医療法とは?簡単にわかりやすく解説!概要・規定・改正内容は?

医療法とは何か?

どのような業界でも、特定の目的を実現するため、その業界に携わる者の守るべきルールがあります。そして、ルールは、それを守らなければ制裁を与えられます。また、ルールは、現実社会の変化に応じて変化します。

医療は国民の健康に関わる事項であるため、公益性の高い業務です。そのため、医療業界のルールは法により厳格に定められています。

これを医療法といいます。医療法は、医療業界の基本的ルールであり、医療に携わる者である以上、全く知らないでは済まされないものです。

今回は、医療法の概要について解説します。

医療法の目的

医療法の目的は、患者の利益の保護と良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を確保して、国民の健康の保持に寄与することです。

そして、医療法は、その目的を実現するため、以下の4つの基本事項についての具体的ルールを定めています。
①患者の医療に関する適切な選択の支援に関する事項
②医療の安全確保に関する事項
③医療施設の開設・管理・監督に関する事項
④医療施設の整備と医療提供施設相互間の機能分担・連携に関する事項

医療法の概要

◯医療に関するルール
医療法の大部分は、医療に関する具体的ルールの規定です。その内容は上述の4つの基本事項に関するものです。実情に応じた細かなルールの設定に関しては、厚生労働省の省令により規定されている関係から、医療法の定めるルールを正確に理解するには、省令を参照する必要があります。

◯医療に関するルールを遵守させるためのルール
次に、医療法は、医療に関する基本的ルールを遵守させるため立入検査や是正命令などの医療施設に対する監督についてのルールを定めています。

◯ルール違反に対する罰則
最後に、ルール違反に対する罰則を定めています。刑罰はルール違反に対する制裁としては最終手段として位置づけられるものです。実際、医療法は、医療法の定める基本ルールの違反のうち、特に悪質であると評価されるものに限定して、罰則を設けています。

医療法における各施設の基準

医療法における主たる医療提供施設は、病院、診療所、助産所の3施設です。それぞれの違いは、以下のとおりです。

◯病院
病院とは、医師・歯科医師の医業・歯科医業を行う場であり、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいいます。

◯診療所
診療所とは、医師・歯科医師の医業・歯科医業を行う場であり、入院施設のないもの、又は、19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいいます。

◯助産所
助産所とは、病院・診療所以外において、助産師の助産業を行う場をいいます。なお、助産所は10人以上の入所施設を有してはならないと決められています。

施設医療の主体業務内容入院(入所)施設の規模
病院医師・歯科医師医業・歯科医業20人以上
診療所20人未満(0人を含む)
助産所助産師助産業10人未満

医療法の広告規制

医療に関する広告は、患者などの利用者保護の観点から、法律により厳しく規制されており、原則として、医療法6条の5第3項各号に掲げられた事項以外の広告は禁止されています。

逆にいえば、医療法6条の5第3項に掲げられた事項についての広告であれば基本的に問題はありません。

<医療法6条の5第3項各号>
①医師又は歯科医師である旨

②診療科名

③当該病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに当該病院又は診療所の管理者の氏名

④診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無

⑤法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨

⑥地域医療連携推進法人(第七十条の五第一項に規定する地域医療連携推進法人をいう。第三十条の四第十項において同じ。)の参加病院等(第七十条の二第二項第二号に規定する参加病院等をいう。)である場合には、その旨

⑦入院設備の有無、第七条第二項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項

⑧当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他の当該医療従事者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

⑨患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項

⑩紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項

⑪診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、第六条の四第三項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項

⑫当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)

⑬当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

⑭その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

◯禁止されている広告の類型

医療法は、医療に関する広告についてのルールを定めています。その趣旨は、患者の医療に関する適切な選択を妨げるおそれのある広告を禁止して排除することにあります。

医療法において禁止されている広告の類型は以下のとおりです。
①虚偽広告
②比較優良広告
③誇大広告
④公序良俗に反する広告
⑤体験談の広告
⑥患者を誤認させるおそれのある治療の前又は後の写真の広告
⑦医療法6条の5第3項の規定する広告可能事項以外の事項の広告

◯禁止されている広告の具体例

ア – 虚偽広告
実際には保有していない医療機器の画像を広告に利用することは虚偽広告です。たとえば、エコー検査のための医療機器を保有していないのに、エコー検査の医療機器のイメージ画像を広告として利用することは虚偽広告になります。

イ – 比較優良広告
他の病院と比較して優良である旨の広告は禁止されています。たとえば、「国内ナンバーワンの治療実績!」なる広告は比較優良広告に当たります。このような表現の広告は、内容的には真実でも禁止されます。

ウ – 誇大広告
内容的には必ずしも虚偽ではなくとも、事実を誇張して表現する広告は禁止されます。たとえば、「○○療法は比較的安全です」との広告は比較の対象について不明であり誇大広告に当たります。

エ – 体験談の広告
病院のHP上において実際に治療を受けた患者の感想等を広告として利用することは禁止されます。たとえば「あきらめかけていた私を救ってくれた奇跡の治療法です!(患者Aさんの体験談)」などの広告です。

オ – 患者を誤認させるおそれのある治療の前又は後の写真の広告
治療内容の説明の不十分のまま治療前の写真と治療後の写真を掲載する広告は患者を誤認させるおそれがあるため禁止されています。たとえば、形成外科における傷痕の形成手術について単に手術前と手術後の写真を掲載するような広告はNGです。

カ – 広告可能事項以外の事項を掲載する広告
医療法は医療に関する広告として広告可能事項を定め、原則として、広告可能事項以外の事項を広告することを禁止しています。たとえば、診療内容としては整形・形成であるのに診療科名として「内科」と広告することは禁止されます。

◯例外的に広告可能な場合

なお、広告可能事項以外の事項でも、以下の①~④(③及び④は自由診療の場合に限ります。)すべての要件を満たす場合、例外的に広告できます。

①医療に関する適切な選択に資する情報であり、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等の広告であること

②表示される情報の内容について、患者等が容易に照会できるよう、問い合わせ先を記載(明示)すること

③自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること

④自由診療に係る治療等に係る主たるリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

医療法違反の罰則

医療法はいくつかのルール違反については罰則を設けています。罰則は、医療機関の内部者に対する罰則と医療機関の外部者に対する罰則に区別できます。

◯内部者に対する罰則
①医療法人の役員等の特別背任・収賄、②広告規制違反などの禁止行為に該当する行為、③各種の届出義務違反などです。

◯外部者に対する罰則
①社会医療法人の役員等に対する贈賄、
②医療機関のカルテの提出・検査に関する事務に従事した公務員による秘密漏示、
③医療事故調査等の従事者による禁止行為に該当する行為などです。

◯広告規制違反に対する罰則
広告規制違反に対する罰則について、医療法は虚偽広告とそれ以外の禁止広告とについて異なる扱いをしています。

すなわち、虚偽広告は非常に悪質かつ患者を誤信させる危険の高い行為であるため、その行為自体を罰則の対象にしており、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

他方、虚偽広告以外の禁止広告については、まずは広告の禁止・是正命令により改善を求め、その命令に違反した場合にはじめて処罰することにしています。

医療法違反事例2つ

最近の医療法違反の事件としては、以下のようなものがあります。

①美容整形クリニックの無許可開設

医師ではない者は、診療所を開設するには、都道府県知事等による許可を必要とします。

2016年3月、医師ではない女性が美容整形クリニックを無許可開設したことを理由に医療法違反として起訴され、懲役2年(執行猶予3年)、罰金100万円に処せられる事件がありました。

近年、こうした医師ではない者による美容クリニックの無許可開設の事件を耳にすることが多くなりました。こうした事件の中には、医師が高額の報酬を受ける見返りとして、診療所開設のため名義を貸す事件もあるようです。

②厚生労働省の調査により160のウェブサイトにおいて違反広告を認定!

2018年6月1日施行の改正医療法においては、ウェブサイト上の広告を規制することになりました。

これに先立ち、厚生労働省は、ウェブサイト上の医療に関する広告の改正医療法違反の状況について調査したところ、実に160ものウェブサイトにおいて「絶対安全」「100%若返る」などの違法広告を認めたと報告して大きな話題となりました。

2017年医療法改正の内容

2017年の第8次医療法改正のポイントは、
①遺伝子関連検査等の品質・精度の確保
②特定機能病院のガバナンス改革
③持分なし医療法人への移行促進策の延長
④医療機関を開設する者に対する監督規定の整備
⑤妊産婦の異状の対応等に関する説明の義務化
⑥看護師に対する行政処分に関する調査規定の創設
⑦医療機関のウェブサイト等の取扱い
です。

詳細は、こちらの記事(2017年医療法改正の内容7ポイントを解説!美容クリニック広告に大影響!?)を見てください。

病院・クリニックのホームページが広告になる!?

2017年の医療法改正で、病院・クリニックのホームページが医療法上の広告に当たると取り扱われるようになりました。

※病院・クリニックのホームページが改正医療法にまだ対応していない方は、こちらのページへ。薬事法ドットコムでは、ホームページチェックの実績が多数あります。

まとめ

医療法は国民の健康の保持に寄与することを目的とした医療に関する基本的ルールを定めた法律です。

その内容は医療機関の開設・運営、医療機関の体制整備・機能分担・連携、ルール違反に対する是正・制裁など医療全般に渡ります。

2018年6月、インターネットのウェブサイトにおいて患者等の医療に関する適切な選択を妨げるおそれのある医療広告の氾濫を背景として、そうしたウェブサイト上の医療広告を規制する改正医療法が施行されました。

医療に携わる者にとって、医療法は業界の基本ルールです。知らなかったは通用しません。今からでも遅くはありませんから、是非一度、医療法についての理解を深める機会を持つようにしましょう。

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