角栓は化粧品や毛穴の悩みに関する文脈でよく挙がるキーワードです。
今回は化粧品で角栓ケアや皮脂を抑える・毛穴を引き締めるなどの毛穴に関するキーワードを使えるのか、薬機法規制とどう関係するのかについて解説します。
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角栓とは?

角栓とは、毛穴の中で皮脂と古い角質(死んだ肌細胞)が混ざり合って固まった栓状の物質を指します。
通常は皮脂や角質が自然に排出されますが、ターンオーバーの乱れや過剰な皮脂分泌によって毛穴に詰まりやすくなります。
放置すると酸化して黒ずみ(いわゆるブラックヘッド)となったり、アクネ菌が繁殖してニキビの原因になることもあります。そのため、角栓は肌トラブルの出発点ともいえる存在です。
角栓ケアと薬機法規制!表現はOK/NG?
化粧品の表現できる効能効果は薬機法の規制があり、56個の範囲に限られます。同じ表現でなくても範囲内のものであれば、表現できます。
その56個の中に「角栓」という言葉はないため、角栓ケアをどういう意味合いで使うかでOKかNGかが変わります。
| OKな場合 | ・毛穴や皮脂の汚れを落とす ・毛穴をきれいに保つ ・古い角質による汚れを落とす |
| NGな場合 | ・角栓を完全になくす ・毛穴を小さくする ・毛穴詰まりを治して、角栓を取り除く |
化粧品広告で表現できる56個の効能効果は以下のとおりです。
頭皮や毛髪
(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。
皮膚や肌
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
芳香
(38)芳香を与える。
爪
(39)爪を保護する。
(40)爪をすこやかに保つ。
(41)爪にうるおいを与える。
口唇
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
歯・口の中
(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
皮膚
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。
注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
皮脂を抑えるはOK/NG?
「皮脂を抑える」という表現は、生理作用をコントロールすることであり、人体の機能への作用と考えられ、医薬品的効能効果になり、化粧品の広告で使用するのは薬機法上NGです。
医薬部外品(薬用化粧品)では、「過剰な皮脂分泌の抑制」効果が認められた有効成分「ライスパワーNo.6」があるため、この有効成分を含む化粧品であれば、「皮脂を抑える」という表現が使用可能です。
また化粧品で類似表現を使いたい場合は、以下のような表現なら使えます。
・余分な皮脂や汚れを落とす
・洗顔により、ニキビ、アセモを防ぐ
毛穴を引き締めるはOK/NG?
「毛穴を引き締める」という表現は、身体の組織を変化させる意味があると考えられ、医薬品的効能効果になり、化粧品の広告で使用するのは薬機法上NGです。
以下のような言い換え表現なら使えます。
・肌をひきしめる
・肌をきれいにしてキメを整える
薬機法に違反したときの罰則やリスク
化粧品広告で、薬機法第66条の誇大広告等に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科です。
そして、措置命令や課徴金納付命令のおそれもあります。
また、法的責任だけでなく、SNSで炎上したり、ニュースになって会社の信頼性が長期に渡って損なわれたりするおそれがあります。
措置命令
措置命令は、薬機法第72条の5、に定められており、違反広告の中止や再発防止などを求められます。
<対象>
・第66条第1項
・第68条
<具体例>
・違反したことを関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・その違反行為を将来繰り返さないこと
など
課徴金納付命令
課徴金納付命令は、薬機法第75条の5の2、に定められており、課徴金の納付が求められます。
<対象>
・第66条第1項
<課徴金の金額>
・課徴金対象期間の商品売上の4.5%(最長3年間)
・225万円未満の場合は課徴金なし
<減額>
・同一事案に対し、景品表示法の課徴金納付命令がある場合
⇒3%を減額して1.5%・自ら報告した場合は、50%相当額を減額
化粧品広告で薬機法違反をしないための対策4つ
1. 効能範囲を正しく理解して表現を限定する
化粧品に認められている効能効果は、「清潔にする」「美化する」「肌や毛髪をすこやかに保つ」など極めて限定的です。
たとえば「シミを消す」「シワをなくす」といった医薬品的な表現はNGです。
広告作成時はまず化粧品が表現できる効能効果56個を確認し、必ずその範囲内で言葉を選んで違反表現を使わないように気をつけてください。
2. 体験談の掲載やインフルエンサーへの案件依頼に注意する
体験談やインフルエンサーの紹介など第三者の表現であっても、化粧品が表現できる効能効果の範囲を逸脱していれば、薬機法違反になります。
自社ECの口コミやSNSの体験談の引用などにも注意が必要です。
またインフルエンサーに案件を依頼する場合、どのような表現で紹介されるかにも注意しましょう。「これでシミが薄くなった」など薬機法違反表現を使われないように動画内容やSNSの投稿をチェックすることが大切です。
3. 根拠資料と内部チェック体制を整える
広告表現をする際には、必ず根拠となる資料を保管し、外部から指摘を受けても説明できる状態にしておくことが重要です。
これは景品表示法対策としても重要です。
さらに、広告制作前に薬事知識を持つ担当者が内容を確認する二重チェック体制を作ることができれば、見落としを防ぎ、違反リスクを大幅に下げることが可能です。
4. 比較広告や誇大表現を避ける
「業界No.1」「他社より効果が高い」といった比較広告は、薬機法や景品表示法違反にあたるおそれがあります。
また「必ず」「絶対に」などの誇大表現も消費者を誤認させるため禁止です。こうした表現を避け、実際に得られる効果や使用感を正しく伝えることが重要です。
事実に沿った安全な訴求を行い、違反表現は避けてください。
まとめ
角栓や毛穴は悩む人が多く、化粧品広告でも頻繁に見かけるキーワードです。ただ表現次第では薬機法違反になるため、広告の文言には十分に注意してください。
必要があれば、専門家のチェックを受けることが大切です。法律違反をしているとなれば、消費者の信頼を損ないます。適法な表現で消費者に商品をアピールしてください。












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