ピーリングはスキンケアの悩みがある人に有効なキーワードですが、化粧品広告で使って良いのでしょうか。
ピーリングと薬機法規制の関係について解説します。またターンオーバーとの違いなどについて説明します。
⇒PDF無料プレゼント「薬事法OK・NG表現がわかる!薬事表現の具体例集148個」
ピーリングとは?
ピーリングとは、肌表面に残った古い角質や汚れを取り除き、肌をなめらかに整えるスキンケア方法です。
古い角質がたまると、くすみや毛穴の目立ち、ざらつきの原因になることがあります。ピーリングによって余分な角質をオフすることで、化粧水や美容液がなじみやすい肌環境をサポートできます。
ピーリングとターンオーバーの違い
ピーリングとターンオーバーはどちらも「古い角質を取り除いて肌を整える」という点で関連がありますが、ターンオーバーは、肌が生まれ変わる自然なサイクルのことを指し、ピーリングはそれを外部からサポートすることを指します。
| 項目 | ピーリング | ターンオーバー |
| 定義 | 古い角質を人工的に取り除くケア | 肌が自然に新陳代謝するサイクル |
| 仕組み | 化粧品成分や物理的な作用で角質を除去 | 約28日周期で細胞が入れ替わる |
| 管理 | 自分のペースで行う | 体内の生理現象で自然に行われる |
関連記事:ターンオーバーと薬機法規制
ピーリングの薬機法規制!化粧品広告で表現できる?
ピーリングが、洗浄・拭き取り行為などの物理的効果によるものであることを明確に示していれば、表現として使うことが可能です。
化粧品の効能効果として「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする」は認められています。
ただし、医療行為とされている「ケミカルピーリング」という表現や、ピーリングで肌荒れやシミが治る・改善するなどの治療的表現は使うことができません。
化粧品広告で表現できる56個の効能効果は以下のとおりです。
頭皮や毛髪
(1)頭皮、毛髪を清浄にする。
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
(4)毛髪にはり、こしを与える。
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
(7)毛髪をしなやかにする。
(8)クシどおりをよくする。
(9)毛髪のつやを保つ。
(10)毛髪につやを与える。
(11)フケ、カユミがとれる。
(12)フケ、カユミを抑える。
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ。
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(15)髪型を整え、保持する。
(16)毛髪の帯電を防止する。
皮膚や肌
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
(19)肌を整える。
(20)肌のキメを整える。
(21)皮膚をすこやかに保つ。
(22)肌荒れを防ぐ。
(23)肌をひきしめる。
(24)皮膚にうるおいを与える。
(25)皮膚の水分、油分を補い保つ。
(26)皮膚の柔軟性を保つ。
(27)皮膚を保護する。
(28)皮膚の乾燥を防ぐ。
(29)肌を柔らげる。
(30)肌にはりを与える。
(31)肌にツヤを与える。
(32)肌を滑らかにする。
(33)ひげを剃りやすくする。
(34)ひげそり後の肌を整える。
(35)あせもを防ぐ(打粉)。
(36)日やけを防ぐ。
(37)日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
芳香
(38)芳香を与える。
爪
(39)爪を保護する。
(40)爪をすこやかに保つ。
(41)爪にうるおいを与える。
口唇
(42)口唇の荒れを防ぐ。
(43)口唇のキメを整える。
(44)口唇にうるおいを与える。
(45)口唇をすこやかにする。
(46)口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
(47)口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
(48)口唇を滑らかにする。
(49)ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
歯・口の中
(50)歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(51)歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(52)口中を浄化する(歯みがき類)。
(53)口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(54)歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
(55)歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
皮膚
(56)乾燥による小ジワを目立たなくする。
注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。
ピーリングのOK/NG表現・言い換え例
ピーリングという表現を使った場合のOK・NG表現例について紹介します。
前後の表現や注記も使用し、上記で説明した物理的効果であることを逸脱した表現にならないように注意する必要があります。
| NG表現 | OK表現 |
| この洗顔料はピーリング効果でシミを消します | この洗顔料はピーリングで古い角質をやさしく洗い流し、透明感のある印象へ導きます |
| ピーリングで毛穴の黒ずみをすべて除去 | ピーリングで毛穴の汚れをすっきり洗浄し、クリアな印象に |
| ピーリング作用によって肌の再生を促します | ピーリングで肌を整え、若々しい印象へ導く |
| このピーリングジェルはしわを改善する | このピーリングジェルは、なめらかな肌へ導きます |
| ピーリングでにきびを治す | ピーリングケアで肌を清潔に保ち、健やかな印象を守る |
| ピーリング処方で角質層をリセット | ピーリングで角質をやさしくオフし、潤いをキープ |
| このピーリングで肌質が変わる | このピーリングが、しっとりとした印象の肌をサポート |
| ピーリングを使えば肌が生まれ変わる | ピーリングで肌を整え、明るい印象に導く |
| ピーリングにより、肌のシワが薄くなる | ピーリングでなめらかな印象を高め、キメを整える |
ターンオーバー促進は化粧品広告で表現できる?
「ターンオーバーを促進する」「ターンオーバーを整える」というような表現は、化粧品の効能効果の範囲を逸脱するため、化粧品広告で使うことはNGです。
肌の機能に影響を与える表現になるため、使うことができません。
薬機法に違反したときの罰則やリスク
化粧品広告で、薬機法第66条の誇大広告等に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科です。
そして、措置命令や課徴金納付命令のおそれもあります。
また、法的責任だけでなく、SNSで炎上したり、ニュースになって会社の信頼性が長期に渡って損なわれたりするおそれがあります。
措置命令
措置命令は、薬機法第72条の5、に定められており、違反広告の中止や再発防止などを求められます。
<対象>
・第66条第1項
・第68条
<具体例>
・違反したことを関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・その違反行為を将来繰り返さないこと
など
課徴金納付命令
課徴金納付命令は、薬機法第75条の5の2、に定められており、課徴金の納付が求められます。
<対象>
・第66条第1項
<課徴金の金額>
・課徴金対象期間の商品売上の4.5%(最長3年間)
・225万円未満の場合は課徴金なし
<減額>
・同一事案に対し、景品表示法の課徴金納付命令がある場合
⇒3%を減額して1.5%・自ら報告した場合は、50%相当額を減額
化粧品広告で薬機法違反をしないための対策4つ
1. 効能効果表現の線引きを徹底する
化粧品で許される表現は「清潔にする・美化する・肌や毛髪をすこやかに保つ」といった範囲に限定されます。
シミが消える、シワが改善する、治るといった医薬品的な効能はNGです。
広告制作時にはまず「この表現は医薬品的ではないか?」「根拠があるか?」といった基準で精査し、違反表現は薬機法の範囲内の表現に言い換えることが重要です。
2. 比較・保証表現を避ける
「他社製品より効果が高い」「必ず肌がなめらかになる」といった比較・保証表現は薬機法および景品表示法にも抵触する恐れがあります。
「ピーリング化粧品を使えば、一度で劇的に変化」などの誇張表現も避けましょう。
安全な表現を使いつつ、その商品の特徴・優位性・差別化ポイントを説明するようにしましょう。
3. 口コミや体験談の取り扱いに注意する
実際の利用者の声であっても、口コミや体験談で「治った」「改善した」など医薬品的な表現を含む場合は、掲載そのものが違反となる可能性があります。
口コミを使う際は、薬機法に違反しない内容までにする、他の消費者が誤認しない範囲に編集する、などの対応が求められます。
4. 社内チェック体制を整え、定期的に研修を行う
薬機法違反を避けるためには、制作段階でのチェック体制が不可欠です。広告文言は必ず複数人で確認し、薬機法ガイドラインに沿っているかを精査します。
また、スタッフに定期的な研修を行い、最新の規制や行政の指摘事例を共有することで、表現リスクを減らせます。仕組みとして違反を防ぐことが、最も確実な対策となります。
まとめ
ピーリング化粧品は角質ケアとして人気が高い一方で、広告表現においては薬機法の規制を十分に理解しておく必要があります。
例えば「シミが消える」「肌質が変わる」といった効能効果は違反表現になり、広告で訴求すると行政処分や企業の信頼失墜につながりかねません。
薬機法の範囲内で広告表現を行うことが長く事業を続けるためには大切です。専門家による表現チェックを取り入れることも検討し、効果的な表現で商品価値を訴求することが求められます。












コメント