医薬品の無料サンプル配布やプレゼントはOK?NG?

商品のサンプルが無料で提供されたり、買い物をした際にその特典として商品のサンプルが提供されたりすることはよくあります。

サンプルやプレゼントとして提供されるものはさまざまですが、ここでいうサンプルやプレゼントが「医薬品」である場合、自由に配布することができるのでしょうか。

今回は、医薬品をサンプル・プレゼントとして配布する場合の規制について解説していきます。

目次

医薬品の販売に必要な資格や許可は?薬機法?

医薬品を販売する場合には、薬局の開設、もしくは、医薬品販売業の許可を受けることが必要になります。医薬品が人体に影響を及ぼすものである以上、許可が必要になるのはごく当然のことです。

以上からすれば、医薬品を直接販売することなく、無料でサンプルを配布するような場合には、許可が不要であるようにも思えます。

ですが、薬機法(旧薬事法)では、医薬品を販売することに加え、医薬品を授与したり、販売・授与を目的として医薬品を貯蔵・陳列する場合にも、薬局の開設もしくは医薬品販売業の許可を義務付けています。

医薬品の分類

医薬品には、様々な種類があります。

医師の処方箋が必要なのが、医療用医薬品です。

要指導医薬品は、医療用医薬品から市販薬に転用された薬で、処方箋は必要ありませんが、薬剤師から対面で指導や情報提供を受ける必要があります。

一般用医薬品は、ドラッグストアなどでもよく見かける商品で、インターネットでも購入できます。

医薬品の無料サンプル配布やプレゼントはOK?NG?

先に見たとおり、医薬品の無料サンプルを配布・プレゼントする行為は、「医薬品の授与」にあたるため、原則として、薬局の開設もしくは医薬品販売業の許可が必要になります。

また、無料サンプルの配布を他社に委託する場合であっても、そのために、自社の倉庫などにサンプルを貯蔵するような場合には、薬局の開設もしくは医薬品販売業の許可が必要となるため、注意が必要です。

もっとも、以下のいずれかにあてはまる場合は、例外的に医薬品販売業の許可等が不要となります。

(1)医薬品の製造販売業者が自社で製造・輸入した医薬品を、薬局開設者・医薬品の製造販売業者、製造業者もしくは販売業者に販売・授与等する場合

(2)医薬品の製造業者が自社で製造・輸入した医薬品を、医薬品の製造販売業者、製造業者に販売・授与等する場合

薬機法24条

(医薬品の販売業の許可)
第二十四条
1 薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。

2 前項の許可は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

このように、自社が有する許可の種類によっては、薬局開設又は医薬品販売業の許可が不要となるため、その点をきちんと確認することが必要です。

また、必要な許可を受けている場合であっても、懸賞や賞品の一環として医薬品を授与する旨の広告は原則として禁止されているため、医薬品サンプルを景品として提供することはできません。

なお、薬局開設又は医薬品販売業の許可は、6年ごとに更新しなければ失効するため、その点も注意するようにしましょう。

まとめ

医薬品を販売する場合はもちろんのこと、医薬品のサンプルなどを無料で配布する場合にも、原則として、医薬品販売業等の許可が必要です。

許可を受けずに医薬品の提供等をしてしまうと、薬機法違反にあたり罰則を科される可能性があるため、事業者は薬機法上のルールをきちんと押さえておくことが大切です。

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