くすみ表現は薬機法OK/NG?化粧品広告で使える?

肌への効果を謳う化粧品の広告で注意すべきなのが「薬機法」です。化粧品は人体に直接的に作用するものなので、宣伝するにあたり、法律でいくつかの規制があります。薬機法に違反すると、行政から注意を受けたり、課徴金を課されることがあります。

この記事では、化粧品広告でよく見かける、「くすみ」という表現について注意すべき点をお伝えします。

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目次

肌のくすみとは?

一般的に「くすみ」は肌が本来の明るさより暗く見えることを表現するときに使われます。

年齢によるものや、肌の乾燥によるものや、汚れ・古い角質によるもの等、要因は様々ですが、肌がどんよりくすんだ印象に見えることを言います。

くすみは化粧品広告で薬機法OK・NG?

薬機法上、「くすみ」という表現を広告に使用しても問題ありません。

ただし、以下の規制があります。

・「くすみが完全に消える」など、効果が確実であるかのような過剰な表現はNG

・くすみを予防できるような表現や、内的要因・肌色変化によりくすみが改善するような表現や、シミやそばかすを防ぐような表現等、「予防」や「治療」をイメージさせる表現はNG

・メーキャップ効果(*)に関する以外の化粧品を宣伝する場合は、くすんで見える要因を明確にすること、化粧品の効能効果の範囲を逸脱しないことが必要

これらを遵守すれば、化粧品広告で「くすみ」表現をすることができます。

*メーキャップ効果…「メーキャップ化粧品(ファンデーションや口紅など色彩効果のある化粧品)」による色彩効果のこと。

くすみが化粧品広告で使えるパターン2個

①メーキャップ効果を訴求する場合

くすみを隠す・覆う・見えにくくする表現や、メーキャップ効果により肌を白い印象に見せるという表現など、メーキャップ効果に関するものであれば、特に問題なく広告に「くすみ」表現を使えます

<OKな表現例>
「ファンデーションでくすみをカバー」
「美白パウダーでくすみを隠し、お肌を白く見せてくれます」など

ただし、メーキャップ効果の表現を超えた過剰な表現(過剰に効果があるかのような表現など)や、予防や治療的な効果があると誤認させるような表現は、化粧品の効能効果の範囲を逸脱しNGなので注意が必要です。

<NGな表現例>
「美白パウダーでくすみが消えて無くなる」
「くすみが完全に目立たなくなる」
→メーキャップ効果を超えた過剰な表現であると判断される恐れがあるのでNG。

「くすみを予防する」
→予防や治療的な効果あるような表現なのでNG。

②くすみの要因を明確にしたうえで、メーキャップ効果に関すること以外の訴求をする場合

肌がくすんで見える要因が、
「①汚れの蓄積によるもの」
「②乾燥によるもの」
「③古い角質層によるもの」
であることを明確にすることで、メーキャップ効果以外についても「くすみ」表現を使用できます。

<OKな表現例>
「(美容液などの広告で)乾燥によってくすんでみえる肌にうるおいを与え明るい印象へ導く」
「(洗顔料などの広告)くすみのもとになる古い角質層による汚れを洗い流す」
<NGな表現例>
「くすんだ肌に潤いを与え明るく」
「くすんだ肌の汚れを落とす」
など、くすみの要因を明確にしないくすみ表現はNGとなる可能性があります。

また、先ほど述べたように、化粧品の効能効果の範囲を逸脱する表現は当然NGとなる可能性があるので注意が必要です。

くすみで注意すべき景品表示法

化粧品広告をするときは、薬機法違反だけではなく、景品表示法にも注意が必要です。企業など事業者が提供するあらゆる表示物(広告物やPOPなど全て)が景品表示法の規制対象となります。

くすみへの効能効果について、実際よりも著しく優良であると消費者に誤認させるような表現をすると景品表示法上違法となります。

また、合理的な根拠が全く無いにもかかわらず、くすみへの効能効果を表現した場合も、不当表示と判断される可能性があるので注意が必要です。

<NGな表現例>
「くすみが完全に消えて無くなる」
⇒実際くすみは完全に消えないのに、優れた効果があることを標ぼうするのはNG。

「業界一、くすみをカバーできる」
⇒その商品が、本当に業界一くすみをカバーするという合理的な根拠(信憑性のある調査を行ったなど)が無いとNG。

化粧品広告で薬機法違反をしたときのリスク

化粧品広告で、薬機法第66条の誇大広告等に違反した場合の罰則は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれを併科です。

そして、措置命令課徴金納付命令のおそれもあります。

また、法的責任だけでなく、SNSで炎上したり、ニュースになって会社の信頼性が長期に渡って損なわれたりするおそれがあります。

措置命令

措置命令は、薬機法第72条の5、に定められており、違反広告の中止や再発防止などを求められます。

<対象>
・第66条第1項
・第68条

<具体例>
・違反したことを関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・その違反行為を将来繰り返さないこと
など

課徴金納付命令

課徴金納付命令は、薬機法第75条の5の2、に定められており、課徴金の納付が求められます。

<対象>
・第66条第1項

<課徴金の金額>
・課徴金対象期間の商品売上の4.5%(最長3年間)
・225万円未満の場合は課徴金なし

<減額>
・同一事案に対し、景品表示法の課徴金納付命令がある場合
⇒3%を減額して1.5%・自ら報告した場合は、50%相当額を減額

まとめ

最近は、TVCMや雑誌だけでなく、SNSやブログなどで一般の方が化粧品を宣伝されていますが、薬機法は、法人・個人問わず誰もが規制対象となるものです。

知識が無いと、ただ宣伝しただけなのに、気付いたら法律違反だったということも起こり得ます。化粧品を宣伝するにあたって参考にください。

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