有利誤認表示とは?数量限定・期間限定・二重価格の事例紹介[景品表示法]

景品表示法は商品・サービスの取引に関連する不当表示による顧客の誘引を防止して一般消費者の利益を保護しています。

具体的には、景品表示法において禁止されている不当表示は、①優良誤認表示と②有利誤認表示の2類型になります。

今回は、このうち「有利誤認表示」について、その内容、具体例、優良誤認表示との違い、過去にあった有利誤認表示に対する処分事例について解説します。

景品表示法の有利誤認表示とは?

有利誤認表示とは、商品・サービスの取引において、価格その他の取引条件について、
①実際のものより取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
②競業事業者に係るものより取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
をいいます。

簡単にいえば、有利誤認表示とは、実際の取引条件は有利ではないのに、あたかも有利であるように思わせる表示をして、消費者に対して、不当に取引の誘引を図る表示のことです。

なお、有利誤認表示の禁止は表示それ自体を禁止しているため、不注意により有利誤認表示してしまった場合でも景品表示法の規制対象になるので注意しましょう。

有利誤認表示と優良誤認表示との違い

景品表示法では有利誤認表示とは別に優良誤認表示を禁止しています。

有利誤認表示と優良誤認表示との大きな違いは表示の内容です。

有利誤認表示は商品・サービスの取引の「条件」についての不当表示であるのに対して、優良誤認表示は商品・サービスの「内容」についての不当表示になります。

たとえば、パソコンの販売に際して、パソコンの実際メモリは4GBであるのに「8GB」と表示することは製品の性能に関する不当表示であり優良誤認表示になります。

他方、そのパソコンの販売価格について、実際には過去に10万円での販売実績はないのに「通常10万円のところ半額5万円!」と表示(これを二重価格表示といいます。)することは取引条件の不当表示であり有利誤認表示になります。

有利誤認表示の数量限定表示の具体例

数量限定表示とは、「先着〇名様限定!」などの表示です。

このような数量限定表示は一般消費者に安価に購入できる商品・サービスの数量の限定について誤認を与える場合には有利誤認表示になります。

また、商品・サービスの価格の点とは無関係の数量限定表示でも、当該商品・サービスの希少性(レア感)について誤認を与える場合には有利誤認表示になります。

たとえば、「先着50個に限り500円」との表示をしながら実際には数量の限定はなく通常500円として販売しているような場合には有利誤認表示になります。

また、「100個限定A社オリジナル商品」と表示しながら、実際には当該オリジナル商品の販売数に限定のないような場合には有利誤認表示になります。このような場合、たしかに商品の価格についての誤認を生じさせることにはなりませんが、取引条件により生じる商品の希少性について誤認を生じさせることになるため有利誤認表示になるのです。

有利誤認表示の期間限定表示の具体例

期間限定表示とは「安売りセール中。〇月〇日まで」や「絶賛値引きキャンペーン中。〇月〇日まで」などの表示です。

このような期間限定表示は実際に値引きの期間に限定を設けていない場合には、一般消費者に表示された期間における取引の有利性を誤認させることになるため有利誤認表示となります。

たとえば、「今ならキャンペーン期間中(〇月〇日まで)のため1500円」との表示をしながら、実際にはキャンペーン期間外でも1500円での販売を行っている場合には有利誤認表示になります。

有利誤認表示の二重価格表示の具体例

二重価格表示とは販売価格と販売価格より高い価格を併記する表示です。
二重価格表示は適正に表示されていれば消費者の適正な商品の選択と事業者の適正な競争を促進することになり問題はありません。

しかし、たとえば、実際には2万円での販売実績などないのに「通常価格2万円のところ半額の1万円」との二重価格表示は消費者に対し現在の価格の有利性について誤認させるため有利誤認表示になります。

なお、数量限定表示と期間限定表示は同時に二重価格表示となり得ます。
たとえば、「通常1000円のところ先着20名様に限り500円での販売!」や「通常1万円のところ、〇月〇日まではキャンペーン価格5000円!」との表示は数量限定・期間限定表示あると同時に通常価格を併記する二重表示でもあります。

有利誤認表示のガチャの具体例

多くのオンラインゲームではゲームを有利にするために使用できるアイテムやキャラクターについて、有償の抽選(くじ)により取得できるサービスを提供しており、これを通称「ガチャ」といいます。

オンラインゲームのユーザーとしては、少しでもゲームを有利に進めることのできるアイテム・キャラクターを取得したいと欲しますから、事業者のガチャに関する表示はユーザーの課金取引の判断に大きな影響を与えることになります。

そのため、ガチャに関する取引条件の誤認表示は有利誤認表示になるのです。
たとえば、ゲームのユーザーにとって、レアとされるアイテム・キャラクター等のガチャにおける出現率は課金取引の選択において非常に重要になるところ、実際には出現率0.05%のアイテムについて「出現率5%」と表示すれば、消費者は取引の有利性を誤認することになりますから有利誤認表示になります。

また、実際にはキャンペーン期間後でも出現するキャラクターについて「〇〇(キャラクター名)の出現するのは〇月〇日までのキャンペーン中の期間限定。それ以降は一切出現しません。」との表示は、やはり有利誤認表示になります。

有利誤認表示が認められた場合に起こること

景品表示法違反で有利誤認表示の疑いがある場合、消費者庁は関連資料の収集、事業者に対する事情聴取などの調査を実施します。

調査の結果、有利誤認表示であると認められた場合、消費者庁は違反事業者に対して当該有利誤認表示の排除、再発防止策の実施などの措置を命じます(措置命令)。

消費者庁による調査において誠実に協力しない事業者は1年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。

また、消費者庁による措置命令に違反した事業者は2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられます。

次に、有利誤認表示をした事業者は一定の要件を満たす場合には消費者庁より課徴金の納付を命じられます。

有利誤認表示の景品表示法違反・課徴金事例5つ

①専門学校の受講料の二重価格表示の事例

<平成30年3月28日発表>
株式会社日本クリエイトは自社のウェブサイトにおいて「通常受講料120,000円▼最大受講料半額以上もお得!59,500円~」などの表示をしていたところ、実際には同社において通常受講料と称する価格は最近相当期間に渡り提供された実績のないものでした。

このような二重価格表示は有利誤認表示であり、同社は4936万円の課徴金の納付を命じられました。

②インターネット接続提供サービスの限定のキャンペーン価格の表示の事例

<平成30年3月23日発表>
株式会社エネルギア・コミュニケーションズは、自社ウェブサイトにおいて、提供するインターネット接続サービスの月額料金に関して「キャンペーン期間:2016年2月1日(月)~5月20日(金) 月々最大800円割引」と表示していたところ、実際には2016年2月1日~2017年9月30日までの期間において毎月最大800円の割引を実施していました。

このような有利誤認表示に対して同社は530万円の課徴金納付を命じられました。

③健康飲料水の数量限定販売表示の事例

<平成30年10月31日発表>
株式会社シエルは販売する健康飲料水の定期購入に関して「毎月300名様限定」と表示していたところ、実際には毎月の新規定期購入者は300名を著しく超過していました。

同社はそのほか優良誤認表示をしていたため最終的に1億886万円の課徴金納付を命じられました。

④下着類の販売価格に関する二重価格表示の事例

<平成30年10月5日発表>
株式会社ギミックパターンは、販売するストッキング等の下着類の価格につき自社のウェブサイトにおいて「5着セット+1着プレゼント+送料無料 通常価格99,000円→特別価格19,800円(税別)」などと表示していたところ、実際には通常価格と称される価格は同社の任意により設定されたものであり販売実績のないものであった。

同社は他の優良誤認表示の違反を含め8480万円の課徴金納付を命じられました。

⑤アプリ利用のデータ通信料に関する有利誤認表示の事例

<平成30年3月23日発表>
プラスワン・マーケティング株式会社は、いわゆる格安SIMカードの販売に関し、自社のウェブサイトにおいて「LINEのデータ通信料無料!」「FREETELなら各種SNS利用時のデータ通信料が無料!!」などと表示したところ、実際には当該データ通信料の一部は通信利用容量の対象になるものであった。

この有利誤認表示により同社は他の不当表示違反を含め8824万円の課徴金納付を命じられました。

まとめ

有利誤認表示とは、商品・サービスの取引条件について実際より有利であるものと誤認させる表示をいいます。

有利誤認表示は取引条件に関する誤認表示であり、その点において、商品・サービスの内容の有利性に関する誤認表示である優良誤認表示とは異なります。しかし、両者ともに違反すれば措置命令・課徴金納付命令の対象になる点では共通しています。

有利誤認表示の典型例は、①過去の販売実績のない任意の通常価格とそれより安い価格を併記する二重価格表示、②数量・期間限定ではないのに数量限定・期間限定と表示する数量限定表示・期間限定表示です。

過去には有利誤認表示のため1億円を超える課徴金納付を命じられた事例があります。うっかり有利誤認表示したために甚大な損失を被るリスクがありますから、商品・サービスの内容や取引条件に関する表示は慎重に行うようにしましょう。

また、有利誤認表示となるか分からなくて困った場合などには弁護士等の専門家に相談するとよいでしょう。

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