ステマが禁止になりましたが、X(旧Twitter)でPR案件を投稿する場合、どんな表示をすればよいのでしょうか。X(旧Twitter)上のルールや法規制はどうなっているのか、詳しく解説します。
⇒PDF無料プレゼント「薬機法OK・NG表現がわかる!薬事表現の具体例集148個」
X(旧Twitter)のPR表記ルール
X・エックス(旧Twitter)のPR表記ルールとしては、PR案件を投稿する場合、「#PR」「#広告」といったハッシュタグや、他の方法で、他のユーザーから見たときにすぐに案件だと分かるような表示が基本的に必要と考えておきましょう。
<具体例>
【ミニチュアの世界を満喫】スモールワールズに行ってみた【ちびめし】
東京 有明にあるアジア最大級のミニチュアミュージアム「スモールワールズ」って知ってる?
中にあるカフェの新メニュー「カフェオレドーナツ」をちびめしで再現したよ🍩
Sponsored by Small Worlds #PR pic.twitter.com/esJJQNG4eL
— テイストメイド ジャパン (@Tastemade_japan) May 1, 2023
大まかなルールとしては上記のものになりますが、PR表記のルールについて書かれてある次の2つについて、このあと詳しく説明します。
①X(旧Twitter)の「有料パートナーシップに関するポリシー」
②「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(いわゆるステマ規制)」
X(旧Twitter)のポリシー
X(旧Twitter)の「有料パートナーシップに関するポリシー」では、次のように書かれています。
有料パートナーシップの一環として作成され、オーガニックツイート(有料でない通常のツイート)として投稿されたツイートは、商用コンテンツであることを示唆する情報を、明確かつ分かりやすく開示する必要があります。たとえば「#広告」、「#有料パートナーシップ」、「#スポンサー」といったハッシュタグをコンテンツに含めます。
また、有料パートナーシップについては次のようなものが含まれるとされています。
・ツイートに対する報酬(金銭や贈答品の形態、商品の貸与の形態、またはその他の報酬またはインセンティブの形態を取るものを含む)をこれまでに受け取ったことがあるか、または今後受け取る可能性のある利用者
・商取引関係(現在または最近の「ブランドアンバサダー」契約など)の一環として作られたり、そうした関係に関連して作られりしたツイート
・利用者が利益、インセンティブ、または報酬などを受け取れる可能性のあるアフィリエイトリンクや割引コードを含むツイート
引用:Twitterポリシー
つまり、いわゆるPR案件以外にも、何らかの報酬やインセンティブをもらっている場合や、アフィリエイトの場合にも、商用コンテンツであることをわかりやすく示す必要があると書かれています。
ステマ規制
「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示(いわゆるステマ規制)」は、令和5年10月1日からの施行です。
Twitterのポリシーはあくまでプラットフォームのポリシーであって法律とは異なりますが、内容は概ね似ています。おそらく外国でもステマが問題になっていることや、外国の規制を参考に日本の規制が作られたためでしょう。
ステマ規制でも投稿する場合は、事業者の表示であることをわかりやすく表示するように求められています。
一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていると認められるためには、一般消費者にとって、表示内容全体から、事業者の表示であることが分かりやすい表示となっている必要がある。例えば、以下の場合が考えられる。
ア 「広告」、「宣伝」、「プロモーション」、「PR」といった文言による表示を行う場
合。
(注) ただし、これらの文言を使用していたとしても、表示内容全体から一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭となっていると認められない場合もある。イ 「A社から商品の提供を受けて投稿している」といったような文章による表示を
行う場合。
引用:ステマ規制
事業者が関与している場合には、もちろんそのことを分かりやすく表示する必要がありますが、事業者が明示的に依頼していない場合であっても、次のような場合には関与していると判断されるおそれがあります。
・商品又は役務を無償で提供し、その提供を受けた第三者が事業者の方針や内容に沿った表示を行う
・商品又は役務について表示することが、第三者に経済上の利益をもたらすことを言外から感じさせたり、言動から推認させたりする
などで、自主的な意思によるものとは認められない場合
また、金銭や物品に限らず、その他の経済上の利益など、何らかの対価性を有する関係がある場合には、PRなどの表記が必要です。
PR案件の投稿でPRタグは必須?
これまでにも説明したように、「#PR」というPRタグが必須なわけではありません。「#広告」「#宣伝」などのタグでも問題ないでしょう。
つまり、自分以外の事業者が関わっている商用コンテンツであると分かるような表示であれば、問題ありません。
ステマになる危険性のある投稿例4個
1. 大量のハッシュタグに紛れ込ませる
PR投稿であることを分かりにくくするために、大量のハッシュタグの中に紛れ込ませるのは、ステマ規制に違反するおそれがあります。
ステマ規制の不明瞭な方法の具体例として書かれてあります。
2. リプライで表示する
最初のツイートで表示せずに、リプライに「#PR」などと表示するのはステマ規制に違反するおそれがあります。
リプライに書いてある場合、見ていない人も多いと思われ、不明瞭と判断される可能性があります。
また、消費者庁の「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」にて望ましくない表示の例として掲載されています。
3. 動画で一瞬だけ表示させる
動画でPR内容を投稿する場合もあると思いますが、動画の途中で一瞬だけPRと表示したり、端に小さく表示したりするのは、不明瞭と判断されるおそれがあります。
どちらもステマ規制の不明瞭な方法の具体例として挙げられています。
4. 引用リツイートだけ行う
他ユーザーの投稿を引用リツイートする場合にも、PRなどの表示をしていないと、ステマ規制に違反するおそれがあります。
何らかの対価をもらっている場合には、表示することを忘れないようにしましょう。
違反した場合のリスク
Twitterのポリシーでは、違反した場合の対応として「適切な情報が明確かつ分かりやすく開示されていないコンテンツについては、強制的措置が取られることがあります。」と書かれてあります。
具体的な措置内容は書かれていませんが、アカウント凍結などのリスクがあるかもしれません。
ステマ規制に違反した場合は、景品表示法第7条にある「措置命令」が行われます。
措置命令が行われると、公表され、再発防止を求められます。
多くの人に知れ渡ることになるため、信頼を損なうでしょう。
まとめ
X(旧Twitter)のPR表記ルールについて説明しました。ステルスマーケティングは世界的にも問題になっており、日本でも法規制が及ぶことになりました。
事業者側としては、これまで以上に関わるインフルエンサーに注意する必要があるでしょう。インフルエンサー側としては、ルールを守った運用をしておかないと、クライアントが離れていくことになります。
規制を守った運用をしていきましょう。
コメント