LINEモバイルの景品表示法違反と課徴金納付命令の内容と理由とは?

多くの人々の生活必需品になったスマホですが、最近はSIMフリーと呼ばれる格安プランのスマホが登場してきました。SIMとは、スマホに挿さっているスマホを買い替えるとき挿し替えるカードとイメージしてください。

スマホ大手3社のSIMカードは各社の回線に限定され(例えばdocomoのスマホではau回線は使用できない)、手数料が高く、結果として月々のスマホ料金が高くなってしまうのですが、SIMフリーと呼ばれる各社の回線を使えるカードに切り替えることで、大幅に通信料や手数料を下げることができます。

今回例示するLINEモバイルは、みなさんおなじみのあの通信チャットのLINEが運営しているものですが、LINEが独自に発行しているSIMカードを契約することで、毎月のスマホ代を大幅に下げることができます(具体的には7000円前後→3000円前後)。

さらに、LINEはSIMカードを契約する際のお得な割引パック「エントリーパック」を発行していたのですが、そこに景品表示法違反があり、消費者庁から行政処分を受けることになりました。

あの有名なLINEが何をしてしまったのか、その違反の内容と理由を解説いたします。

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LINEモバイルの提供サービス

LINEは今やスマホになくてはならない通信チャット&無料会話を運営している会社ですが、そのLINEが提供しているSIMが「LINEモバイル」です。LINEモバイルと契約することで、大手3社の半額以下でスマホを使うことができます。

LINEモバイルに契約すると、どのプランでもLINEのトークや音声通話、タイムラインなどのサービスを利用する際、無料であるだけではなく、データ容量が消費されません。

加えて「3GB以上」のデータ容量プランの場合、LINEだけではなく、Twitter、Facebook、InstagramもWi-Fi環境がない場所で使用してもデータ消費にカウントされません。SNSを頻繁に費用する人ならば、これは非常にありがたいサービスになります。

一方、超格安(500円)でインターネットだけスマホでできるプランも用意されています。

docomo、au、Softbankそれぞれのスマホを使っていた人も、機種はそのままSIMカードを入れ替えることで、安く使えます。また、LINEモバイル専用の格安の新しいスマホに買い替えることもできます。

①スマホ使用料が安い(1500円~3000円/月)、格安の機種がある
②LINEを使用する際にはデータ容量を消費しない
③3GB以上のプランでは他のSNS使用の際もデータ容量を消費しない

今回問題となった「エントリーパッケージ」はそのための初期費用3000円が無料になる、と主に家電量販店やAmazonで購入できるプリペイド式のコードカード(16桁の番号を入力する)のことです。

景品表示法違反の内容

大前提として、LINEモバイルの登録事務手数料は3000円+消費税であることを覚えておきましょう。

景品表示法違反に問われたのは以下の2点でした。

①優良誤認

LINEがLINEモバイルのHPに2017年11月~2019年1月に表示した「エントリーパッケージを事前にご購入いただくことで、登録事務手数料が不要となります」という表示です。

この表示だけを見ると、エントリーパッケージを購入すると登録事務手数料が無料になると思いますよね。そして、家電量販店やAmazonで売っているエントリーパッケージのコードは400円~500円(定価は900円ですがほぼ半額で売っている)、実質「3000円-500円=2500円得する」商品のように思えます。

500円のコードを買えば2500円得する、これを買わないのはもったいないくらい優良な商品と思います。しかし、実際はそうではなかったので、それが「優良誤認」表示になります。

②打消し表示が不十分

もう1点、実は500円のコードで事務手数料が無料にならないLINEモバイルのプラン(500円格安インターネット限定プラン)があり、その場合はエントリーパックを購入しても3000円の事務手数料を支払う必要があったのですが、その注意書きはサイト内の離れた場所に小さく書かれていて、よほど注意してサイト中を読み込まないと分からないようになっていました。

これはよくある「○○を飲むと痩せます。ただし個人の感想です」すら分からないことであり、消費者庁は「そうではない場合もある」という打消し表示が不十分だと判断し、その点も指摘されました。

消費者庁から受けた措置

消費者庁はLINEモバイル株式会社に対して、『課徴金として243万円を令和2年7月28日までに国庫に納付しなければならない』という行政処分を令和1年12月27日に行いました。同時に消費者庁のHPや各マスメディアから処分が公表され、報道されるという社会的制裁も受けることになりました。

LINEは7か月以内に243万円を納付しないと年14.5%の延滞税が発生するほか、刑事告発されるリスクも負うことになります。

LINEモバイルではこれを受けてHPの記載を

「エントリーパッケージとは何ですか?」

「※データSIM(SMS付き)または音声通話SIMをお申し込みできます。SMS機能と音声通話機能が付いていない「データSIM」はお申し込みできません。」

というように「エントリーパッケージが使えないプランがある」と、誰でも理解できる書き方に変えました。これは消費者庁が処分したから変更したのだと思われます。

景品表示法違反になった理由

この問題はエントリーパッケージを使うと、すべてのケースで安くなると誤認させる表示があったことに起因しますが、LINEモバイルには3種類のSIMカードがあり、それが紛らわしいのです。

①データSIM:500円格安プラン。インターネット接続のみ(LINEはできる)
②データSIM(SMS付き):携帯電話のショートメールもできる。電話回線使用
③音声通話SIM:電話での会話もできる

このうち、エントリーパッケージで2500円引きになるのは②と③のみで、①のプランは3000円の初期費用が必要でエントリーパッケージは使えなかったのです。

ネット回線だけの500円格安プランでいいという人も含めて、すべてのプランの初期費用が割引になる優れた商品だ、と誤解させる記述になっていたので景品表示法違反となりました。

「エントリーパッケージを購入するとすべての場合で初期費用が割引で有利になる」
→優良誤認表示

「『500円格安プランは対象外』という記述はHPを隅々まで見ないと分からない」
→打消し表示が不十分

この2点が景品表示法に違反し、行政処分を受ける原因になりました。

今後の教訓

エントリーパッケージの対象外だった「データSIM」(格安500円プラン)は、激安SIMフリースマホの競争の中で少しでも自社と契約してほしい(ので勘違いしてほしい)という思いで、セールストークが過ぎたと言えるでしょう。

おまけ・特典がすごいとアピールしたい「企業努力」の行き過ぎが招いてしまった結果、処分を受けてしまいました。

「他社もやっている」「このくらいは許容されるべきだ」「よく読まない契約者が悪い」というのは通用せず、LINEという日常生活になくてはならない存在になっているツールを運営している大企業でも、見逃されることはないということです。

消費者庁の「景品表示法違反被疑情報提供フォーム」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/contact/disobey_form/)から誰でも情報提供できるので、目立つ大企業はどうしても通報されやすくなります。

消費者庁もすべての景品表示法違反を処分できるわけではないので、一罰百戒を狙い、誰でも知っている有名企業、大企業がターゲットになり得ます。

SIMフリースマホの激化するサービス過当競争とそれを誤認させる広告に他社も注意せざるを得なくなり、真に公平で真っ当な競争になるかどうか、できれば行政の介入を受けずに行いたかったものです。

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まとめ

景品表示法違反「優良誤認」と「打消し表示」(が不十分)について誰もが知っているLINEとスマホの契約を通して学べたのではないでしょうか。

スマホについては契約内容が複雑で、選択肢が多様化しています。その複雑さに乗じて、優良誤認させることは消費者庁が許さないという事例で、打消し表示をアリバイのようにサイトのどこかに記載するだけではダメだということもお分かりいただけたはずです。

有名企業であっても、課徴金の行政処分は受けますし、それ以上に報道されるとネットですぐ拡散し、社会的制裁の度合いも以前にも増して大きくなることを意識せざるを得ないのがわかる事例です。

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