景品表示法違反による課徴金事例10選!課徴金額1億円超!?

景品表示法に課徴金が導入されてからしばらく経ちました。高額な課徴金事例も出てくるようになり、企業関係者の注目度も上がっています。どんな課徴金事例が今まであったのか見ていきましょう。

景品表示法とは?

景品表示法は商品・サービスの取引に関連する不当景品・不当表示による顧客の誘引を防止するために消費者の自主的かつ合理的選択を阻害するおそれのある行為の制限・禁止についてのルールを定めることにより、消費者の利益を保護するための法律です。

「景品」とは、顧客を誘引する手段として取引に付随して提供する物品・金銭などの経済上の利益のことです。たとえば、ある商品を購入した場合の特典として別の商品の割引券を交付するケースにおける「割引券」は景品に該当します。

「表示」とは、顧客を誘引する手段として供給する商品・サービスの品質・規格・価格などの取引条件についての広告・表示全般のことです。たとえば、あるサプリメントの広告に「〇〇に絶対に効く万能クスリ」と記載しているケースにおける当該記載は表示に該当します。

景品表示法違反による課徴金制度とは?

課徴金制度が導入された背景

2013年、複数のホテル・レストランにおいてメニュー表示とは異なる食材を使用した料理を提供している事実の発覚したことは社会問題になりました。

こうした事態を踏まえ、国は景品表示法違反の防止を徹底する趣旨から違反行為により取得した経済的利益を没収する制度として、景品表示法違反に対する課徴金制度を導入することにしました。

課徴金対象行為

課徴金の対象になる行為は、①優良誤認表示、②有利誤認表示の2つです。

「①優良誤認表示」とは、提供する商品・サービスの内容について、実際または他の同種・類似の事業者より著しく優良であると表示することです。たとえば、ハンバーグのメニューにおいて「A5等級の牛肉使用」と表示しているのに実際使用しているのはC1等級の牛肉であるような場合です。

「②有利誤認表示」とは、提供する商品・サービスの取引条件について実際または同種・類似の事業者より著しく有利であると表示することです。たとえば、平均価格5万円のテレビであるのに10万円と価格表示した上、「値引率業界No1の30%オフ」と値引表示するような場合です。

課徴金対象行為に対して課徴金納付命令を免れる2つのケース

景品表示法は課徴金対象行為に対して課徴金の納付を命じることのできない2つのケースについて定めています。

1つ目は、優良誤認表示・有利誤認表示であることを知らず、かつ、知らなかったことについて相当の注意を怠ったとはいえない場合です。たとえば、信頼性の高い情報を根拠に当該情報に従い表示していたにもかかわらず、実際には当該情報は誤りであり、不当表示していたような場合には、課徴金の納付を免れる可能性があります。

2つ目は、計算された課徴金額が150万円未満である場合です。後でも説明するように、課徴金額は違反行為に関する商品・サービスにより得た売上額の3%に相当する額になりますから違反行為による売上金5000万円未満の場合には課徴金の納付を免れることになります。

景品表示法違反による課徴金の計算方法は?

課徴金の金額は課徴金対象期間に取引した課徴金対象行為の対象の商品・サービスによる売上金の3%に相当する額です。

課徴金対象期間は原則として課徴金対象行為をした期間です。つまり、不当表示を始めたときから当該表示をやめるまでの期間になります。但し、表示をやめてから6ヶ月以内に当該表示の対象の商品・サービスの取引をした場合には最後に当該取引をした日までの期間(上限3年)になります。

景品表示法違反による課徴金事例10選

①自動車の燃費を誤魔化して課徴金4億8507万円

三菱自動車工業株式会社は、販売する自動車の走行燃費について、「国の定める試験方法に基づく燃費性能は25.4㎞/ℓ」と表示していたところ、実際は当該表示の燃費性能は国の定める試験方法に基づくものではなく、国の定める試験方法に基づく場合の燃費性能は24.0㎞/ℓでした。

このような不当表示により違反業者は当該表示の対象になる自動車(複数の車種の燃費性能について不当表示していました。)の販売による売上に基づき4億8507万円の課徴金の納付を命じられました。

②根拠なく痩せるとの宣伝で課徴金1億886万円

販売する飲料水の広告として「海外でも大注目!日本版スムージーの”青汁”ダイエット」「おいしく飲んでスリムボディに!」などの文句を記載して、容易に痩身公課の得られる表示していた業者(株式会社シエル)は、消費者庁から、その効果の裏付となる合理的根拠を示す資料の提出を求められたものの提出することができず課徴金1億886万円を命じられました。

この事例では、商品の痩身効果について合理的根拠になる資料を提出できなかったため不当表示であると判断されたものと推測されますが、本来、表示の根拠になる資料の不提出の事実と不当表示であるとの判断は直結しないはずです。
 
それにもかかわらず、不当表示であると判断されたのは、景品表示法において課徴金納付命令に関して消費者庁により不当表示の判断のために必要となる表示の根拠になる資料の提出を求めたのに提出しなかった場合には当該表示は不当表示と「推定する」と規定されているためです。

ちなみに、課徴金とは別の不当表示に対する違反行為の差止命令等の措置命令に関しては表示の根拠を示す資料不提出の場合には不当表示であるものと「みなす」と規定しており、課徴金の場合より更に事業者は不利な立場に置かれます。

課徴金の場合には資料の不提出により不当表示であると推定されるものの推定は覆すことができます。他方、措置命令の場合には資料の不提出により不当表示であるとみなされるため、もはや真実に基づく表示であるとの反論は一切できなくなってしまうのです。

なお、この事例において課徴金納付を命じられた会社は同じ商品の広告として「初回¥680円コース※税抜」「毎月先着300名様限定」などと表示していたところ、実際には毎月の新規定期購入者は300名を著しく超過しており痩身効果の不当表示とは別の不当表示をしていました。

③着るだけで痩せるレギンス?課徴金255万円

レギンス(株式会社 SAKLIKIT(サクライキ))の広告において「何もしなくても24時間絶食状態!! 異常なスピードで体重が落ちる!! その威力はたった3日で-5㎏減量! 7日後…-10㎏ 10日後…-14㎏ 21日後には下半身だけじゃない!? 全身の脂肪が痩せていく!! ↓↓↓」などと表示した上、いわゆるビフォアフターの画像を掲載して、あたかも商品を着用するだけで短期間で容易に著しい痩身効果が得られるかのように表示した事例において、その効能の根拠を示すことはできず課徴金255万円の納付を命じられた事例があります。

このような少し過激な文言を使った商品広告は頻繁に目にしますが、痩せたいと思う人が大勢いるからこそ後を絶たないのでしょう。

④誰でも簡単に痩せられるかのようなサプリで課徴金4893万円

痩せ効果を期待させる健康食品について、ウエストにくびれのある女性の写真とともに「おなかの脂肪 臨床実験結果公開! 3ヶ月でマイナス15.3㎠ くびれを目指す!」「ダイエット成功期待度 第1位 獲得サプリ!」と記載し、誰でも容易に内臓脂肪の減少による外見上身体の変化を認識できるまでの腹部の痩身効果が得られるかのような表示をしていた会社(株式会社ステップワールド)がありました。

そして、その効果の合理的根拠を示す資料がないとして、課徴金4893万円の納付を命じた事例があります。

⑤ふっくらボディになれる?食品で課徴金266万円

食品販売関連の優良誤認表示に対して課徴金を命じられた事例の多くはダイエット食品の表示ですが、中には反対にふっくら健康的ボディになるための肥満効果を謳い文句とした食品の優良誤認表示に対して課徴金の命じられた以下のような事例もあります。

この商品を販売していた業者(株式会社Life Leaf)は自社ウェブサイトにおいて「太れない体質だとあきらめたくない!」「女性らしい美ボディに!健康的にふっくらしたい」、商品の容器包装の写真と共に「3ヶ月で5.1㎏増えた『7つの秘訣』プレゼント!」等と記載することにより、同商品を飲めば容易に体重を増やすことができ、ふっくらボディになれるかのように表示していました。

しかし、実際には、そのような肥満効果を得られることの裏付けになる根拠を示すことができなかったため、不当表示と判断され課徴金266万円を命じられました。

⑥盛った広告の何でも屋に課徴金4988万円

電気・鍵・ガラス・害虫の各トラブル解決に関するサービスを提供する会社は、以下のような不当表示をしていました。

①拠点数1000を大きく下回るのに「全国1000拠点!」と表示していた
②年間受注実績10万件を大きく下回るのに「年間実績10万件以上」と表示していた
③実際には〇〇(官公庁)・△△(有名企業)からの受注実績はないのに「官公庁・有名企業 御用達の確かな実績のあるサービスです」「〇〇、△△…」と表示していた
④実際には取材されていないメディアから取材実績のあるかのように表示していた
⑤自社の運営する比較サイトであるのに他社の運営する比較サイトであると装い、自社の提供サービスを高順位にランキングして表示していた

この会社(株式会社ARS)は、とにかくあらゆることについて盛って表示していたがために不当表示として高額の課徴金の納付を命じられることになりました。

⑦すべてのモンスターが究極進化するわけではない!?課徴金5020万円

最近流行の某オンラインゲームにおいて提供されるモンスターガチャについて、インターネット上の公式番組内において全てのモンスターが「究極進化」と称する仕様の対象になるかのように表示していたところ、実際提供されたモンスター13体のうち「究極進化」と称する仕様の対象になるのは2体だけでした。

この不当表示により同ゲーム運営会社(ガンホー・オンライン・エンターテインメント株式会社)は5020万円の課徴金の納付を命じられました。

⑧何となく良さそうな格安SIM…実際は?課徴金8824万円

ある格安SIM販売業者(プラスワン・マー ケティング株式会社)は同社のウェブサイトにおいて、同社のSIMの通信速度について「業界最速」と表示した上、同業他社の通信速度より同社のSIMの通信速度の高いことを示すグラフを掲載したり、格安SIM販売シェアNo1と掲載したりしていました。しかし、そのような表示を裏づける根拠はなく不当表示であると判断されました。

また、この会社は「LINEデータ通信料無料!」などアプリ利用時に生じるデータ通信料は通信利用容量の対象外になるかのような表示をしていたところ、実際にはアプリ利用によるデータ通信料の一部は通信利用容量の対象になっていました。

通信関係の広告の記載は一般の消費者からすれば専門用語や専門的知識が多くよく分からないところもありますから、不当表示をしても分からないだろうとの思いがあったのかもしれませんが、結局、そのために8824万円の課徴金の納付を命じられてしまいました。

⑨偽りの値引により課徴金4936万円

ある資格関連学校(株式会社日本教育クリエイト)において提供する授業の受講料について「通常受講料120,000円▼最大受講料半額以上もお得!59,500円~(教材費込・税別)」と記載していたところ、実際には「通常受講料として記載された価格は最近相当期間にわたり提供された実績のないものであった事例について課徴金4936万円の納付を命じられました。

⑩何となく良さそうなディスプレイ…実際は?課徴金1704万円

ある会社(合同会社DMM.com)の販売していた液晶ディスプレイの広告において「4K/60p、120Hz駆動、HDCP2.2対応の50/65インチ 4Kディスプレイをお求めやすい価格でご提供」「1秒間に60フレームの4K映像を表示する4K/60pに対応」などと、前後のフレームから中間的フレームを新たに生成して映像を補完する倍速駆動と称する技術により1秒間に60フレームで構成される映像を1秒間に120フレームで構成されるより滑らかな映像にして映し出す機能を有しているかのように表示していたところ、実際には、その商品は1秒間に60フレームで構成される映像を1秒間に120フレームで構成される映像にして映し出す機能を有していませんでした。

最近の電化製品は内容の難しい最新技術を搭載しているため、広告において分かりやすく説明してくれることは助かりますが、何となく良さそうな家電に見せかけるために不当表示するのは当然ながらアウトです。この会社は上記の不当表示に対して1704万円の課徴金の納付を命じられました。
 

まとめ

景品表示法は消費者保護の観点から商品・サービスの内容及び取引条件についての優良誤認表示及び有利誤認表示を禁止しています。

そして、景品表示法は優良誤認表示または有利誤認表示による消費者被害の防止を徹底する目的から不当表示行為に対して課徴金の納付を命じる制度を導入しています。

課徴金の金額は不当表示の対象の商品・サービスに関する取引により取得した売上金の3%相当額です。

不当表示に対する課徴金の納付命令を免れるケースは、①不当表示であることを知らず、かつ、知らなかったことについて注意を怠ったとはいえない場合、②算定された課徴金の金額150万円未満の場合(不当表示による売上金5000万円未満)です。

過去に課徴金の命じられた事例は多数あるところ課徴金の額は売上金に比例しますから、自動車販売に関する不当表示の事例では4億円を超える課徴金の納付を命じられたことがあります。

また、課徴金を命じられるケースとして多いのはダイエット効果を期待させる飲料水・サプリ・下着などの販売に関する不当表示の事例です。

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