Googleマップにサクラや自作自演で口コミをすることは違法なのでしょうか。口コミをした場合のリスクや罰則は?
またサクラや自作自演の口コミのチェック・見分け方についても説明します。
Google口コミのサクラや自作自演行為とは?
Google口コミのサクラや自作自演行為とは、Googleマップの店舗の口コミ投稿欄に、店舗の関係者や口コミ投稿代行業者が、良い評価の口コミを投稿することを意味します。
例えば、★5評価で店舗の商品やサービスを称賛する口コミを投稿するなど。
口コミを投稿する人には、店舗の運営者、従業員、関係者、お金をもらって投稿する業者などが考えられます。
Google口コミのサクラや自作自演は違法?
Google口コミのサクラや自作自演は、違法行為です。
また、Googleのプラットフォームからも規制されており、リスクの高い行為と言えます。
口コミ投稿代行サービスを行う業者もいますが、違法行為も含まれるため、利用しないようにしましょう。
口コミを規制する法律
景品表示法
口コミは、景品表示法の不当表示と関係します。不当表示の条文は以下のとおりです。
第五条
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(優良誤認表示)
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(有利誤認表示)
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの
不当表示の中で主に関係するのは、優良誤認表示、有利誤認表示、ステマ規制です。
優良誤認表示とは、商品やサービスの品質、規格その他の内容についての不当表示です。
有利誤認表示とは、商品やサービスの価格、その他取引条件についての不当表示です。
ステマ規制とは、消費者に広告であると明記せずに隠して行われた宣伝行為等を取り締まる法律です。
法律違反の具体例3つ
優良誤認表示、有利誤認表示、ステマ規制の3つの法律違反になる口コミの具体例を紹介します。
優良誤認表示の口コミ具体例
飲食店の口コミに「このお店はすべて無農薬野菜を使っていて安心して食べられる」と投稿させ、実際はそうでなかった場合、優良誤認表示となります。
有利誤認表示の口コミ具体例
整体院の口コミに「このお店は〇〇駅周辺で一番安い」と投稿させ、実際はそうでなかった場合、有利誤認表示となります。
ステマ規制の口コミ具体例
エステサロンの口コミに「ここのサービスは丁寧でおすすめ」と関係者がお客様を装って投稿した場合、ステマ規制違反となります。
口コミで法律違反をした場合のリスク
景品表示法
措置命令
優良誤認表示、有利誤認表示、ステマ規制どれに違反した場合でも、措置命令があります。
措置命令は、景品表示法第7条に定められており、以下の対応が必要になります。
・該当行為をやめること
・再発防止のための対策
・一般消費者へそれらを知らせること
また、公表され、多くの人に知れ渡ることになります。
課徴金
優良誤認表示、有利誤認表示の場合は、課徴金もあります。
課徴金は、該当商品やサービスの売上の3%(最長3年)です。
罰則
措置命令に従わなかった場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。
Google口コミのサクラによるその他のリスク4個
1. アカウントがペナルティで一時的に使えなくなる
サクラ・自作自演であることがバレてGoogleからペナルティを受け、一時的に使えなくなる可能性があります。
その場合、ペナルティを受けた箇所を修正し、回復申請をすることになりますが、いつ回復できるかはわかりません。
2. 信頼されなくなる
サクラの口コミは注意深く見れば、分かる人には分かります。そのため、信頼されなくなり、いつのまにか良質なお客様を失っている可能性があります。
月に1〜2人であっても、リピーターになってくれる人であれば、その後の売上は大きく変わります。
また、外部に依頼した口コミであれば、後から消すのは大変です。長期的な目線で考える必要があります。
3. MEOで上位表示されなくなる
Googleが悪質と判断し、ペナルティを受けるなどチェックが入ると、MEOで上位表示されなくなり、表示回数が大きく減少する可能性があります。
そうなると、検索から来るお客様が一気に減り、事業に大きな影響を与えます。
4. アカウントが永久停止になる
アカウントが一時停止ではなく、永久停止になり、使えなくなる可能性があります。その場合、過去に積み上げたお客様からの評価などもすべて無駄になります。
また同じアカウントで複数のビジネスプロフィールを管理していた場合、そちらも使えなくなる可能性があります。
口コミの景品表示法違反事例
2024年6月6日、医療法人がステマ規制に違反し、景品表示法に基づく措置命令を受けました。
Googleの口コミ投稿欄に★5か★4の投稿をすることを条件に、インフルエンザワクチンの接種費用を割り引くことを伝え、その口コミを表示していたためです。
割引での投稿依頼がただちにステマ規制に違反するわけではありませんが、★5や★4の投稿というように内容を指定していた場合は、ステマ規制違反になります。
ステマ規制違反が公表されると、GoogleやSNSで事業者名で検索したときの結果に、そのニュースが表示されるようになり、事業に深刻なダメージを与えることになりかねません。
Google口コミのサクラのチェック方法・見分け方5個
サクラかどうかを正確に見分けるのは難しいですが、次のような場合はサクラである可能性が高いでしょう。
1. 同一アカウントで様々な地域の店舗に口コミをしている
同一アカウントで様々な地域の店舗に口コミをしている場合、サクラの可能性が高くなります。
通常は、自分の生活圏にある店舗に口コミを行うものですが、地域がバラバラだと実際に訪れていない可能性が高いと考えられます。
もちろん頻繁に旅行に行く人などもいるため、それだけでは判断が難しいですが、旅行であれば観光で行くような店舗に限られるため、そのあたりも見分けるときの判断材料になるでしょう。
2. 似たような言い回しの口コミが多い
業者が投稿する場合、ひとつひとつの口コミの作り込みが行われておらず、似たような言い回しが多くの投稿で使われていることがあります。
その店舗の口コミに似たようなものが多い場合、業者や関係者などで高評価の口コミを増やすために、口コミを投稿している可能性が高いでしょう。
3. 該当店舗しか口コミをしていないアカウントが多い
該当店舗しか口コミをしていないアカウントが多い場合、サクラの可能性が高くなります。
口コミを行う人は、1店舗のみ口コミをするとは限らず、訪れた様々な店舗の口コミをすることも多くあります。
そのため、該当店舗に口コミをしているユーザーのほとんどが他の店舗の口コミをしていない場合、サクラを利用している可能性が高いでしょう。
4. 口コミの評価が極端に分かれていることが多い
★5と★1の口コミがどちらも多いなど、口コミの評価が極端に分かれていることが多い場合、★5はサクラである可能性が高いでしょう。
提供されている商品やサービスは基本的に同じなので、評価が両極端に分かれることは通常は多くありません。
そのため、評価が極端に分かれていたら、自作自演の可能性があります。
5. 短期間に高評価の口コミが急増している
短期間に高評価の口コミが一気に増えている場合、自作自演や業者による口コミが疑われます。
実際のお客様であれば、口コミの投稿をしない人もいるため、短期間に増やすのは簡単ではありません。
限定された期間のみ一気に増えていた場合、サクラである可能性は高いでしょう。
まとめ
Googleの口コミを規制する法律とサクラや自作自演の場合のリスクについて説明しました。
法律・Googleどちらからもペナルティがあり、サクラや自作自演の口コミはバレてしまえば、大きな損失につながります。規制やルールを守って適切な運用を行っていきましょう。
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