、毛穴を「引き締める」や「小さくする」など毛穴の形状変化を想起させる表現や、毛穴が完全に無くなる(効果が確実である)かのような表現はNGです。

これらは、身体の構造や肌の機能などを変化させる治療的効果を標ぼうするものであり、化粧品の効果を逸脱した表現であると判断される可能性があります。

さらに、ファンデーションやパウダーなどのメーキャップ効果を超えた過剰な表現や、くすみの発生を予防する表現は、化粧品の効能効果の範囲を逸脱するのでNGです。

他にもNGとなる表現例はたくさんありますが、基本的には、薬機法で定められた効能効果を逸脱した表現を行わないこと、医薬品的な表現を行わないこと、効果が確実であるかのような表現を行わないことがポイントです。

健康食品やサプリメントの薬機法NG表現例

健康食品やサプリメントについても、医薬品的な表現をすると薬機法に抵触します。NGな具体例をいくつか紹介します。

「これを飲めば肥満が治る」
「腸をキレイにする」
「毎日食べると免疫力がアップする」
「これを塗ると、保湿により細胞が活性化する」
「●●病に効果がある」
「疲労回復」「疲れがとれる」
「体質改善」
など

健康食品やサプリメントは、薬機法で定義されていないため、直接的な規制は受けません。

しかし、上記のように、健康食品やサプリメントの効果として、身体の不調を改善する、特定の疾病に効果がある、身体の免疫力を高めるなど、医薬品的な効果があるかのような表現をすると、薬機法違反となるので注意が必要です。

薬機法の課徴金制度

薬機法に課徴金が設けられたのは、虚偽・誇大広告の販売で得た経済的利得を徴収し、違反行為者がそれを保持し得ないようにすることによって違反行為の抑止を図り、規制の実効性を確保するためです。

これまでは違法行為によって得られる高額な経済的利得に対して罰則が軽いため、抑止効果が働いていないと考えられていたからです。

課徴金制度の内容としては、虚偽や誇大広告を行った者に対して、違反を行っていた期間中における対象商品の売上額の4.5%を課徴金として課すというものです。

これまでは、虚偽・誇大広告を行った者に課せられる罰金は、最高200万円でした。それが薬機法の一部改正により、上限額が撤廃され、売上額に応じて課せられるようになりました。

こちらの記事薬機法違反の逮捕事例まとめも参考にしてください。

インスタグラムの薬機法違反事例

バストアップサプリメントを販売していた事業者が、インフルエンサーにインスタで商品の紹介依頼をした際に、「#バストアップ」などのハッシュタグの掲載も依頼しました。

そのハッシュタグを含む投稿が、景品表示法の優良誤認表示に該当するとして、その事業者は措置命令を受けました。

景品表示法での取り締まりを受けた事例ですが、表現内容としては薬機法違反表現です。ハッシュタグも表示の範囲内に入るものとして注意すべきでしょう。

Youtubeの薬機法違反事例

Youtubeは、下記のリリースのとおり、誇大広告や薬機法違反広告を55万件削除しました。

「今まで事前削除できなかった日本特有の性的に思わせぶりな表現や誇大広告、薬機法違反などのポリシーに違反する広告を2020年6月以降55万件追加で削除しました。」※参照ニュース

これだけ違反動画がありふれているということです。Youtube動画は、景品表示法の取り締まり事例ですでに対象媒体に入っているため、行政のチェックもされています。Youtubeで違反表現をして化粧品やサプリを販売すれば、逮捕されるおそれもあります。

SNSで注意すべき薬機法以外の法律

SNSでは薬機法にも注意すべきですが、他にも注意したいのが、ステルスマーケティングを規制する景品表示法です。

ステマを依頼されたことのあるインフルエンサーは多いと思われますが、今後はそのステマが法規制されます。

例えば、以下のような行為は違反に当たります。
・サービスを無料で受けられる代わりにSNSで広告と書かずに美容院をお気に入りとして紹介した
・お金を受け取り、広告と書かずに好きなブランドとして紹介した
など。

ステマ規制はこちらのページで詳しく解説しています。

まとめ

薬機法の規制対象は「すべての人」です。そのため、インフルエンサーが行う投稿も当然に薬機法の規制を受けます。

「知らなかった」では済まされないので、企業案件などでPR投稿を行ったり自分で商品を売ったりする際は十分に注意が必要です。必ず正しい法律知識を身に付け、少しでも不安があれば法律の専門家に相談すべきであると考えます。

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