特定用途食品とは?マークの意味・種類一覧・食品例

特定用途食品という言葉を耳にしたことはありますか?近年、需要が高まっている食品でもあります。そもそも特定用途食品について、よく知らない方もいるでしょう。

そこでこの記事では、特定用途食品とは何かから、マークの意味や種類、使用例まで、お伝えしていきます。市販食品についても併せて紹介しますので、参考にしてみてください。

目次

特定用途食品とは?マークの意味は?

特定用途食品とは、乳児や妊産婦、授乳婦、嚥下困難者、病者のための健康の保持や回復といった特別な用途を目的とした食品のことです。(特定保健用食品は含みません)

表示が認可基準に適合しているかどうか、消費者庁長官の許可を得なければ、特定用途食品として販売することはできません。

もしも認可基準がない場合は、個別に評価されます。その際、認可を受けようとする特別用途に適する成分が含まれているか否かだけでなく、それ以外の含まれている栄養成分についても評価の対象となります。

アレルゲン除去食の場合だと、アレルゲンが十分に除去されているだけでなく、それ以外に含まれている栄養成分量が、同等の食品とレベルが変わらないという点も重視されるポイントとなるのです。

特定用途食品に表示されているマークは、それらの必要な認可が得られた食品であることを示しています。表示が許可されるためには、規格や必要な事項の適正であるか、国の審査を受けなければなりません。

特定用途食品の種類


※引用元:消費者庁ホームページ

特定用途食品には、以下のような種類があります。
・病者用食品
・妊産婦・授乳婦用粉乳
・乳児用粉乳
・嚥下困難者食品

具体的にそれぞれ説明していきます。

◯病者用食品
アレルゲン除去食品、低たんぱく食、無乳糖食品、総合栄養食品などがあげられます。
アレルゲン除去食は、特定の食物にアレルギーを持つ患者さんのための食品です。無乳糖食品は乳糖を持たない乳糖不耐症やガラクトース血症の患者さんに用いられています。その多くが乳幼児用の調製粉乳であり、アレルギー除去食と重なる部分も少なくありません。

低たんぱく食は、主にたんぱく質含有量が少ない米飯からなっており、腎臓に疾患を持っている人に適した食品です。総合栄養食品は、必要な栄養素をバランスよく含んだ食品です。疾患などが原因で、通常の食事から十分な栄養を摂取することが困難な場合に使われています。

その他にも個別に評価されている病者用食品として、潰瘍性大腸炎者用食品や脱水時に必要な経口補水液があります。

◯妊産婦・授乳婦
悪阻が酷い場合の水分補給に、経口補水液が用いられます。また、妊娠中の高血糖予防にカロリーオフ甘味料、栄養補給として低リンミルクなどがあります。

◯乳児用
乳児の発育を助ける目的で粉ミルクが使われます。

◯嚥下困難者用食品
ゼリーやペースト、とろみ調製用食品(とろみ剤)があり、飲み込むのが難しい人向けに用います。(2018.4よりとろみ調製用食品が追加されました)

特定用途食品の商品例・市販食品例5個

①1/25プチ越後ごはん

プチ越後ごはんは、医師からたんぱく質の摂取制限の指示が出ている腎疾患の方を対象にした低たんぱく食です。通常のごはんの1/25のたんぱく質量を低減。

たんぱく質の摂取量を抑えたうえで、エネルギーを確保しつつ、肉や魚などの主菜から良質なたんぱく質を得ることができます。ご使用の際は、医師や管理栄養士の相談や指導を受けるようにしましょう。

②プロッカZn

プロッカZnは、「えん下困難者用食品」の表示許可を取得しています。1カップで180ml分の牛乳のたんぱく質とカルシウムに加えて、亜鉛が配合されており、おやつ感覚で食べられる小ぶりの栄養補給ゼリーです。

飲み込みやすく、なめらかな食感が特徴で、脂肪や乳糖を含みません。卵や大豆、牛乳などの抗原材料を含まないので、アレルギーを持っている方でも安心して食べられます。食欲が低下している、嚥下が困難でおかずが進まないときにおすすめです。

③ラカントS顆粒600g

ラカントSは、「羅漢果(ラカント)」の高純度エキスと、トウモロコシの発酵から得られる天然甘味成分「エリストール」の2つの天然素材からなるカロリーゼロの自然派甘味料です。

砂糖と同程度の甘さなので、料理の際にも換算要らずで、軽量しやすいです。レシピの砂糖をラカントSに置き換えるだけで、簡単にカロリーダウンが可能。コーヒーや紅茶などの飲み物にもさっと使えるのが便利です。加熱調理しても、甘さはそのままなので、煮込み料理、ケーキやクッキーなど幅広いメニューに活用できます。

④とろみエール1㎏

とろみエールは、食べ物や飲み物に混ぜて、適度なとろみをつけることができる粉末状の食品です。高齢者の誤嚥防止のために活用されています。溶けやすく、ダマになりにくいため、どなたでも手軽に扱えるのが利点です。

食べやすさに配慮しており、増粘剤にある特有のにおいや苦み、えぐみがないため、食品の味や香りに影響せず、美味しく召し上がることができます。また、透明度が高いので、食事の見た目も損ないません。

⑤ビーンスタークM1800g

母乳が足りないときや与えられないときに、母乳の代わりに使われる粉ミルクがビーンスタークMです。

シアル酸、母乳オリゴ糖(ガラクシトルラクトース)、リボ核酸などの母乳成分を配合しているだけでなく、全国母乳調査からの最新研究に基づき、日本で初めて育児用ミルクに「オステオポンチン」を配合しています。

母乳は、病気から守り、成長を支えるために、赤ちゃんにとって重要な要素。発育に欠かせない成分をしっかり含んでおり、安心して与えることができます。

まとめ

特定用途食品の表示が許可されている数は、54品目です。(2017.8時点)超高齢化社会や生活環境の変化から、特定用途食品の必要性や需要が高まっています。

嚥下機能の低下による嚥下困難、食物アレルギーや糖尿病や腎臓障害による食事療法が必要な患者さんは増加しています。さまざまな研究が進み、日々新しい食品が開発されており、特別用途食品においても、より効果的な食品の開発が期待されるところです。

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