景品表示法違反のキャンペーン事例8個!期間の制限は?

年末年始やクリスマスなど、イベントがあるときは特に様々なキャンペーンが行われますよね。あなたが勤めている会社や知っている会社でもキャンペーンを行っているのではないでしょうか。

景品表示法は、Webサイトだけでなく、チラシ・新聞・テレビCM・店内ポップなど幅広く関係してきます。もしあなたが勤めている会社でこれから紹介するようなキャンペーンを行っていたら、すぐに確認して止めましょう。

毎年、大手企業から中小企業まで多数の景品表示法違反が出ていますので、正しい知識をもっておくことで、ビジネスを守ることができます。

目次

景品表示法とは?

景品表示法は、正式には「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。

景品表示法の目的は、事業者が売上・利益増大のために行う各種広告や販売活動が公正な競争を阻害したり、消費者の適正な選択に悪影響を与えたりすることを防ぎ、一般消費者の利益を保護することです。

景品表示法違反をしたときのリスク

景品表示法違反と思われるものがあった場合には、消費者庁は調査した上で、措置命令・課徴金納付命令・指導・都道府県への移送などを行います。

措置命令を受けた場合は、消費者庁のWebサイトに掲載されるため、誰からでも閲覧できる状態になり、ニュースになることもあります。そのため、会社の信用を失うことになるでしょう。さらに、売上減・お客様のクレーム対応・返金などにも発展する可能性があります。

課徴金の場合は、3年間を上限として対象商品・役務の売上額の3%を納付する必要があり、会社の倒産を招きかねません。

キャンペーンとは?

ここでのキャンペーンとは、一定期間内に行われる一連の広告や販売促進活動を指します。例えば、年末年始やセール時期などによく行われますよね。

キャンペーンは、消費者の購買意欲を高めて売上を伸ばすには有効ですが、やり方を間違えると景品表示法違反になるリスクがあります。

景品表示法違反のキャンペーン事例8個

それでは景品表示法違反になるキャンペーン事例を紹介します。これから紹介する事例は、同じようなケースで大手企業が措置命令を受けたものも多く含まれています。企業のマーケティング担当者は注意してチェックしてください。

①キャンペーン期限の延長繰り返し

「◯月◯日まで限定で△△が無料」「◯月◯日まで△△をプレゼント」という期限を用いたキャンペーンを行い、その期限が過ぎたら、またその期限の日を変更して同じキャンペーンを繰り返すマーケティングは、景品表示法違反(有利誤認)になります。

<具体例>
「12月1日〜12月31日まで初期費用が無料」と書いているWebページが、1月になると「1月1日〜1月31日まで初期費用が無料」と期間を変えて同じキャンペーンを繰り返していた。

②販売実績のない価格から割引

販売実績のない価格から割引して、安くなっていると思わせて売る行為は、二重価格表示に該当し、景品表示法違反(有利誤認)になります。

<具体例>
「通常15,000円の空気清浄機が12月31日までは9,800円!」と書かれているものの、もともとその商品はそのお店で15,000円の値段で売られたことがなかった。

③明日以降の価格

将来の販売価格が、今の販売価格より上がると見せて、今のほうがお得な値段で買えると消費者に表示する行為は、二重価格表示に該当し、景品表示法違反(有利誤認)になります。

二重価格は、過去の販売価格だけでなく、将来の販売価格に対しても、十分な根拠のあるものでないときは不当表示に該当するおそれがあるとしています。

<具体例>
「4K 55型 テレビが50%オフで49,000円!明日以降98,000円」という表示で売っていたが、98,000円で売っていた期間は1週間以内と短いものだった。

④懸賞金額のオーバー

ショッピングモール・商店街などの複数の事業者が参加して行う懸賞は「共同懸賞」と呼ばれるものになりますが、このときの景品が限度額を上回っていると、景品表示法違反になります。

<具体例>
ショッピングモールで「3000円以上購入すると抽選券プレゼント」として抽選券を配っていた。1位の商品は100万円相当のプレゼントだった。

共同懸賞の限度額は以下の通りです。

景品類限度額
最高額総額
取引価額にかかわらず30万円懸賞に係る売上予定総額の3%

⑤業界シェアNo.1

広告の中で、「業界シェアNo.1」と書いている文言があり、その裏付けとなるような資料が見当たらない場合は、景品表示法違反(優良誤認)となります。

<具体例>
「当社のSIMカードは業界シェアNo.1」と書かれていたものの、実際にはそのような調査は行われておらず、根拠となる資料がなかった。

⑥原材料の素材が異なる

表示されている原材料や産地が、実際のものと異なる場合は、景品表示法違反(優良誤認)となります。

<具体例>
飲食店のメニューに「当店自慢のA5ランク牛をスライスしてローストしたローストビーフバーガーがおすすめ」と書かれていたが、実際に使用されていたのは、成型肉だった。

⑦当選者数が異なる

懸賞の当選者数を水増ししていて、実際の当選者はほとんどいなかったというような場合は、景品表示法違反(優良誤認)です。

<具体例>
ゲームユーザーに対して「応募者の中から、100名にitunesカード3000円をプレゼント!」と表示されていたが、実際にプレゼントを受け取ったのは、30名だった。

⑧必要な金額が異なる

広告に表示されていた商品を買うためには、その広告に書かれていた金額の他に、加算して支払う必要がある場合、景品表示法違反(有利誤認)となります。

<具体例>
「月々3000円からクルマが買える!」と広告では書かれていたが、クルマを買うためには、月々の支払額3,000円の他に、頭金と年2回のボーナス時に月々の支払額に加算してお金を支払う必要があった。

キャンペーン期間の制限

よくある割引キャンペーンでは、期間の制限があり、過去の通常価格の販売期間に注意しましょう。

過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示をキャンペーンで行う場合、割引前の通常価格は、相当期間販売されていた価格にすべきです。

価格表示ガイドラインでは、以下のような記載があります。

過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示を行う場合に、同一の商品について最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない価格を比較対照価格に用いるときは、当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるか等その内容を正確に表示しない限り、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
〜〜(省略)
「最近相当期間にわたって販売されていた価格」か否かの判断基準
〜〜(省略)
一般的には、二重価格表示を行う最近時(最近時については、セール開始時点からさかのぼる8週間について検討されるものとするが、当該商品が販売されていた期間が8週間未満の場合には、当該期間について検討されるものとする。)において、当該価格で販売されていた期間が当該商品が販売されていた期間の過半を占めているときには、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよいものと考えられる。

ただし、前記の要件を満たす場合であっても、当該価格で販売されていた期間が通算して2週間未満の場合、又は当該価格で販売された最後の日から2週間以上経過している場合においては、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえないものと考えられる。

例えば、過去8週間のうち、通常価格(50,000円)で販売していた期間が最初の2週間のみ、そのあとの6週間が割引価格(30,000円)だった場合、景品表示法違反になるおそれがあります。

キャンペーンの期間表示なし

キャンペーンの期間は、期間の制限がある以上、表示すべきです。期間表示がなければ、そのキャンペーンがいつまで続くのか分からないため、景品表示法違反になるおそれがあります。

キャンペーンの期間延長

キャンペーンで売上が伸びていれば、「好評につき延長」とキャンペーンを延長したく場合もあるでしょう。

しかし、違反事例の1つ目でも説明しているように、期間限定のキャンペーンを延長して繰り返す行為は、景品表示法違反となります。

まとめ

あなたが見たことのあるキャンペーンはありましたか?ニュースになったことのある事例を少し変えて具体例として書いたものも含まれているため、もしかしたら見たことのあるものが含まれていたかもしれません。

景品表示法は、知らなかったでは済まされないので、広告やマーケティングに関わっている担当者や、自営業者の方などは、景品表示法の知識を高めて、リスクを避けましょう。

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