近年、「ストレス社会」といわれる中で、心身を癒やすための癒やしグッズが多数販売されています。こういった商品の広告の謳い文句として、 「リフレッシュ」や「リラックス」や「癒し」などの言葉を見かけますが、薬機法上問題ないのでしょうか。
この記事では、薬機法の化粧品にあたる商品について、どこまでの表現がOKなのか説明します。
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薬機法の化粧品とは?
薬機法上の「化粧品」の定義は以下です。
薬機法上の化粧品にあたる具体的なものには、基礎化粧品、メーキャップ化粧品、ヘアトニック、香水、歯磨き、シャンプー、リンス、石鹸などのトイレタリー製品などがあります。
化粧品として標ぼうできる効能効果は56個あり、広告で化粧品の効果を標ぼうする際は、その効能効果の範囲内で表現する必要があります。
例えば、癒しグッズとして代表的なアロマは、単に香りを楽しむのであれば薬機法上の「雑貨」ですが、人体に直接使用し、化粧品的な使い方をする場合は、「化粧品」に分類されます。そのため、アロマを香水やトリートメントなどとして扱う場合は、薬機法上の規制を受けることになります。
化粧品やアロマでリラックスは薬機法OK?
薬機法上、化粧品やアロマで、「リラックス」という表現自体は使用してもOKです。ただし、「化粧品やアロマを体内に成分を取り込んだことでリラックスする」という意味合いの表現はNGです。
なぜなら、「リラックス」は一種の精神的作用であり、化粧品やアロマを体内に成分を取り込むことで、身体の機能に薬理的な影響を及ぼす表現として使われると、薬機法上認められる化粧品の効果を逸脱すると判断される可能性があるからです。
例えば、香水の広告で、「●●の香りで癒されてリラックス」や、オイルトリートメントの広告で「●●の成分でリラックス」などの表現は薬機法違反となる可能性があります。
OKな表現例として、アロマで「リラックスできる雰囲気をつくる」など、人体に直接作用しない表現であれば問題なく使用できます。
「リラックス」自体は薬機法上OKですが、表現によっては抵触するので注意が必要です。
健康食品や雑貨でリラックス効果は?
化粧品以外にも、健康食品や雑貨の販売でリラックス効果を表現したい場合もあるでしょう。
しかし、リラックスという精神的作用を及ぼすと受け取られるような表現であれば薬機法違反となり、NGです。
「リラックスした時間に」
など、精神的作用ではない意味合いで使うようにしましょう。
リフレッシュは薬機法OK?
薬機法上、「リフレッシュ」という表現自体は使用してOKです。
ただし、化粧品の効果として、「疲れ」や「ストレス」を癒して「リフレッシュ」するという意味合いの表現をすることはNGです。
なぜなら、一般的に「疲れ」や「ストレス」は、人の不調を表現するものであり、こういった症状に対する効果については、薬機法上認められた化粧品の効果を逸脱するからです。
例えば、「●●を塗ることで疲れをリフレッシュ」や、「体のストレスをリフレッシュ」という表現は、薬機法違反となる可能性があります。
また、先述した「リラックス」についても同様に、「疲れ」や「ストレス」への効果を謳うことは出来ないので注意が必要です。
OKな表現例として、単に「あなたの1日をリフレッシュ」など、具体的な不調を標ぼうしないものであれば問題なく使用できます。
癒しは薬機法OK?
薬機法上、「癒し」という表現自体は使用してOKです。
ただし、こちらも化粧品の効果として、「疲れ」や「ストレス」などの不調を「癒す」という意味合いの表現をすることは、薬機法上認められた化粧品の効果を逸脱するのでNGです。
さらに、「癒す」とは、本来、「傷を癒す」、「苦しみを和らげる」などの意味合いであり、表現によっては医薬品的な効果があるかのような標ぼうであると判断される可能性があります。例えば、「仕事の疲れを癒す」や、「日頃のストレスを癒す」などは使用できません。
OKな表現例として、「お仕事終わりに癒しを」や、「忙しい日々に癒しを」など、「ホッとする」、「幸せな気持ちになる」といった意味合いの表現であれば使用できます。
ストレスは薬機法OK?
薬機法上、「ストレス」は基本的にNGです。先述したように、「ストレス」は、人体の不調を表す言葉です。
そのため、化粧品で「ストレス」と標ぼうすると、あたかも化粧品が人体の不調に対して効果的であるかのような標ぼうであると判断される可能性があります。
ただし、物理的な外的要因によるストレス(刺激)という表現であれば、効能効果を謳っていることにはならず使用することができます。
例えば、メーキャップ化粧品で、「紫外線によるストレスから肌を守る」という表現は使用できます。化粧品の「ストレス」表現に関しては、「医学的なストレス」はNGですが、「摩擦や紫外線などの物理的なストレス」はOKです。
まとめ
今回紹介した「リラックス」や「癒し」や「ストレス」などは、イメージがしやすく、広告でも非常に使いやすい表現です。
しかし、表現の仕方や組み合わせる言葉によっては、薬機法に違反する可能性があるので注意が必要です。
薬機法は、事業者だけでなく個人のアフィリエイターやインフルエンサーなども規制対象なので、広告やPR依頼で今回の表現を使う場合も、十分に注意が必要です。
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